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{引用=無季}
救済の鐘はどこかで鳴るだろう朽ち果てたまま何を祈ろう
防音の音楽室で外見つつ鳴らない雨の音を奏でる
待ち合わせ場所は月面公園で浮き立つ心も足も体も
....
かけひきを手放したあと一本の綱は誰とも手をつながない
おそらくは終わりのない作業と思うどこまで磨くか靴磨くように
憂鬱にふりかけられた粉砂糖かけられたまえこうべを垂れて
つまらないこ ....
なみだってでるんだあついなしょっぱいな知らないバンドのインスト曲に
死んでいる証拠なのかも。ばかたちは夜にはひらく瞳孔を持つ
記憶喪失はたのしい空き缶のプル ....
狭くなる階段 明滅する灯り 迂闊に晒した腕が冷え行く
イカ焼きを分け合う二人 唇のおたふくソース言い訳に 吸う
「左様なら」字を確かめて噛み締める 繕う理由なんてなくても
....
もうひとり私の中にいるやつが決まっておまえと呼ぶ近場から
もし薔薇に棘がなければ退屈だ死にそうなほどでないにはしても
おそらくは見えないだけで居るこども「ほら自動ドアちゃんと開いたよ」
....
その道もふつうになればいいよね、と
あちらで言ったふつうのひとが
結露した掃き出し窓の縁側の腐った床に常にいる虫
酸素水ってなんだよって、言ったけど
ほんとはいつもいきくるしい ....
絵みたいな笑顔だったよ午後四時に染まったぼくらの玩具の手錠
騙されるのもいいねってきみが言う 野球部とすれ違う うそつき
最後かもしれない名前を連呼する北18条 ....
朝顔の
色をみながら
想うのは
絹に染めたら
何色になる
鬼灯の
ともしび垂れる
夏のよい
線香花火に
願いをたくす
いまはみぬ
巨大ヒマワリ
紅ダリア
入道雲の ....
何もない一日 雲を泡立てて貝殻模様のカップを洗う
花の雨 眠るわたしのこめかみにふれているのはくちびるですか
モノクロのアネモネきっとあなたならうすむらさきを選んで写した
....
夕方にややふくらんだ足があり人も満ちて夜をむかえる
それぞれの耳にはそれぞれの音あてがわれてイヤフォンの白い線
半分にきっちり分けること出来てやっぱり冷たいアイスモナカ
飛び立ったば ....
ぶらんこの夕べはいつもさみしくて百を数えておしまいとする
日陰にはどくだみの花みっしりとわたしは毒を愛しています
砂山に取り残されたスコップは誰かの置いた傘の中にて
夏になるほんの少 ....
あなたなど信じないままどうしてもあなたに似ていく初夏の耳殻は
イヤフォンの垂れ下がってる首筋のせいだよわたしが海になったの
さみしさはぼくの美徳だ交差点ごしにあ ....
おしみなく愛をそそいで枯れさせてあたりいちめんプールの匂い
この先でアラームが鳴っていなくても立ち止まらないでください、と声
あかあかと尾びれ背びれが生えていき あとからあとから水 ....
ゆれている頭をとおくに見ていたさ春風みたいな声で笑うな
そのひとの爪のまるさが正しくてくやしい。完成されてるんだね
肯定をする気もないのに目と口がやさしくてしね、死 ....
あの人をスイッチとして両の目にうっすらひろがる海があったね
かぎりなく似ている場所に立っている人差し指のさす系統樹
ゆびとじのきれいなひとでワイシャ ....
こじれた風をみおくってためいきのゆくえざわめきみもふたもなく
はじめてのうそつきましたうそのうそつきましたうそつきましました
泣いててもかわいいが無敵なうちにぜんぶくだ ....
夕暮れにからだ半分置いてきてもう半分は夜にふくらむ
昨日まで空飛んでいた人なのに今日は訳知り顔で立ってる
鬱の字の凝り固まったぐじゃぐじゃを叩いて割って珈琲を飲む
ピンで突く喉の先か ....
たましいにインプッツされているから {ルビNAX Ja EKJD/=ひかりのなかでしになさい}って
天国もえらいだれかの妄想ですーはー(でもO2吸う)すーはー
雨だから君は ....
なつとあきすきませますぎすきがなくだらけた暮らしすきをほしがる
さらさらときれいに流れない指がひっかかってひっかきもがくざらざら
タトタトと外ハネまわる半角で兼ねて ....
内臓のやうなプルーン頬張つて「さうだよ。ぼくは無神論者だ」
貝殻を拾うみたいな浅いキス あくまでそれは未明のままで
箸がもし転がらなくて 君がもし消えたとしても ワラいますとも
....
はずされるかいかんえるの手錠してM一錠じゃ足りないかしら
ろうそくはともすのなわはとぶものよおやすみド(エス)はねかせてね
あわよくばガードル越えたらしげみへガードレール跨 ....
いんたーふぉん鳴らしたでしょう?あまてらす(あれは偏光性のまなざし)
{引用=インターフォンが鳴って、あなただってだれも言わなかったけれどでもにおいでわかった。あと目のちかちか。ドアを開ける前 ....
ようするにユートピアだね
僕の手を意味無く君の爪が掻くとき
どうしようもなく湿っていて
かなしいような交差点の中心
ねえあの話ほんとう?
潜水艦技術の進んだ国に行くの?
....
あますことなく陽気な容器にはい!ってわたしたち足し算、ひかないで
ミミにキレた理由をきくひともいないから、いくつものきそ(く)をやぶる
うるうるっとたてたクチビルとんでもないと ....
透明な地図つくる風は小さくふるきみの手のかたち、しながら
花の下肩口に君の声聞く「きみがすきだよ」春の夜です
あなたの名を呼ぶと鈴が鳴るんです胸のはじっこ ちりんちりりと
道ならぬ恋と呼ばせぬわたしらのふわりやさしいあの抱擁を
....
飛車角と香車桂馬も落とすから将棋盤でもう殴らないで
遠距離も親の反対も歳の差もベリーロールで飛び越えていく
海賊もティンカーベルもいないけどユーキャンフライ冒険に出ろ
放課後の女子が ....
みず色を捨てられぬまま成人し 春をうっては剃刀を買う
上等の夜と下着とかみそりは薄っぺらいほど ななめに刺さる
春の背に流れていたのが情でなくただのいつもの赤い血だったら
{引用=ありがとう、でも「がんばって」だけじゃもう救いようのないとこに来ている}
「自殺用絹ごし豆腐」夢見てた、豆腐程度に殺される日を
明日死ぬつもりで払う ....
濃淡を、くりかえしながら先割れのスプーンに近づいている朝
演じるということ、やさしさということ、おろし金から飽和する雪
質量をもってしまった画家はもう手のひらを返すようにかなしい
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