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いとしいを ははのせにおき かざるよる
手招いてもついていかんようにしなあかん
という声が聞こえてからも
何もいえんような顔しいやと
父が言う
瀬戸内海はどこにあるんやと母が言えば
そこにあるやろと父の声
生まれたんやでと私 ....
母を生む私は
言葉足らずであるけれど
父の死後つまらないことを言うようになった
海が蒼いだとか
空を飛びたいだとか
彼が好きや
道端をずっと見ていたり
など
死ぬまでにした ....
小さくと言えば
桜ではないと笑う
青色の空で
泳ぎ切り
何色かと悲しむ
季節は今かと掴んでみても
するりと抜けて影を作る
歩くと
道にあったゆりで
走ると
墓にあっ ....