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硝子張りの角の席で
ふたつ前の席の男の人の
袖にとまった蝿だけを見詰めている私は
硝子の向こうへ降り続く雨に
「  」、
溶けていきそうです

東京の薄暗い雑踏は
不意に割れ目から流れ ....
わたしは生きて、息をしているだけだ

わたしの周りはガラスの破片でいっぱいだ、水浸しだ

真実というコップは落ちてくる

これだと強く掴んでしまえば割れてしまうし、
少しでも遅いと床に落 ....
カラカラの洗濯物
風の匂いを吸い込んで
ロサンゼルスまで放り投げた雲も
そろそろ戻ってくるだろう

最後の夏が終わるけど
また会えるよね

君と君と
かき集めた砂場のすなを
そっと ....
互いにブレーキかけた思い
重なり合うはずがない


幸せにとどくよに
あなたを思い月に願うよ


あなたのことが好きでした


あなたの背中に手を振りながら
仕舞った思いをさよ ....
潮騒が耳の奥でいつまでも鳴りやまない八月も
半ばを過ぎて
レース糸を通したように陽光が柔らかくなる
ヒグラシもそろそろ日の目を見たくなるだろう


「おまえを必ず守る」なんて言葉を
いと ....
イヴが食べたのが梨だったら
きっと世界はもう少し潤っていたはずだ
 
乾燥肌の女の子のためのパックはなくなって
ドライアイのお父さんのための目薬もなくなって
水分が体の50%をきっても
人 ....
果てしない闇の中
なぐさめの月を抱く
その瞳に映す僕の罪は
笑うたび優しく刺さる抜けぬ棘

欲望は満たされることはなく
偽りのぬくもりは
終わったその瞬間から
この手の中から零れ
漆 ....
よく晴れた日に
おまえは旅立ったから

空に
おまえを探して
けれど、見つからなくて
わたしはなおさら
寂しくなった


 道ばたの
 すこし汚れた草たちが
 いつかの ....
一人称にわたしを選んだときに、わたしの中で何かが定まったような気がしたことにも気づかずに生きてみました。誰もが等しくも、そんなに愛おしくもないけれど、立ち止まる分には時は同じように流れるみたいに。 .... 裏木戸を開けると
ひぐらしがないている
あの木の下
薄暗い桜の木の下で


闇間に鼻緒が見えている
そり返った白い足の指が
細い脛が折れそうにのびて
あの時もひぐらしがないていた
 ....
遥か彼方で こだまする

「おかえりなさい」とささやく声


目の前に広がる 水平線は
どこまでも まっすぐで
帰りを待ちわびる

早く一緒の色になりたいのと
青い海は ....
スガイは或る貧しい村の生まれである
彼は五人兄弟の長男で
下は四人とも妹であった

スガイは十歳のときに夢を見た
光り輝く犬が お前は医者になれ と言う夢であった

スガイには両親が居な ....
 
隆起した部分と
しわになった部分の
すべてが僕のものになる

からだ

僕はからだになる
からだになりたい
からだだった

からだ

血がめぐる
この地表の下で
マグ ....
音の闇があり
むらさきがあり
白い泡を染め
闇を抜ける


夜の会話が屋根を歩き
窓から入り
まばたきに驚き
再び出てゆく


夜に咲く花と脇道
小さく手を振る気 ....
夜はさみしさをたたえる水面
しずかに腕をひたして
あてどない動きにさらされていた

夜がひそかに身体をゆすると
いつしか私もゆれていて
抱きしめあった記憶が
手のひらからあふれた

 ....
わたしは私の景色は持っていたけど、わたしの手鏡は持っていなかった

きみは年より大人だ

あなたはまだ子供だ

おまえは不思議な顔をしている

きみは美しい

あなたは心がある
 ....
そこは暗い地中だ
酷薄なアスファルトの下で
だれがその闇の深さを知るだろう

行き場のない叫びが
硬くのしかかる中
陽の記憶がうごめくのだ

絶望をしりぞけ
陽の記憶のままに
永遠 ....
マジにミラクルがもうすぐそこをとおるのがわかる

おれたちは
どこに浮かび上がり、
どこに染み込んでいくんだろう

真昼のみずあび
世界で一番きれいな
ひかりのうでが砂をい ....
「幸」という文字を 
鷲づかみしようとしたら 
いつまでたっても 
この手は空を切りました 



全てを手放し 
両手をまあるい皿にしたら 
今までよりも「幸」の文字が 
くっき ....
宇宙は水飴色です
ゆっくりと
ながく
{ルビ湖=うみ}に似た時間の中で
シクリと微笑んで
星は甘い時間を漂っています
例えば恋人のこととか
例えば死んでしまったこととか
そうして
い ....
毎日が閉じ込められて過ぎて行くので
こんな時は元気のいい男の子にあこがれるものです

彼のポケットに入って
やぶけた穴から外を見てみたい
木登りやブランコ、くさっぱらに寝転がって
空を眺め ....
 
せまい部屋の
小さな飯台をかこむ
家族がいる
いつもの朝だった

祖父はよく
僕のおかずを間違えて
食べた

だれも
気づかない
静かに人が食べる
音だけの
朝がつづい ....
僕たちは気づかないうちに
夜の闇に飲み込まれていて
人混みに流されていた

ほんの些細なすれ違いから
互いに伸ばした指先も
届くこともなく
雑踏の中に互いの姿を見失う

 あとほんの ....
午後からは雨がやんだ

小鳥のさえずりを聴き
その翼を懐かしく思う

雨上がりの空に架かる
あの虹の向こう側には
僕の両親が住んでいる

会いに行く途中の道で
水たまりで溺れる魚が ....
 
なにか
過剰なものが
わたしの中にあります

それは
熱帯夜であることに関係なく
わたしの中に
箇条書きされていきます

かつおの刺身を
口にほうりこんでも
かつおの味はし ....
同じフロアの同じ間取り
南西向きの小さなワンルーム
好きなひとの去ったベッドに横たわり
ひとりの男の死を想ってみる

駅前のスーパーで買い物を済ませ
近く有料になるとかのレジ袋をぶら下げ
 ....
心変わりをしたい
あなたなんか忘れて
知らないひとについてゆきたい
青い嘘だと知りながら
甘い言葉をささやくひとに
さらわれて夜の向こうに
ジプシーなんかのように
なだれこみたくて
誰 ....
楽器を操る人から
音楽が聞こえてくる
ジャンルを語る人から
うたが聞こえない
欲しいものはなにかの名前
なんかじゃない

   百科事典が世界を壊していく
   たとえば民族
    ....
それは予備校の帰り道、階段の手前で不図わたしの足がとまったので
オヤどうしたのだろうと 首を傾げ かけた その瞬間
わたしは己の感覚をいっぺんに失って、わたしの頭のてっぺんをみつめていたのでした。 ....
なくしてしまったものが
消えてしまうわけではない
わたしのものでなくなっても
世界には全部ある

つまりそれは
みんなのものだけど
わたしものじゃない
すべてを知ろうとして
百科 ....
さとう 星子さんの自由詩おすすめリスト(69)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
そと- 因子自由詩3*08-8-25
くやしい- 猫のひた ...自由詩308-8-25
最後の夏- アズアミ自由詩508-8-25
きっとあなたに幸せを- 夕焼け空自由詩5*08-8-25
八月のフラグメント- しろう自由詩5*08-8-21
なし- ゆるこ自由詩108-8-20
アウグストゥスの月を抱く- 皆月 零 ...自由詩11*08-8-20
よく晴れた日に- 千波 一 ...自由詩8*08-8-20
ある日のデッサン- かんな自由詩7*08-8-20
日暮れの家- 石瀬琳々自由詩26*08-8-19
一色- さくら自由詩4*08-8-19
スガイのこと- 吉田ぐん ...自由詩2008-8-19
からだ- 小川 葉自由詩108-8-19
時と夜- 木立 悟自由詩1608-8-18
ラグーン- ふるる自由詩10*08-8-18
わたしの手鏡- 猫のひた ...自由詩108-8-17
タンポポ- Etuj ...自由詩508-8-17
宝石- モリマサ ...自由詩1708-8-16
幸せの文字_- 服部 剛自由詩508-8-14
溶ける海- フクロネ ...自由詩16*08-8-14
退屈な暮らし- 西日 茜自由詩18*08-8-14
暮らすように歌う- 小川 葉自由詩13*08-8-13
太陽の光はまだ早すぎる- 皆月 零 ...自由詩3+*08-8-12
溺れる魚- 皆月 零 ...自由詩21*08-8-9
わたしの中のなにかたち- 小川 葉自由詩3*08-8-3
孤独なひと- 恋月 ぴ ...自由詩22*08-6-24
心変わりをしたい- 石瀬琳々自由詩6*08-6-12
あなたは分類、されてしまった- たりぽん ...自由詩16*08-6-8
普通のはなし- 因子自由詩2*08-6-2
せかいにはぜんぶ- たりぽん ...自由詩708-5-26

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