すべてのおすすめ
通勤途中
いつもの道を歩いていると木のいい香りがした
煙草に火をつけた瞬間消えて
ああもったいない事をした・・・
きみに話したいと思った
そんな事を思いながら歩き続ける
今 ....
うれしいことがあったときも
たのしいことがあったときも
いじめられたときも
だれかが死んだときも
そこにはきれいな花が咲いている
かなしいくらいにきれいな花が
たくさん咲いている
笑 ....
雨が降る
夜の闇に隠れている雲が
強い雨風を吐き出して上空を占拠する
最近の若者は重力に弱いと
ベンチに座り込む私に老人は言う
春は特に重いんですよと私は答えた
老人は軸の曲がった ....
タナトスに媚びを見せまいとして
どなたかになにかを期待する悪癖を
モノトナスなプロムナードでおぼえたとき
淡い人生の裾野で
浅い呼 ....
しあわせのなかにいた
そのなかにいて
しあわせをかんじていた
ひとに迷惑をかけたくなかった
すくなくとも
きのうより前向きでいたかった
しあわせのなかにいたくて
....
あなたが不幸なのはだいたいわかったから
いい加減、僕にどうして欲しいのかを教えてよ
朝早くから
ショベルカーが稼動し
小人は井戸のところにいた
ちり紙でつくられた椿
丸一日をかけて
取り壊されていく母屋を
いつまでも見ていたい小人に
昼過ぎに雨が降る
小人がかけ足で帰 ....
あなたとの最後の日
3月でまだ雪があった
別に大丈夫だと
たぶんお互いに思ってた
橋の下
あなたが泣いて
わたしも泣いた
大丈夫だと思ってた
「また会える」
そんな言葉はすぐに現実に ....
私は死におびえている
新宿アルコット 地下三階へ降りる階段で
伊勢丹ガールズのレストルームで
「緊急地震速報が流れたら伏せるなどの安全な体制をとってください」と
女の人の青白い声でアナウンスさ ....
左手のてのひらのほくろの形がある日、女の子になっていることに気付いた
頭の上の方で髪をふたつに結って、ワンピースを着ているようだ
表情まではどうにも見れないが、
右足を軽くうしろに曲げてポーズを ....
疲れてしまって
なんだかうんざりして
胸に空気が溜まって
ふうっと吐き出した
楽し過ぎても疲れるし
つまらなくても疲れるし
何も無くても疲れて
下り坂だけど
足がくたびれた
みたい
....
そこいら中のダクトがすすけてしまって、工事の音はやみはしない。
鏡台で終わることのない厚化粧を終えたあと、今夜もみな、床についた。
ラウンジで高価な時計をちらちらと気にしてやり過ごす女の耳には ....
目を閉じて
初めて
私を見てごらん
あの頃の時代がある
近すぎてありがとうが
近すぎてごめんなさいが
言えない。
新鮮に思えば感動になる。
気を使って
大切にして
頼りにし ....
戦争が始まった
理由は知らない
ただ
待ち切れなかったどっかのあんぽんたんが
引き金引いたら
銃弾は
隣の敷地に入ってしまったらしい
戦争が始まった
訓練という仕事を見つけた
....
からっぽの
キャンディーの缶に
手を突っ込んだら
ひとつ残っていた
くっついていて
振っても音がしなかった
諦めなくて
よかった
僕は日本人です
お母さんは中国人だけど
お父さんが認知してくれたから
僕は日本人です
僕が日本人になれたから
お母さんも日本人になれます
日本人になれたお母さんが再婚すれば
新しいお父さ ....
小沢さんの
第一秘書が政治献金を違法に受け取っていた事件
違法性が認められれば、きちんと返す
これで清廉潔白だと賛美する
漆間さんが
自民党議員にまで捜査は及ばない発言をした問題
記憶にな ....
大統領となって
お正月の街を歩いていくと
忘れていく番号に
いつしか 人に会いたくなる
近くのスーパーへ向かうと
浮浪者が今日の日差しを浴びている
両腕を上げている
本を読む人たち ....
カレー・ライス
ながいことかけて
カレ―をつくった
カレーカレーカレー
カレーはおれだ
今日一日は
このカレー・ライスが
すべてである
何も分からない
普通の女の子も
カレ ....
美しさは
人見知りするのだろうか
いつもつつましい
声をかけられるまで
犬小屋でかくれんぼしている
驚きは
宇宙人なのだろうか
いつも未知との遭遇で
出会ったと思えば
突然消えて ....
くせーも にげーも ひでーもねーや
作り笑いするつもりで
ここまできたってのに
逃げちまった
また 最初探しの始まりだ
誰かが 政治家の悪口言ってる
みんないいちょーしさ
誰だって今 ....
傾いた標識に凭れる
私のうつむく影が
夕暮れ色の地面に、伸びていた。
ふいに顔を上げた目線の先
小屋に並ぶ
七つの地蔵の真ん中に
ひとり
鼻は砕け、片目を開いた
風 ....
ひにすえたけがれ
かれたつさしやみ
めにこくりとふく
ほそびののどさす
はるかまないほね
そらとはうえにあるのに
ゆきえぬと かげがそう
調律が合わなくて
ピアノが港を発ってゆく
小さな港で
すばらしい音楽を奏でていた
そんなピアノが
指先から音がした
触れてはいけなかった
白と黒の鍵盤に
わたしの小さな罪 ....
一昨日の朝食で
僕の耳に
ピーナツバターを
こびりつかせたまま
サニーレタスと一緒に
皿の隅っこに追いやったのは
誰だ
昨日の朝食で
僕の耳を
ホットミルクに
浸しこんだま ....
きみが帰ってこないあの日から
砂時計の砂はさかさまにこぼれて、こぼれて、
しだいに、ちいさな子供になってしまう、夜
遠くで、つぶやくきみの言葉が、わたしの名前だといい
そんなふうにして ....
湯船のふちまでお湯を張る
そっと揺らさぬように
しずかに身を沈めると
溢れ出たお湯が
洗面器をさらった
体の芯がやわらかくなるまで
ゆっくりと数をかぞえる
幼い頃
....
プリンをひなたぼっこさせて、生ぬるぐちゃぐちゃにしたら、おいしいかね?
他人の懐で温められて、慢心でふやけたチョコレートを、欲しいと思うだろうか?
冬の夜空の下で、ポケットの底から、さびしく凍えた ....
かたことと鍋のふたが鳴る
火を弱めて中を覗けば
綺麗に透き通った大根がくつくつ
湯気に顔が火照る
昨日の雨はすっかりあがり
太陽が柔らかく照らす
洗濯物がはたはたと
光を吸い込み ....
それは食べられますか?
じゃりじゃりしてませんか?
気を失いませんか?
それは美味しいですか?
そこには信頼がないと
食べられません。
そこには愛が込められて
います。
特別な ....
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