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ぜーんぶ わたし


よるのうたを うたうときも

ひかりのあめを およぐときも

ゆうやけのこだまを きくときも

なないろのかぜを ねがうときも

ほしといっしょに お ....
激しい睡魔に襲われながら三日月は
いっそ雨になれば良いのにと思っていた

軒先でギターを弾きながら渡辺さんは
一昨日見た夢を何とか思い出そうとしていた

渡辺さんの「246M」をMDで聴き ....
闇に近い木々の群れ
線路を叩く車輪の甲高い音
幼い日に出会った少年の俯き
裏から見たエイのような雲の顔
それを包む灰になりかけの蒼の空
大きく両手を振りながら坂道を下る僕

みんなどこか ....
ぽたりぽたりと憂鬱から漏れている
コールタールにもよく似た僕の雫は
吐き出す煙りに撫でられて気だるく踊る


風通しの悪い窓辺で聴く喜びは
静かな日々を願いながら
喧騒に寄せられる情熱
 ....
その街に風は吹きますか
手紙のようにそっと遠くから

坂道で靴は鳴りますか
生みたての音楽のように

どれだけの名前を覚えていますか
カタカナの響きに変わっても

この哀しみは君 ....
ぼくにできることは
ほんのすこしのこと

だけどそのすこしが
ぼくやだれかをほんのすこし
うれしくさせられたらいいな


ぼくにみえるものは
ほんのすこしのもの

だけどそのすこ ....
くちぶえがきこえた

まだうまくはしれない
こいぬのよこで


のんびりはしれ
ってうたってた



くちぶえがきこえた

やくそくをわすれた
おもいでのかいだんで ....
水族館の水槽の
分厚いガラスのような
向こう側で十一月は
無色に捕らえられていた


人々は皆
無色のパントマイムで
街を往く


色という色は
呼び寄せられた十二月のマンホー ....
雨を吸った土の匂いの中に
小さな足音は染み込んで消え

痩せた川の澱みで回転する
小枝に自身を重ねている


どこでもないその場所で
世界はゆっくりと
瞬きをしていた


見上 ....
頑なな思考に
惑い開く口びる

「昨晩見たような
 今朝の太陽」

まさか


夢の中なら何を
言ってもいいだなんて

そんなことは
ないんだろうけど


放たれな ....
琴線添う
枯れた声
妄想疑い
喪失染色

過ちから
開かれる
深層へと
自問投身
数字を憎み
0を愛する
僕の矛盾

願望の統一
また創まる
見知らぬ街の
見知らぬ看板に
見知らぬ字で
見知らぬ言葉が
書いてあったんだよ

と見知らぬ人が
僕に話し掛ける

気弱な僕は
あなたを知らない
と言えなかった
チリリン チリリン
眼鏡の君はブーツで漕ぐ

紫雲
オレンジのビル
夕陽と遊べ遊べ


チリリン チリリン
ニセモノみたいな僕の人生の
猫も転がる土手の道

ほんの少し前を漕ぐ ....
ももももも
と地べたから不安が
盛り上がってきた


ししししし
と思わず僕の足は
竦んでしまった


ややややや
と不安は僕の足元から
身体を這い登ってくる


こここ ....
ひからびている

あれは君を欲しがった
私だ


待ち伏せられた午後の中で
予感を創り

砂まみれの
希望を嗅いでいる



満ち足りている

あれは風に攫われた
私 ....
浮き足立った
夜の足音が

笑いながら僕の上を
通りすぎる時


単純な僕は
ただ

あらわな涙に
焦がれるのです
昨日隣街で
宇宙の人に話し掛けられた


こんにちは
と彼は言う

こんにちは
と僕も言う


どこから来たの
と彼は聞く

すぐ近くから
と僕は答える

僕もそ ....
きみがしあわせかなんて
ぼくはわかんない

なんかいわらっても
それはそれかも
しれないし


きみがしあわせかなんて
きみにもわかんない

ゆめのいいとこで
めがさめたり ....
旅から帰った
旅人が地図を捨てて
旅を始めた


絵を描き終えた
絵描きが筆を捨てて
絵を書き始めた


街に月が光り
詩に声が響く


そろそろ失礼と
夏は暮れ ....
小さな小さな
記憶の粒たちが

まるで雪のように
目覚めたての
僕に降る


だけどそれは
とても暖かで

だけどそれは
確かに優しくて


「おかえりなさい」
と ....
路地を曲がると猫が居て
草をむしゃむしゃ食べていた

振り返る事三度目に
猫は小鳥になっていた

小鳥は小さく跳ねながら
水溜りの水を飲み
そのまま水に落ちてった


そ ....
かなしみがとことこ
ひとりでにあるきだして

どこかとおい
うみにかえると
いいな


いとしさがふわふわ
かってにとんでいって

いつかどこかの
きみにとまれば
いいな ....
愁い棚引く九月はゆらりと

恋人のくちびるを

柔らかく止める


ほんのりほてった袂を

上げて私は

そのくちびるへ駈け寄るのだ


吐き出す息がすべて

九月 ....
不思議を紡ぐ
くちびる

空を沈む炎


ちりり


時が焦げる
明日を忘れる




満ち渡る静かの
眼差し

まどろみの絹


ひたた


無に ....
空夢に遊ぶ僕は
朧気な虹を

鮮やかに刻んだり

君に重なり
君の細胞に潜り込んだり

単純だけが
意味を持つ世界を歩いたり

何億分の一秒を
じっと見つめたり

 ....
遊ぶたましいの
フラフープ

描く線は
深層の知恵の輪

ほどけなくても
いいんだ

高速で
低速で
果てなく回れ

僕のフラフープ
短い話の夢でした

ひらがなばかりの
セリフであって

半袖ばかりの
人と逢って

ところどころは
知る場所なのに

どこか遠くへ
運ばれて

目覚めたところの
この家の ....
心細さにうつぶせて
哀しく疎ましく

しょぼんと僕の影が
そこいらで
くたりと寝そべっている


今宵
僕に声は無く

ただひたすらに
ただ
ひたすらを

求めて黙り
 ....
ひび割れた
石の階段で話そう

どうせなら
星も呼ぼう


僕らも宙に浮いてる


お昼ごはんを
考えるより
大事なことがあるんなら

きっともう
眠ったりしない
 ....
和泉 輪さんの松本 涼さんおすすめリスト(70)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ひとつのわたし- 松本 涼自由詩4*06-2-28
月と渡辺さん- 松本 涼自由詩7*05-8-15
転がるかたち- 松本 涼自由詩7*05-6-8
- 松本 涼自由詩4*05-5-27
てがみ- 松本 涼自由詩8*05-5-23
ほんのすこし- 松本 涼自由詩8*05-5-12
くちぶえ- 松本 涼自由詩14*04-11-25
無色(十一月)- 松本 涼自由詩5*04-11-8
まばたき- 松本 涼自由詩4*04-11-2
11/1- 松本 涼自由詩3*04-11-1
- 松本 涼自由詩2*04-10-27
矛盾- 松本 涼自由詩4*04-10-27
他人- 松本 涼自由詩6*04-10-25
自転車- 松本 涼自由詩6*04-10-22
だけど- 松本 涼自由詩5*04-10-21
午後- 松本 涼自由詩4*04-10-14
帰り道- 松本 涼自由詩3*04-10-1
宇宙の人- 松本 涼自由詩5*04-9-26
しあわせ- 松本 涼自由詩5*04-9-20
はにかむ言葉- 松本 涼自由詩1*04-9-14
おかえりなさい- 松本 涼自由詩5*04-9-10
路地- 松本 涼自由詩8*04-9-9
とことこ- 松本 涼自由詩10*04-9-8
九月- 松本 涼自由詩3*04-9-1
赤と白の画- 松本 涼自由詩5*04-8-29
そらゆめ- 松本 涼自由詩2*04-8-28
フラフープ- 松本 涼自由詩2*04-8-27
短い話- 松本 涼自由詩6*04-7-24
くたり- 松本 涼自由詩3*04-7-24
宙の夜- 松本 涼自由詩8*04-7-22

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