牧場
小川 葉

 
みわたすかぎりの草原でした
一頭二頭と牛が産まれると
そこは牧場とよばれました
牛は子供のように戯れて
やがて大人になると柵を越えていきました
柵をこえずに残る牛もいました
牧場という言葉は人間が考えた言葉でした
みわたすかぎりの草原でした
柵はどこにもありませんでした
 


自由詩 牧場 Copyright 小川 葉 2008-10-17 22:49:47
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