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猿の姿をした雲が 
夏の夜空をゆっくり流れる 
胸の雲間に 
今にも満ちそうな月を 
光らせて 
「はい、とれました」 
耳鼻咽喉科の看護婦さんが 
白い両手にガーゼをのせて 
ぼくの耳垢を見せてくれた 

「そんなにたまってましたかぁ」 

どおりで周囲の人の話す声にも 
聞こえ ....
美しい花にそっぽを向かれると 
ぼくは自らが蝿だと気づきます 

柔らかい蕾に包まれて 
花の囁きを聞く日を
ずっと夢見ながら 
周りを飛んでは見るが 
こちらに微笑む気配は 
いっこ ....
ら ら ら という文字が 
いつのまに薄れゆく 
都会の空です 

と ほ ほ という文字が 
滲んだ墨汁の雨雲となり 
黒いにわか雨の降りそそぐ 
21世紀のTokyoです 

黒 ....
暑中御見舞いをありがとう。 
よく勇気を出して
世を去った友と想いでの残る
Barにいきましたね。 

君が少しずつ心を整えているのが伝わりました。 
友と親しかったバーテンと語らい  ....
遥か昔「人は弱い時にこそ、強い」と語った 
旅人の屈すること無い「精神の柱」について。 

ある時彼は頭の良い哲学者に嘲笑され 
ある時彼は民衆に石の霰を投げつけられ 

( 人々が立ち去 ....
  宮殿の 
  立派な椅子に腰かけた 
  派手な衣装の王様の前を 


  独りの道化はニヤリ小躍りで通りすぎ 


  王様はすっぽんぽんのまま堂々と 
  ちっちゃい座椅子か ....
人は、花としてつくられた。 

翼を広げる鳥の旋回する 
空が 
地上に立って見上げる人を 
咲かせよう 
咲かせようとしている 

花の顔をひらいて 
人は 
空を、見上げる。  ....
三日後にわたしは 
三十三年間着ていたわたしを脱いで 
風の衣を着るだろう 

その時世界の何処かに響く 
あの産声が 
聞こえて来る 

その時空から降る 
透けた掌と差しのべるこ ....
家の近所のファミレスで 
ずーっと本を読んでいた 

顔を上げるといつのまに 
店の外の世はふけて 
店内に客はぎっしり 
がやがやと賑わっていた 

テーブルの間を
小走りする 
 ....
細い路地に入ると 
食事処がぎっしり並び 
人々の賑わいから 
昭和の匂いがぷうんと漂う 

頭上の鉄柵に 
取り付けられた蛍光灯は 
細い路地を仄かに照らす 

油汚れの壁に描かれ ....
輪郭のゆがんだ 
{ルビ朧=おぼろ}月の見守る 
灰色の夜の家々 

屋根に置かれた 
{ルビ梯子=はしご}の頂に危うく腰かけ 
{ルビ襤褸=ぼろ}着を纏う煙突掃除の少年 

ほっぺた ....
酩酊の夜道で仰ぐ空の 
遥かに滲むあの星宛に 
一篇の{ルビ詩=うた}を僕は綴ろう 


( ruru ri lala
  lala ri ruru ) 


いつか星になった日  ....
  出勤中の車で横切った 
  開店前のガラス越しに 
  一瞬 
  「非常口」へと駆け込む 
  緑のひとが見えた 

  長い間繰り返される凡庸な日々から 
  抜け出す「非常口」 ....
耶蘇を着ようと 
こころに決めた日 

怖ろしいほどに 
人をいとおしむ気持が
胸の奥に{ルビ疼=うず}いた 

空の色は 
只青いので 
なく 

{ルビ罅=ひび}割れた空から ....
  私がこの世に産声をあげたのは、一体何故
 であろうか?・・・十代の頃からその問は、
 胸中に芽生えた。あの頃、私の心の土壌に顔
 を出した芽は、現在三十歳を過ぎた私の心の
 土壌深くに根を ....
昼食を終えた 
車椅子のあなたを 
ベッドに寝かせ 
おむつを開けば 
あふれるほどの排泄物 

「先輩ちょっといっしょにお願いします」 

腕っぷしのいい先輩がやってきて 
拘縮し ....
べろんべろんに酔っ払い 
狸のつらでゆれる地面を千鳥足 

今夜の{ルビ塒=ねぐら}のねっとかふぇの 
個室のドアを開く 

うつむいたスタンドの頭に 
貼られたシールに書かれた
「  ....
酒の宴の窓の外 
宵闇に浮かんで消える 
いのちの{ルビ花電気=イルミネーション}

窓硝子に映る人々が 
杯交わす晩餐は 
遠い日に想い出される 
束の間の夢 

夜風の吹く 
 ....
道の向こうから 
傘を差す若い婦人が 
ベビーカーを押して来る 

雨に濡れないよう 
ビニールの幕に囲まれた 
幼い女の子 

傘を忘れ 
日常の雨にずぶ濡れ 
靴下も湿った僕は ....
先輩が威勢良く{ルビ梯子=はしご}を駆け上がり
天井近くの狭い{ルビ頂=いただき}に腹を乗せ
{ルビ扇子=せんす}を指に挟んだ両手・両足を広げて

「 {ルビ鷹=たか}・・・! 」 

と ....
北村 守通さんの服部 剛さんおすすめリスト(81)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
猿の魂_- 服部 剛自由詩708-8-14
耳のそうじ_- 服部 剛自由詩2*08-8-10
蝿と白百合_- 服部 剛自由詩9*08-8-10
「_ら_ら_ら_の人々_」- 服部 剛自由詩4*08-8-3
暑中見舞い_〜詩友への手紙〜_- 服部 剛散文(批評 ...208-8-3
死紺亭兄さんへの声援(エール)_- 服部 剛自由詩8*08-7-31
王様の宣言_- 服部 剛自由詩208-7-20
花の人_- 服部 剛自由詩5+08-7-13
風の衣_- 服部 剛自由詩2008-7-8
ハンバーグの誘惑_- 服部 剛自由詩7*08-7-6
想い出横丁_- 服部 剛自由詩408-7-2
煙突掃除の少年_- 服部 剛自由詩4*08-6-29
星の言葉- 服部 剛自由詩408-6-29
「_非常口_」- 服部 剛自由詩2*08-6-21
空の心_- 服部 剛自由詩4*08-6-19
砂丘の花_- 服部 剛自由詩508-6-18
不思議な風_- 服部 剛自由詩408-6-16
「_ふれてください_」_- 服部 剛自由詩708-6-16
蛍の光_- 服部 剛自由詩308-6-14
向日葵_- 服部 剛自由詩308-6-14
穴の中_〜冬眠の詩〜- 服部 剛自由詩9*06-1-13

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