握り締めることなんて出来ないってわかってるのに
風に翻弄されて舞い落ちる粉雪をつかまえて
その結晶を手のひらに刻み付けたいと思った


この冬最初に降る雪を見たのは
帰省先である少し北の街 ....
雨が宙の溝を流れる
音も光も流れ砕ける
見えない緑
見えない金に吼えつづける


夢と文は 同じ場所に居て
時おり向きを変えている
互いの息の影
互いの音の光を重 ....
誰だろうかと
寂しさとしての絵にしていた
誰かがいた
人間ですらなくなった声にするのだろう
もう
おしまいにしよっか なんて
言わなくてもいいことは
空へ 空へ

さみしさは
出来の悪いコピー機みたいに
あやふやなものが
伝達されない

寒いね
寒さだけが本物だ

 ....
今までそこにあった熱が
布にうつり
やがて消えるとき


滴の風が片脚を打ち
向こう岸に
点滅する音


かたむき かたむき
火は水に傾き
指は到かず
水 ....
とどこおれひとかけらまでとどこおれ



異国から細胞の{ルビ文=ふみ}打ち寄せる



冬の指ただ指に負う痛みかな



お前からお前を{ルビ奪=と}った非を ....
ひとつの言葉は、百のことを伝え

百の言葉は、ひとつのことも伝えない

そんな わたしの言葉
冬ふるえ夜ふりまわし地に血反吐


大声を信じる先は闇ばかり


文法と知識ひけらかす奴ばかり


文法はおまえに訊かぬ辞書に訊く


何様だ「そんな日本語 ....
在る理由を失くした肌にくちづける



閉ざされた行方歯車ひらく雪



空白に圧され振り出し戻りゆく



夜を呑み冬に呑まれる罪業徒



 ....
とろりとろりと
日が暮れて
お社の石灯篭の暗い影
僕の背丈より
いつの間にか長い

鬱蒼と生い茂る鎮守の森
空にはねぐらに帰ってきた鴉の
黒く騒がしい群れ
忍び寄る夕闇せかされて
 ....
闇のほつれが夜の樹となり
蒼を高みへ押し上げている
低い音のあつまりに
音のまだらに震え立つもの


冬を割り
冬を負い
夜の泡が
光を目指し


道の角ごとに
 ....
むらさき
むらさき
光の仕草へ
近づく空


歩いてわたる
歩いてわたる
うつぶせの鏡の群れが浮かぶ水
背から背へ 背から背へ


城壁の角
影が空を仰ぎ ....
はざまから土
降りおりる銀
曲がるたびに
冬を巻く道


緑の雨と肋骨の森
作りかけのまま棄てられた街
埋め立て地の午後
低い低い音のつらなり


熱を持たない ....
今 わたしには見たいものがある
窓ガラスの向こうの木立の先
に流れる稜線のはて遥かに広がる空
の上に揺らぐ大気圏突き抜け
さまよう宇宙へ
(願望ではない意志の)
視線を凝らしているのだ
 ....
終わりの淵
よろこびの帽子
光を落とせ
光を下ろせ


滴が降り
葉になり 虫になり
家を巡り
静かに去りゆく声になり


大きく碧いまぶたの浪が
ひらく ....
私達はいつだって独りで。

けれどどんな時でも、一人で在った事なんて一度もなくて。




気が付けば隣に、前に、

時には後ろに、誰かが立っていて。



 ....
はじけ散ったオレンジ色の広がる時間がソコにある
乾いていくアスファルトの匂いが過ぎていく季節を
惜しみながら少しずつ少しずつ遠ざかる

ね、あの日
空は何色の雲を纏っていたの?

ね、あ ....
・生きるだけならつまらないから生きられるだけ生きてやる

・闇が薫れど惹かれちゃならぬ羽虫は目指す光の方
木漏れ陽や影が
昼の星を見ている
羽は
羽から目をそらす


家の裏の沼には
家が沈んでいる
建つものもなく
枠は増える


   翳りが
    ....
きみから放たれた愛しい種子は
酸素に混じり肺に吸い込まれ
潤んだ空間にじわじわと溶ける


熱いため息が吐き出されたとき
そのあまりの重さに
飽和状態であったことを知る


きみの ....
滴るような影が覆う

窓ガラスにも無数の痕跡を残しながら
実体の無い掌が感覚を撫でていく

階段の暗がりは質量を増し
無音

外は雨

彼は目を閉じたまま
静かに耳をそばだてた
あのときあいつはああ言った

あのときあの男はあたしを笑った

あのときあのひとは助けてくれなかった

あのときやつらは追い詰めた

あの言葉、あの態度、あの時あの時あの時あの時あの時 ....
{引用=ある時期が訪れると私の肌は、銀杏のように黄色く色づくのです}


銀杏のように色づくのです

オリンピックや、ワールドカップの時にだけでなく
箸を扱うときや、
ひとりこの畳の上で ....
私がふたごだったとき
ずっと森で暮らしてた
ふたりおそろいの服を着て
毎晩同じベッドで夢を貪りあった
ふたり一緒にいること
それが当たり前の世界だった

私がふたごだったとき
世界はひ ....
浜辺の犬がこちらを見ている

トタンの屋根を抜けて私は

君に寄せていく

同じだけ離れて

君は黒い目でかしげる

私は砂の城をこえて

水平線を臨む

幾重にも絡まって ....
ばくだんの解体
まるで私の心をいじくりまわして
夜空の花火になるのに似ている
そしてあるいはハイウェイ
灰色の街の一本道を
バイクのように飛ばす鼓動
棘のある私の心
もう少しロマンチック ....
Tシャツを着て
日暮れの街を歩いて
何かを得てるつもりなんだ
ばかみたいだろ
まるで
人みたいだろ
普通の人みたいだろ

後ろポケットから
ブルースハープを取り出しても
射殺さ ....
大切かどうかわからない記憶は
抱えていた膝小僧のかさぶたにある

転んだのは最近のことだったか
それとも遠い過去のことか
鉄さびのようなすすけた色は
かつて赤い液体であっただろうことを
 ....
幾度も幾度も
二重を拭く
ぬぐうたびに
三重になる
星の生まれの
道すじになる


水を進む見えないもの
飛沫が花を描き
すぐに消える
すぐにすぐに
消えてゆく ....
教室の隅にピーターパンがいる。
誰もそれを見ないふりをする。
寂しいピータパンはおどけて踊る。
すると漸く何人か
彼のほうを見て笑う。

教室の隅にピーターパンがいる。
もう誰もそれが見 ....
ゆびのおとさんのおすすめリスト(76)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
この冬最初に雪を見たのは新年だった- あ。自由詩15*10-1-1
冬とけだもの- 木立 悟自由詩610-1-1
- 番田 自由詩110-1-1
ゆうぁ_まいん- umineko自由詩6*09-12-31
川岸の呪座- 木立 悟自由詩309-12-29
toujours__maudit(forever_curse ...- 木立 悟俳句209-12-24
わたしの言葉- 殿上 童自由詩5*09-12-24
冬と血反吐- 木立 悟川柳3+*09-12-21
冬と業- 木立 悟俳句309-12-19
とおりゃんせ- 楽恵自由詩11*09-12-9
降り来る言葉__XLIV- 木立 悟自由詩509-11-30
傷の広場- 木立 悟自由詩509-11-25
無街- 木立 悟自由詩409-11-21
位置- Kazu.自由詩4*09-11-18
光と手紙- 木立 悟自由詩309-11-18
ぬくもりを手に。- aokage自由詩9*09-11-13
あいだ- いのせん ...自由詩109-11-13
都々逸- 雨流れ。伝統定型各 ...1*09-11-12
水の遍歴- 木立 悟自由詩509-11-10
きみの球体- あ。自由詩21*09-10-23
- 三森 攣自由詩409-10-22
繁る私- 笠原 ち ...自由詩1109-10-17
銀杏の心- 瑠王自由詩5*09-9-24
私がふたごだったとき- 未有花自由詩24*09-9-3
犬と波- 瑠王自由詩2*09-8-23
ばくだんの解体- 未有花自由詩14*09-8-18
蛍を追って- 竜門勇気自由詩1*09-6-27
かさぶたの記憶- あ。自由詩20*09-6-12
声と花- 木立 悟自由詩209-6-12
教室の隅にピーターパンがいた- 亜樹自由詩109-6-9

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