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杉の梢のうえに
あなたの声を聞いた気がしたのです
…枝の間に、冬の鳥のさえずりの中に、
 ひとつ、ふたつ…
タンポポの綿毛になって
飛んで行くのですね、

とめたって
きっともう  ....
{引用=

赤錆びた鉄くずに
音ばかりがしてきそうで、
枝の間にのぞく空の端に
来るはずもない
飛行機をみていた
確かにここでは、ディーゼルの音が
あんなにも していたのに
St.C ....
赤い屋根のお庭には、
たくさんの死骸が
ごろごろと横たわっていました
胴体を切られた者達が、

七重八重になって、乱雑に
ひしゃげた腕が
その間に差し出されては、
修羅場をいっそう ....
うつむきながら
老婆があゆむ
右の手にしたほそい杖
すりきれたコートにつつまれて
冬の濡れた芝の上を
さまようように
あきらめたように

差し出す雑誌に
日本のことがかいてあるの ....
   言葉を、さがすのです 

   くろうしながら
 伝えるのは
  もどかしい けれど

本当に言いたいことは 
行の間や【。】のなか
星の間のくらやみや
言葉のすき間にかく ....
■■■■■■■■□□
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■■■■□□■■□□
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{引用=           
これは、リンゴの木の前に立っている私 ....
{ルビ=アヒルの子} {引用=

今日 {ルビ午后=ごご}の空は、
秋をきびしく拒絶していました。
その審判は、言葉や法則でなく、
まして、表象された風景などでも
なかった。

許しはしないと、
風や雲の ....
もっと話を聞かせてくれませんか

そうしたら、
あたしは、言葉のあいまに置かれた
なだらかな読点【、】に背をもたせ、
気まぐれに口をつぐむあなたの 数知れぬ句点【。】の
小さなその ....
 成層圏              私風景
{引用=

そらのひろがりが       【 騒音のやまない
手にあまるこんな日は、      プラタナスの並木
苦しいのがわかっていながら    ....
悪いけれども
あたしは、好きなものは手に入れるよ
それが許されるのだから
どんな代償を払うことになろうと、
そんなことは知ったことか

――――――― 男の首をほしがるおんなも、
  ....
夏のそらばかりが 身をせめる
南風の吠ゆる 島の岬に
母のかたみの 赤い櫛で
髪を梳く 

罪を乞うでなく
罰をあがなう 身にもあらず

まばゆく うれしそうに
紺碧色に待つ 海 ....
 
 重も、その娘に手を差し出すと、つとその手を握り締めて暗い廊下を、何人もの男をそうしてきたような慣れたいざない方で部屋へと連れていかれる。
 そんな時、言葉など必要ないのが、いまだに英語もまま ....
 北の海は凍てつく潮風がのし掛かるような厳しい冬空の下にあった。
 北上してきてやっと大洋から入り組んだ細い海峡へ、そして最後に港のある入り江に辿り着いた帆船はどれも内陸からの荷が町まで届いておらず ....
娘は娘で、やはりそんな母親の影響か教育のもと、元気に何事にもとらわれないそんなおおらかな子に育っていた。やたら頭が良く、勉強などしなくても成績もよく、クラスの担任の若い娘のような先生は、クラスをスキッ .... {引用=

秋、なのですね

久しぶりにみる陽の
海峡の水の色は、
遊び心を誘った紺碧から
秘密をとりもどし/もどらされた ―◆■□
群青色ににぶく一変していました。

夏を泳いだ ....
瞳をひからせるものの
やってきた さそい 

ちいさくて人肌ほどに、
もたらされる快適な乗り心地は 羽もうのよう
やさしくて

     ☆

厚誼にかしぐ 昔ながらの従順さがあ ....
{引用=

それは、思うよりも
地理的分布や生息環境に左右されるのです
砂漠を好んだり 湿気や樹上を好んだりと、
生きていく条件は限られているのですから、
あたしという種は、そうせずには生 ....
ここにいれば安全なのです
ここを出なくても 生きていける
そう、それならば…

違うのです
知っているのですから、外界の情報は、
過多になりすぎるほどに 手に余るほどに
だったら ....
おまえは信じないのかい?
見上げれば、オウクがたずねていた
答えかえせずに、空から煉瓦の雨がふってきそうで
恐ろしく、そいつの堅固そうな樹の下に入ったままだった
ひとりと一本の目の前を ....
何をもとめているのですか
住まう屋敷は、祝福の
それでいて、囲いのなかでしか息のつけぬ
囚われの日々なのです
渡された鍵で開ける 日付さながら順番の
カレンダーの四角く区切られた部屋たち ....
どれだけ
つまらぬ嘘を聞いたら
あなたを嫌いになれますか
さびしがり屋の
つよがりをみせに やってくる
そんなあなたを
待ちくたびれ

生きていれば
いいこともあるさって
一緒 ....
長いあいだ
気づくことがありませんでした
そう それは、旅人たちのしごとなのですね
忘れそうになれば 時にさそわれてくる
軒先に落ちてくる雨色の
無定期の知らせは、

空を裂く
雷 ....
巨きな木箱は赤杉の 
爪をたてるように 水をそそぐ
息をふく焼け石を投げ入れ 囂々
貝を煮る
牙をとぐ 原始からの導きは
何をも与えられていながら、
選ばず それだからこそ月明の
静謐な ....
典麗の色香は、純白の
輪舞する翅が揺れている
{ルビ無言=しじま}なひろがる花弁にぽつねん
ショー・ウィンドーの森の囲いにたちんぼが、

哂い声をあげた夢は、
苔むした褥を足にして
胡蝶 ....
空に伸びる
まっすぐに、高く刺しつらぬくように
あんたのとがった先で、身動きをやめた
その瞼を閉じたすがたが追うのは
玲瓏なさやかな風、そして
ささやく色づき始めた秋の街
ザワと色をな ....
風来は たいふうの
すきほうだいに 人をもてあそぶ
 
時雨のあらがいようもない 
もうまわりは すっかりうす暗がりで、
背にする重たい気圧 に 青ざめてしまうほどに
息をひそめ  ....
心待った家路の果てに
ゴールデン・プラムの たわわな枝の
くちびるを這わす 実は あまく 
ちっぽけなあたしを待っていて くれる

鳥たちを 楽しませないために
そう ジャムにしよ ....
{ルビ顰=ひそ}めた枝に想いを隠せば
揺らぐ月あかりを帯にまとう
記憶をぬぐいおとす 黒いみずうみは、
深奥の靜かな湖畔から 寂々行きつくこのさきに 
こわされてしまう わたしの予感のする
 ....
捨てきれぬ
いくじなし
しがらみが 恋瀬の奔流をくじく
あんなにも
四時に 臥所の三方の上 斯界を離れ 
乱れた午後は
広い肩をまるめて
背を向けた

灰蒼色に、空の落ちた緞帳  ....
瑠王さんの月乃助さんおすすめリスト(79)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「綿毛」- 月乃助自由詩6*09-12-7
Bus_stop/パール・ハーバー- 月乃助自由詩9*09-12-7
X_29.50- 月乃助自由詩5*09-12-5
Maria- 月乃助自由詩7*09-12-2
「花_束」- 月乃助自由詩8*09-12-1
りんご写真- 月乃助自由詩6*09-11-27
みにくいアヒルの子- 月乃助自由詩4*09-11-24
冬の宿る- 月乃助自由詩6*09-11-23
銀杏- 月乃助自由詩11*09-11-21
空の下の私風景- 月乃助自由詩7*09-11-15
Salome- 月乃助自由詩5*09-11-14
「ゆりと兵士」- 月乃助自由詩14*09-11-11
「冬の肌」(2/3)- 月乃助散文(批評 ...4*09-11-2
「冬の肌」(1/3)- 月乃助散文(批評 ...4*09-11-1
「あざらしの島」(3/3)- 月乃助散文(批評 ...5*09-10-17
秋▼- 月乃助自由詩13*09-10-8
made_in_Japan- 月乃助自由詩10*09-10-5
【@】- 月乃助自由詩6*09-10-4
well/井戸- 月乃助自由詩7*09-10-2
「優しいいばしょ」- 月乃助自由詩7*09-10-1
「青髭」- 月乃助自由詩4*09-9-29
naked_lie/嘘- 月乃助自由詩16*09-9-25
「虹の旅人」- 月乃助自由詩8*09-9-19
貝を煮る- 月乃助自由詩3*09-9-19
あさい眠りの/orchid- 月乃助自由詩6*09-9-18
street_girl/教会風景- 月乃助自由詩5*09-9-17
「雨ニモマケズ・・・」- 月乃助自由詩7*09-9-15
golden_plums/家路- 月乃助自由詩9*09-9-13
靴のみずおと- 月乃助自由詩5*09-9-11
「柵」(しがらみ)- 月乃助自由詩5*09-9-6

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