すべてのおすすめ
 
幸せなときに限って
幸せを知らない
河原のベンチに座りながら
そんな時が誰にでもあるように
思うことがあった

ベンチに座ると
夏の虫が僕のまわりで
いっせいに鳴きはじめるものだ ....
 
故郷での暮らしは
けっして貧しいものではなかった

手に入るものは手に入り
手に入らないものは手に入らない
ただそれだけだった

小さな都会で暮らして
もう二十年になるけれど
 ....
 
みわたすかぎりの草原でした
一頭二頭と牛が産まれると
そこは牧場とよばれました
牛は子供のように戯れて
やがて大人になると柵を越えていきました
柵をこえずに残る牛もいました
牧場とい ....
 
頂角が
ひとつ消えてしまったなら

残りの頂角も
消えてしまうので

音は鳴るほうへと
響いていった

やがてそれは
指先につるされた
小さな楽器とは思えないほど

宇 ....
 
ここにいても
いいですか
という
人がいるので
その人は
人なんだと思う

思うだけで
人は
人になってしまう
わけではないけれども

人の価値は
そのようにある
あ ....
 
どうして
ぼくは
ここにいるの

きづいたら
せかいのてっぺんで
しゃれいを
うけとっていた

こどくでも
かいかにひとの
けはいさえあれば
ここは
ここでありつづけた ....
そんなことは言わないと
きっと君は言うから
言わずに黙ってる

ああ、そうして今夜も
何も話さずに
暮れてしまった

僕は堪えられず
今日一日が終わるまで
眠る君に ....
人が生まれる
前のことを
死んだ
とは言わない

人が生まれて
生きたから
死んだ
と言うのだ

今日も定刻通り
汽車が来る
norifさんの小川 葉さんおすすめリスト(8)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
玄関の虫- 小川 葉自由詩608-10-30
手のひら- 小川 葉自由詩708-10-29
牧場- 小川 葉自由詩8*08-10-17
トライアングル- 小川 葉自由詩208-10-4
鏡の中のわたしたち- 小川 葉自由詩408-7-29
ペントハウス- 小川 葉自由詩708-7-17
そんなことを言う- 小川 葉自由詩308-6-1
汽車- 小川 葉自由詩708-3-2

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する