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七味唐辛子を壜に冬日和 星月夜廊下は長くのびており 血を吐きたる祖父の楽器冷ゆる夏 方形の月訪れたる窓辺かな 縄が切れた首吊り月のころんころん転がってゆく先の湖

黒猫を振り回している友達と目を合わせないように歩く

容疑者は「月がきれいですね」などと供述しており

日記には月齢を書く欄がある そ ....
目を瞑り月の女の名を呼ばう 指に安らう蛾のやわらかさ

梟の灯りを頼りに船は進む 翼は煙 心は砂糖

銀の盆 兎が行き来するたびに紫色の林檎が落ちる

不死の父を時計の中に閉じこめて蠢く鍵 ....
梨を剥く間にバスは図書館へ 風の果てには悪魔が待つ

司書の目を盗んで書架を渡り歩く 本は野菜のように選ぶ

ノートにはただ星屑が並ぶだけ 孤独を星の言語で記す

錆びついた巨大な鋏が待ち ....
川で冷やしていた西瓜が
ぱっくりと割れて
下流は血まみれになる
子供らは群れ集って
それを飲む
庭で武将が跳ねまわっている
敵が来るから加勢しろという
大慌てで縁から出て
どうすればいいのかと聞くと
とりあえず今日のところはこれで
火を消すのだ、とお玉を渡される
見れば裏の家が燃えて ....
押入れに入れられて
もうずいぶん長くなる
ときどき遊びに来るねずみに
爪をかじらせてやったり
みかんを潰したりしているうちに
骨の浮いた老婆になってしまった
これではいけないと思う
これ ....
四つ辻の老人ホーム日が暮れて色とりどりの折紙の森

泣き濡れた同級生の美容師に長靴一杯の画鋲をもらう

「亡くなった人に救いはありますか?」色白の男に呼び止められる

鮮魚店から出た水が焼 ....
眠れない夜は羊人間の数を数えて眠るとよい

ゲバ棒を構えた少女一斉に海に向かって雪崩こむ夜

ひき割りの納豆の雨さめざめと夏の夜更けに卒塔婆を濡らす

子供たち川を流れてゆく途中賽の河原で ....
暑い
湾が茹だって
タコが浮いている
タコ料理ばかりで
何もする気が起きない
みんな葬式も出さずに
タコを食べている
ペットボトルで
金魚を飼っている男が
近頃は断水が多くて
ままならないという
言いながら口をつける
そのボトルの金魚が
今飲まれるか
今飲まれるか
気になって仕方ない
ちょっと一曲流していってくれと
手を引かれた先にはいかにも豪農風の屋敷があり
その内庭といおうか畑地といおうか
平らにならした広場にはすでに人が立ち集まっていた
聞けば数十年に一度の祭りの前祝 ....
あそこらへん ほら
崖にでかい南無阿弥陀仏が彫られてるだろ
何百年も前から難所でなぁ
道が狭いっつうのもあるんだが
化けものが出るとか出ないとか
まあ昔から危ないところなんだわ
五十年前に ....
お好み焼きちょうだい
と声かけて
奥からハーイと生返事
大丈夫かなぁと思いながら
しばらく待っていれば
窓の外に山が見える
頂上はきれいな銀灰色
杉の梢は空高く
引っ張ればぼろっと落ち ....
板が立てかけられているところに
通りがかって横目で見ていると
いい板だよ と呼び止められて
いい板なら とその気になった
でも板なんか買って
どうするんだろう
黒い油が浮いた板なんか
壁 ....
m.qyiさんの春日線香さんおすすめリスト(18)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
冬日和- 春日線香俳句3*11-12-14
星月夜- 春日線香俳句311-10-17
- 春日線香俳句211-10-10
- 春日線香俳句111-10-10
月世界にて- 春日線香短歌2+11-9-13
月と不死- 春日線香短歌211-9-13
夜間閲覧室- 春日線香短歌211-9-11
地獄- 春日線香自由詩211-9-1
お玉- 春日線香自由詩411-9-1
帰れない- 春日線香自由詩911-8-29
散歩の効用- 春日線香短歌211-8-22
羊人間の夜- 春日線香短歌311-8-21
暑い- 春日線香自由詩111-8-18
断水- 春日線香自由詩511-8-8
竹林- 春日線香自由詩510-5-4
鬼に聞いた話- 春日線香自由詩310-4-29
お好み焼き- 春日線香自由詩410-4-27
- 春日線香自由詩610-4-27

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