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風吹いて雨の小声が雪となる
痛みすら忘れるほどの冬の薔薇
小鳥来て枝先たわむ雪の朝
うとうとと命の日干し何思う
一つ越え二つ越えして大晦日
咳き込んで風が飛び立つ冬紅葉
深秋の空転がり落ちて背を丸め
一本の線となり行くわら煙
柿落ちて枝先軽く風に揺れ
吐く息の白さばかりが時を摘む
夕日が
熟した柿の実の中へと
沈んでいく
静寂が生まれる瞬間だ
紅葉は色を落として
深い眠りについた
幾つかの音を拾って
風が遠くからやってきた
心音に重なる
騒がしさが消えて
耳 ....
昨日は他人だと
笑いながら通り過ぎていくものがある
ここから先は入れないからと
身構える姿は滑稽だ
少し緊張しても
鍵という他人もまた大きな他人で
挨拶すら忘れてい ....