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あなたの
黄金の背の裏側の
やわらかな音が風をわたる
浮き沈み
絡み合い
陽のにおいに波打つ



雨ではない雨
雨のままの雨
けして閉ざされない湿り気として
地平線と ....
窓のふくらみの目がひらき
風をゆっくりと見わたしてゆく
どこからか来る黄金の音
越えてきた土の混じる音



目には青空と野が映り
どちらも南にかしいでいる
煙る碧と子らの手 ....
野はかがやき まるくなり
つつむかたちと
つつまれるかたち
同心円のやわらかさ
金色に金色に目をふせる
まるいかたち
ねむるかたち
金色に金色に放たれる



これは古 ....
やわらかな魂のいる
逆さの方向から
血まみれの魂が来て
もういいんだ と言った



わたしは着ていた服を脱いで
一枚一枚かけていった



わたしは朝で
わたしは海 ....
なぜ目覚めたのか
ずっと考えていた
ふたつの色の
雨のはじまりだった



ふいに起こる物音が
ふいの朝を説いていた
音の主をたしかめる前に
それらは高く飛び去っていた
 ....
ひとつが
どこまでもひとつに感じられ
ふたつが
どこまでも数え切れなく感じられる
街が街を過ぎるような
水のような音の時間を
子は歩む
子は沈む



千の手の波
 ....
すうすうと水は目に入る
水には空に向かう手が映る
曇は過ぎてゆく
地には駆けるものがある



どこにも行けない火が
どこにも行けないことを知りながら
十月の光にはばたいてい ....
何のために拓かれたのか
忘れ去られ 荒れ果てた地に
静かに触れるふたつの指



空き地から空き地へ
ざわめきを越え
かがやく差異の曇がひろがる



空にも地にも
 ....
わたしは川を下り
骨だけの草
骨だけの景を組み立てる
雲を集める
息を集める
ひらひらとする



羽のつけ根にひろがる国
赤く透きとおるまなざしの国
からだのすべてに生 ....
ゆるりところがる指のからまり
ほぐれるたびに空は変わる
ふるえからゆらぎへ
青から碧へ
変わりつづける遠くの道を
冬はたしかに歩いている



銀に洗われる世界に立ち
流れ ....
日暮れの蒼のわたしへと
空も地も金を置きに来て
今日も緑に埋められていて
流れ込む色のわたしで居る



ひとり歩いて すれちがう
醜いものも 悲しいものも
みんなみんなわた ....
雨を聴く背の光から
こぼれ落ちる羽のかたまり
ほどけてはほどけては飛びたつ音
窓をどこかへ連れてゆく



ひとつがほぐれ
ふたつに分かれ
五つの姿に消えてゆく
羽 ....
首すじの羽
雨をのぼり
音に出会う



浅い歩み
どこかが浮いて
傾く歩み



居ること 居ないこと
そのくりかえしに
降りつづける色



白い槍 白 ....
緑の角
緑の棘
まわりつづける輪のような
雨の花
光の花
髪を 胸を 流れ落ちる
痛みを知らない白の蝶と蛾
痛みの青をすぎてゆく



傷の間を流れる花が
見えない羽に ....
踏みしめるたび
声の断片が舞い上がる
まだ若い木々の丘
蘭が緑を喰む丘で
命は光を喰んでいる
息は涙を喰んでいる



光はゆっくりと坂を下り
上りゆく雲とすれちがう
丘 ....
走り出せばついてくる
どこか高みにいるものが
消えかけた標を撫でている
棄てられた路を撫でている



成層圏が
一匹の猫の動きを真似ている
泣き出しそうな笑顔を浮かべ
 ....
崩れ落ちた家のなかに
階段だけが残っていて
空にささやく
みちびきよ
みちびきよ



夜の路の先の先に
地を照らせない街灯があり
空にささやく
みちびきよ
みちび ....
光のなかのかたち
花の前の小さな声
小さな姿
ほどけてゆく線のあつまり



光を知るもののまわりには
小さな光の歪みがいて
小さな手を差しのべている



手に手を ....
影と壁と風の生きものを
藪のなかから鳥が見ていた
朝にだけ現れる生きものの
羽音のような目覚めを見ていた



生きもののからだに光があたると
たくさんの傷が道にひらいた
鳥 ....
微笑みの半分が翼で
空の半分が月で
呼びあって 呼びあって
微笑んでいる



夜に咲く花
触れられたことのない花
もっと小さなうたを歌う
もっとしっかり小さく歌う
世界 ....
月のまわりに
月と同じ輪があり
水平線に沈みながら回っている
輪は海にひろがり
波は光を打ち寄せる



屋根が 鳥が
騒がしく雨を知る
ずっと空を見つめていた目が ....
強い風のなかを
持ち上げるように
持ち上げられるように
地面 空気 歩むもの
地面 空気 馳せるもの
ゆっくりと肩いからせる動きたち
風にぎる指へと伝わってゆく


 ....
枝から枝へ
したたる雨のむこうに
遠く島が浮かんでいる
曇が海をすぎてゆく
光が枝を照らしている
雨はひと粒ずつ消えてゆく



ゆっくりと目覚めるひとを見つめること ....
ぼんやりとした広い場所のあちこちに
色 数 かたちを変えながら
光が点滅しつづけていて
指先にしか届かないくらいの
かすかな熱を放っている



捕らえようとひらかれた
片 ....
指でかきあつめた空を
誰かが道ばたで食べている
遠い指の跡を見上げながら



傾いだ光ばかりが降り立つ
目の前にのびる一本道は
どこにもつながっていないように見える

 ....
あばら骨を浮き立たせたまま
空はどこへ埋まろうとするのか
墓地の土は硬すぎるのに
操車場の跡は狭すぎるのに



まわりながら燃えあがるかたちを
位置も時間も持たないものが
 ....
鴉のはばたきに覆われて
夜の鐘は少しだけ揺れる
刃の音 鋼の音
夏とともに終わる音
音はただ音としてはじまり
やがて静かに変わってゆく



前転する光と
前転する黒羽が ....
白い杭と鉄条網が
鉄の獣を取り囲んでいる
天気雨がなまぬるく
獣の背の光を流す
欠けた虹がすべるように
ひとつふたつと遠去かる



溶けるように昇る空
指の跡のつ ....
街の隙間を流れる音が
曇り空の信号をつややかにする
22時すぎを唱う点滅
夜の湿り気にまわりひろがり
車輪の音を手招いている



祭の粒が匂っては消える
草 灯  ....
真夜中の海を着て
子はひとり
見えない冬を聴いている
袖を握る手をひらき
ゆるりと腕を南へひらく



いつからか子は歌えなくなっていて
窓を流れる午後のむこうを
雨と雨の ....
和泉 輪さんの木立 悟さんおすすめリスト(143)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
血と冬(わたしとけだもの)- 木立 悟自由詩304-10-17
ノート(こがね・ふくらみ)- 木立 悟自由詩604-10-15
黄金の子- 木立 悟自由詩304-10-14
ノート(波際)- 木立 悟自由詩304-10-13
雨の季_Ⅱ- 木立 悟自由詩404-10-12
降り来る言葉_XVII- 木立 悟自由詩704-10-7
響水領- 木立 悟自由詩604-10-3
ノート(指の季)- 木立 悟自由詩304-9-30
国の季- 木立 悟自由詩404-9-28
朝の季- 木立 悟自由詩304-9-27
ノート(歩の季)- 木立 悟自由詩304-9-26
羽の季- 木立 悟自由詩304-9-23
ノート(鈍の季)- 木立 悟自由詩404-9-22
青と白- 木立 悟自由詩204-9-20
ひかりのうた- 木立 悟自由詩204-9-15
ひとみのうた- 木立 悟自由詩204-9-14
みちびき- 木立 悟自由詩704-9-13
歪みと腕- 木立 悟自由詩404-9-10
朝の生きもの- 木立 悟自由詩404-9-5
降り来る言葉_XVI- 木立 悟自由詩504-9-3
波雨- 木立 悟自由詩304-9-1
ノート(つたう)- 木立 悟自由詩204-8-31
ノート(曇火)- 木立 悟自由詩404-8-30
光の遍歴- 木立 悟自由詩304-8-27
かがやきと指- 木立 悟自由詩504-8-25
空は響いて- 木立 悟自由詩604-8-23
夜鳥- 木立 悟自由詩504-8-16
鉄獣軌- 木立 悟自由詩504-8-8
囃子夜- 木立 悟自由詩304-8-3
こがねうた- 木立 悟自由詩304-8-1

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