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夕日の終わるころ
僕はなにに影を落とすだろう
うらぶれた浜辺の賊らが踊りだせば
僕は楽しいことだけをしよう
おなじ波なんてあるのだろうか
波は波にちがいない
それだけでいいのではないか
ささやかな浜辺 ....
自然っていいことなんだろうか
歩きにくかったり臭かったりそれも自然だ
香水なんかほとんど人工的なものだ
ぼくらにとって自然をやさしくすることが
それはどうだったんだろうか
自然災害や環境破壊も
中心に ....
なにかを変えてゆくとき
そのなにかは終わり
そして変化したなにかが始まる
そのあわいには混乱や苦悩がある
きょうがそのようだ
向田邦子が通った喫茶店で
こってりと苦い珈琲を二杯のんだ
六十を過ぎた四 ....
はっきりとした目的もないと
矢印が他人事のように見えてくることがある
この矢印はじぶんにとっての矢印なのか
ぼくはどこへゆこうとしているのか
矢印はなにも知らないだろう
そんなことぼくが決め ....
通勤の地下鉄
夜のうちに汚れの薄まったいつもの朝
家路を逆走する
生きとし生けるぼくたちは辿る
暇つぶしには程遠くて
たましいを携えて今日もゆく
あさってもあしたもきのうもおとといも
き ....
せいぎちょうをつくったぼくは
せいぎのめんばーをそこにしるした
いちばんはぼくだ
しゅうぞう、はやと、そうた、たくみ、ぜんいんでごにんだ
三十年まえのジャイアンが歌謡ショーをひらきそうな公園に秘密基 ....
珊瑚にも見えた
夜のいっかくに宇宙を膨らませたそれは
いきものたちの銀河だ
ぼくらはあんなとこにいるんだ
こんなところで
あんなとこの一員をやっているんだ
一秒も何億光年も ....
機械的に家路を歩いてた
なんにも考えずに
帰巣本能でもあるまいし
歩道橋の向こうに
私を照らす光源があった
セピア色した夜に
私は突撃したのだけれど
それは本能でなく
機械的にした訳で ....
人生よりも永い愛の跡
そんな愛し方で足りないのは
人間だからでしょうか
楽譜のような愛の跡
そんな愛し方で足りないのは
人間だからでしょうか
人生は短いのでしょうか
木や楽譜であったの ....
爽やかなしょんべんの匂い
あたりを見回すと
ツツジの群生しかなかった
あいつが俺のを飲んだのを
思い出してもいた
意味などさがす気もなくて
あいつが俺のを飲んだのを
植物的な愛の形を
....
あてどなく
そうあてどなく
ぼくはきみに聞いた町を通りを
喫茶を探すように歩いた
東京の商店街の
あの密着感がにがてだ
ぼくはよそものだと
目がおもくなる胸がくらくなる
足が空を蹴る
あてどなく
....
日常はつづいてゆく
どれだけ愛しあっても
どれだけ傷つけあっても
そこに生産性をなにもさがせなくても
日常とはなんなのだろう
それは幸せに繋がっているのだろうか
倫理からはずれていたとしても
社会制度 ....
写メが欲しいと言ってきたから通勤途中のをとって何枚か送ってやった
地下鉄の階段、乗り降りの写メはぶれまくっていた
あたしも動くしみんなも動いているもんだから
蛍光灯の白いひかりがぼわっと膨らんだ ....
小学生のころ正義帳なるものをつくった
表紙には宇宙に浮かんだ地球の絵を描いた
その絵のうえの余白に、せいぎちょう、と記した
1ページめにはまず、せいぎのるーる、五箇条を書いた
あの頃といまも考 ....
きのうの自己嫌悪が仕事をしていても
刹那刹那に貼りついていて
ひとにいつもより優しくなれていたんだ
九州一日目の夜ひとにはぐれて屋台でのんでます
きのうの自己嫌悪を受け容れるには
ホテルちかくの名 ....
君はいつか僕に会えるだろう
人は意外とかんたんに
見知らぬ遠い場所までいくことができるから
僕も毎日、想っていた
父さん母さんに連れられて
テニアンやサイパンにまで
砂糖黍畑を ....
あなたが送ってくれた手紙を読みながら
まだ一度も会ったことのない
あなたの笑顔をかんがえる
そういうときの私は
太陽に向かってノーテンキに咲いている
この島のハイビスカスなのです
あおい蕾が
春の嵐にぽきん、と折れて
公園のくずかごに捨てられている
花の命のありかがわからなくて
こわごわ抱いて家に帰る
光に翳すと
やわらぎながら
ほどけてゆく部屋
輪郭をも ....
絨毯に虹ができていた
ガラスのテーブルのせいだろう
この世はひかりで出来ている
否、この世はひかりで見えている
否、この世はひかりのようなもので出来ている
テーブルはガラスで出来ている
虹 ....
日がしろく輝いて
ひとびとに熱を伝えている
傍らの空にはさくら
それをこどもみたいに自慢げによろこび
それをおとなみたいに適度な距離でたのしみ
日がバス通りの向こうに落ちて
ひとびとから熱 ....
むしゃくしゃして、部屋の模様替えをした
こんな気分の日は
重い家具を動かして、さっぱりした部屋で
ぐっすり眠るにかぎる!
はずが・・・
古い映画のDVD
二人で映画を観そこねて、いっしょに ....
市の幼稚園、小学校、中学校のこどもたちの絵が集められて
市の美術館に息子たちの絵も飾られている
息子たちにせかされて美術館に出掛けた
じぶんの成果を恥ずかしげもなくひとに披露したくな ....
春に近い
夏に通うころ
なまめく
てらりと
ひかる東京
銭湯をさがして
フーガで
はしる細い直線
民家
町工場
小学校
線路
なまめく
人工のひかり
人工のひかりばかりだ
....
どこへかと向かっている
未来も生産性もない場所へ
こころやたましいを向かわせながら
家へと向かっている
社会制度とは効率と確率を追ったものだ
そこへと向かっているのだ
生殖器ではとどめを ....
体温ほどのとろ火で
もうずっと煮つめ合っている
女はなんどめかの
ケイレンでお腹を震わせていた
男のさきっぽには
涙のような汁がうすくたれている
午後五時半
冬の夕暮れ
いっしょに、 ....
東京にくると
かつて7年住んだとこだからか
いまだに成長してる都市だからか
なんだか照れくさい
いまもいつもそうだ
でも夜になると
ぼくは金魚になって
水槽の色彩に泳ぎだすようだ
友人 ....
ケイタイがきゅうに圏外になった
宇宙でなにかが起こっているのだ
いや、宇宙ではいつもなにかが起こっている
おっぱいの写メくれとお願いされている女や
職場のトイレでの自慰を写メで送りつける女や
....
ギアチェンジするとは
おおきな存在に
身を任せてゆく覚悟のことだと思う
どんな悲しみでも
日々の暮らしのなかに
お任せされてゆく
どんな河でも
その河口ではもう海に
お任せされてゆく
....
歴史的なエピソードにこと欠かないこの地で
芦田川について語られることはあまりない
芦田川の河口はもちろん海とまじりあうのだが
見つめていると
この川が本質的には海であることがよくわかる
芦田 ....
そして弔いたいのは
君への恋心ひとつ
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