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階段を降りると
昨日よりふかふかしていて
昔のおじいさんの背中を踏んづけているような
申し訳ない気持ちでいっぱいになる
急いで二階からエレベーターに乗り
皆に白い目でにらまれるけど
 ....
ラインマーカーでチェックしているうちに
すべてのことが大切に思えてくる
上下左右の空白も妙に気になって
塗りつぶしたりする
頭の中がまっ黄色になって
何ひとつ覚えられない
だから今日も ....
結婚したてのころ
奥さんがバスンバスン布団を叩く音を聞いて
親のかたきじゃないんだから何もそんなにまで
なんて思ったけど
十年目に
「布団は親のかたきなの」
衝撃の告白
親のかたきに ....
バス停に立っている男の人を見て
フラミンゴだと思った
眼鏡をかけ
顔色は浅黒く
腹がぽこりとつき出ている
かつて、そんなフラミンゴを見たことがあるか
そうでなければ
自分がフラミ ....
(1)

駅から海へ
雨が落ち
いつもふたり
草のことを話して



(2)

質屋の縁を
魚らが訪問するよ
季節はとっくに
冬めいてね



(3)

義 ....
このままどこかに行ってしまおうか

帰りの車中でそんなことを言っていた二人は
どこにも行けないことは知っていたけれど
その言葉だけで十分満足だった

今、僕らは三人になって車も一回 ....
最初から
おじいさんや
おばあさんが
いたわけではないのです
ただ風ばかりが吹く
何もない夕暮れのようなところから
むかし、むかし
と物語はいつも始まるのでした
やがてお話が終わる ....
読みかけの詩集を逆さまにすると
文字の列たちは
不ぞろいのビルディングになりました
そして
下のほうにあった余白は
広い空に
しばらくその様子に見とれていましたが
何かが足りない気が ....
数学者は
0より小さい100の存在について考えながら

歯を磨き
大学前の坂道を登り
故郷の母親に手紙を書きます

今日は
0より小さい100の存在を確認するため
のみ市で
中 ....
時計が遅れたり
進んだりするのを気にする人は
何よりも時間の大切さを
知っている人です
けれど
時計には時計のペースがあることを
忘れないでほしい
など
ホームの水飲み場で
あな ....
卵をひとつ落として
夕焼けは夕焼けへと帰っていきます
さよならを言うのが嫌で
いつまでもふざけていたのは
言葉を越えられるものは
言葉ではないと
ある日ふと知ってしまったから
ちびた ....
春が
わたしの中に入ると
増えます
やがて溢れ出して
玄関では靴が
遊びたそうにしています
あのビルは
誰の羽なのでしょうか
あんなに高くて
空に届かない
見上げるわたしたちは
いつまでも
一枚の写真でした
軒下で鳴ってる
縁側ではいつも同じ場所で躓いてしまう
窓は池
今日も小さな沈黙を保ち続ける
外の通りを
笑わない男の人が歩いていく
僕らの小学校
黒板の右、日付の下では
誰かが ....
銀行員は、銀行員は、きっと詩人
だってあんなに恐い顔で
必死に電卓叩いてる

 八百屋さんは、八百屋さんは、きっと詩人
 だってあんなに大きな声で
 今日もお歌を歌ってる

  ....
エレベーターに張り巡らされた毛細血管が
落下速度で波うっている
床の区画整理は大方終了し
換地では細胞がでろでろ
何故だろう
僕らはあんなにも愛し合ったというのに
上腕の発疹が赤らんでいる ....
ひつじが鳴いていた
ひまわりが咲いていた
人がいた 好きだった
目を閉じる
陽だまりのなか
明日なら
死んでも良かった
二人で地面に小石を並べる
ひとつ、またひとつ
やがて円の形となり
収束していく始まりと終わり
夏の日
暑いね、という言葉だけが僕らだった
何故だろう
あんなにも
世界がありふれ ....
女は
胎内に新しい生命を宿したら
「母親」になるというのに

男は
新しい生命が誕生してから
「父親」になる権利を得る
のだろうか

それは
目の前に細く頼りない道が一本
 ....
降りしきる雨の中
傘もささずに俺たちは歩いた
死ぬほど歩き続けた
けれどそれで
俺たちが死ぬことはなかった
俺たち いい奴だった
俺たち 輝いていた
俺たちは生の肉だった
俺た ....
君はただひたすらに自動券売機をつくっている
外、春はとっくに酸化してしまった
困るね、こんな雨の日は
花壇に水をあげることもできない
僕の手の中で冷たくなっている冷蔵庫
その扉を開け ....
手足があったらヘビだって
歩いていたに違いない
晴れた日には日傘のひとつでも差してさ
そうだね、父さん
だからまだ
どこかで生きてて
日が暮れていく、僕の脆弱な血管の中を
翼よ、あれがパリの灯だ
けれど、僕の翼はじゃがいもでできている
ポム・ド・テール!
大地のりんごよ、大空を飛べ、飛べったら飛びたまえよ

   ....
ビタミンが不足しているのは百科事典に住んでいる僕の妹
い、いえ、祖父だっただろうか、毎晩旅をするんです
一人残される僕の血糖値は急激に低下する
い、い、いいえ、血糖値が低下しているのは叔 ....
吉岡君
電車の中で思わず声をかけそうになった

よく考えてみれば
こんな時間、こんな場所に
吉岡君がいるはずもないというのに
あの日と同じ顔
学生服のままで

そんな僕はまだ
 ....
このバスはどこに行くのですか?
運転手さんに聞くと
どこにも行きませんよ
と答える
もう走り出しているというのに
どこにも行かないとはどういうことなんだろう
不思議に思っているところで目が ....
あまりの暑さにクーラーをつける
よほど暑かったのだろう
いろいろな動物たちが家に集まりはじめ
またたくまにいっぱいになった

長い部位をもっている動物はそれをたたんだ
肉食動物は捕 ....
部屋は湿度を保ったまま1℃室温を下げた
コラーゲンをたっぷりと含んだ豚骨が
とろりとろり
太陽の見えない窓に向かって行進を始めている
バター・ビーンのパンチが虚しく空を切ったTVショー
 ....
にゃんでか知らにゃいけど
「にゃににゅにぇにょ」
が言えにゃくて、全部
「にゃににゅにぇにょ」
ににゃる
日常生活に支障はにゃいもにょにょ
こにょままでは
僕が僕でなくなってしまう
 ....
遥か西の国から旅を続けているマジシャンは
旅の途中で
マジックに使う鳩たちに逃げられてしまいました

それならば鳩を使わなければ良いのでしょうが
そのマジックは彼の最大の見せ場であり
 ....
ひよりさんのたもつさんおすすめリスト(225)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
階段- たもつ自由詩1204-8-24
試験勉強- たもつ自由詩804-8-19
スイッチ- たもつ自由詩6004-8-17
パラ- たもつ自由詩804-8-10
小人- たもつ自由詩704-8-8
どこかに- たもつ自由詩3204-8-4
童話(物語)- たもつ自由詩22*04-7-30
童話(詩)- たもつ自由詩45*04-7-28
童話(春告鳥)- たもつ自由詩1304-7-25
童話(午後、水飲み場で)- たもつ自由詩2104-7-22
童話(夕焼けのポエットさん)- たもつ自由詩18*04-7-19
童話(春)- たもつ自由詩1604-7-17
童話(羽)- たもつ自由詩18*04-7-16
メダカ風鈴と縁側- たもつ自由詩1504-7-13
日々想々- たもつ自由詩904-7-11
夜更し- たもつ自由詩704-7-8
ひねもす- たもつ自由詩30*04-7-3
ストーン・サークル- たもつ自由詩1004-7-1
入学式前夜- たもつ自由詩35*04-6-28
「こときり」- たもつ自由詩25*04-6-25
ホームセンター- たもつ自由詩1204-6-22
父の日- たもつ自由詩12*04-6-18
じゃがいも- たもつ自由詩1604-6-16
架空少女事典- たもつ自由詩12*04-6-12
- たもつ自由詩2804-6-8
行き先- たもつ自由詩2304-6-2
すべてのものへ- たもつ自由詩3204-5-26
雨細工の町- たもつ自由詩9*04-5-23
にゃ- たもつ自由詩3504-5-18
別れの挨拶- たもつ散文(批評 ...904-5-14

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