先刻もたましいは訴えて
飼い慣らせない宇宙は慌てて
また
握りつぶして
わたしはそれを見ていた
ひとりきり
越境も
指たちも壁につぶれてしまって
凹凸も埋められてしまって

向こう ....
わたしを捨てた手のひらが
わたしを撫で続けるので
土になっていく

右足は季節をかいくぐり
左足は罠にかかるので
台無しになって
あやすように
腕は八本になる

ドアーを
ひいて ....
たったいま完成した
きみの思考の円錐
てっぺんからひん曲げて打ち崩したいから強く
強い骨をつくるために
わたしは泥臭い牛乳を飲もうと思った
信じられないほど白い液体
きみを信じられないと思 ....
母は逃げ出した
母は我慢強いひとだ
景色を失ってもどこまでも失っても
触手のぬかるみをものともせず闊歩する
母はとても強いひとだ
母はわたしたちを愛している
母はわたしたちを置いていけるは ....
頭上の透明な地下水脈と期待だが

橋が雨
風が激しい運動をひるみ
完全な飛蚊症はコンタクトレンズに突き出される
光をグローバルな使用状況を繰り返す
水の分布の進化論と目が降りてゆく

 ....
すれ違いざま乳房を鷲掴み
突き抜ける情熱は右手
見境のない
ごきげんよう、
歯茎の火傷に障らぬようにそう紡いだ、
根をおろし損ねたらしく。

さんざ勿体ぶって開いたその奥
たったの三畳 ....
嘘がとりでから出てきたよ
えんぴつで○を描いたよ
じゅっことはんぶん
もうちびて描けない

嘘はじゅういっこ出てきたよ
みんなおんなのひとで
みどりやあかのドレス
あおやきいろのくつ
 ....
現在に繋ぎとまる
欲望のない
わたしの摂取と排泄は
なにのためだ
なにもすることがないのだ
なにもしたいことがないのだ
時間を喰らう、なんて
言えるものか
そんな唾液はありません

 ....
銃声
聞こえないから大丈夫かな

マーケット
光り輝く

助けて
たくさんの人の形

ねえあなた
大丈夫?

暗闇に
一本の横線
光る

両脇を列車が通り過ぎる

 ....
地球の為(笑)にエコ赤貧(笑)生活を送るロハス(笑)なアタシ
ベランダのガーデニング(笑)で育てたハーブ(笑)を
自家製ベーグル(笑)に乗せればスローフード(笑)の完成
もちろん食後のナチュ ....
手つかずの塗り絵です、
希望的な観測は
完成された白黒写真です、
絶望的な差異だった

容赦なく掌が、爪先が、舌が、
息が、声が、視線が、這入りこんだ
その底で
きみがなにか掴めるので ....
世界中にできた闇の部分がすごいスピードでずれて
くちぶえが遠ざかり
輪郭線が地平線とまじわりながらかたちをかえて
あたしたちはまだうっすらと汗をかいて
雲の裏側にのびていく光の筋が不意 ....
何をやっても無駄 生きているだけ損
どうせ僕らはゴミ どう足掻いても駄目

何をやっても無駄 生きているのが酷
どうせ僕らはカス どう藻掻いても無理

一刻一刻と老いていく体
ゆるり ....
切り
開いた
現れた秘密
立ち眩むきみ
ただこれが信頼を顕せるのだと知っているわたし
ここは胡桃です
安心の窮屈です
近寄れないと知っているので
この膝小僧にキスをねだるのです
目配 ....
岩のような物体がある
だけどそれは
確かな存在ではなく
既に灰の塊でしかない

ナイフの先から
たちまち感触が失われ
崩壊する固体
右手に力をこめ前進
わずかに灰をかぶるが
頭上か ....
片足を曳いて
空を登る
これは頂上から下げる予定の頭
導く、斜陽は赤く、大きく
目を伏せる、花は白く、不気味に
大きく
わたしを
きみを
祝福して
大きく散るだろう花の学術名を手探っ ....
きみを覆いながら
明け方
恋は側溝であった
大木を根こそぐ竜巻の強さでわたしの右足を巻き込む
この浅さで溺れる

母に嘘をつき
父を裏切った
上睫毛と下睫毛を固く結んで拒んだ景色
目 ....
きみは彼を
愛している、きみは彼を愛して
いる、
きみは彼を愛している、非
相似に

ただひとつの時間が
あるために、
それは
愛している、彼はきみを
巻き込んでいる

 ....
眠くなって沈んでゆく 冬の空気の満ちた部屋
放り出されたのは歪んだ逆三角形
電柱の震える音が聞こえている

バランスが悪いから きみと一緒にいたいのかな
肩から逃げてゆく 空に消えた青い鳥
 ....
旋盤工の父は
若い頃に失くした左手薬指の
近位指節間関節から先を西日に透かし
今にも落っこちそうな細い指輪が後光のような部分日食に変わり
そこから風上の藪のように散るキリコに似た物陰に埋もれま ....
 詩誌「あんど」8号に掲載された井川博年氏の「期待しない ――若い詩人への手紙のようなもの」と題する文章は、これほどまでにひどい文章を読んだのはいつ以来であるか思い出せないというくらいにひどい、長年に .... ?.

埋め尽くされている
埋め尽くされている

混沌の中で
バラとシマウマとミトコンドリアの死体とが持ち上げている
その全てを白い肌の中で殺し、生かし、踊っている右脳の中で


 ....
「せくはらは、はーとがあれば、いいのよね」 
勘違い親父の部長を嗜(たしなめ)めるように 
女友達はぼくにささやかな 
愛の秘密を教えてくれた 

「ちょっくら金をおろしてきます」 
ふた ....
批評には苦手意識を感じてしまうけど、書けるようになりたい。
重い腰を上げるには自分の好きなものと関連させてしまおう。
と思ったのですが、余計悩んでしまいました。
犬の詩は犬好きから冷静な判断を奪 ....
 人の心の動きというものは不可思議だ。大抵の場合、人は首尾一貫して考えているのではない。ぼんやりとほとんど何も考えていないこともあれば、何かについて一途に思いを巡らそうとしても、眼に映るもの、耳に聞こ ....  食い違う夢 −『私たちの欠落(夏の日の)』藤丘 我流読解−


 批評祭に寄せて、ふたつの文章を書く構想でいた。ひとつは、フォーラムの
外で書かれたものについて、もうひとつはここに書かれたも ....
 詩を構成する要素のひとつに喩や韻律などの他に余白というものがあると思うが、それはどうも語りにくい要素のように思われる。というのも、喩や韻律などは文字としてちゃんと人の目に見える状態で表われているのに ....  ある時から、あるいはある場所から、生きるということの価値が揺らぎ始める。それは上昇に向かう揺らぎであるかもしれないし、下降へ向かう揺らぎであるかもしれない。そのどちらであるにせよ、それまで漠然と過ご ....      一

 細かな枝をつたう幽かな震え
 桧皮色の樹皮を湿らせ
 梢を這う、自動律たる水の脈動 )))
 沁みゆく荒地の渇きへ
  一滴、
 地球システムを孕んだ涙のかたち

 ....
 稲川方人の「気風の持続を負う」(一九七七年)はちょっといい文章だ。荒川洋治の「技術の威嚇」(同年)への反論という体裁をとっているが、稲川の詩の書き手としての侠気というか使命感というか、論理を越えた真 ....
2TOさんのおすすめリスト(49)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
一葦- 伊月りさ自由詩3*08-10-8
埋葬- 伊月りさ自由詩3*08-10-5
独走- 伊月りさ自由詩12*08-9-26
止息- 伊月りさ自由詩7+*08-9-25
別れ_#5- 《81》 ...自由詩4*08-9-25
挨拶- 伊月りさ自由詩3*08-9-25
- ふるる自由詩808-9-25
不在- 伊月りさ自由詩3*08-9-24
大丈夫- チアーヌ自由詩208-9-24
アタシは死んだ。ポエーム(笑)- 人間自由詩208-9-24
突撃- 伊月りさ自由詩3*08-9-22
- モリマサ ...自由詩3308-9-22
ぼくら盆暗クラブ- 人間自由詩108-9-21
篭城- 伊月りさ自由詩7*08-9-21
- 木葉 揺自由詩7*08-9-20
投身- 伊月りさ自由詩28*08-9-20
濁流- 伊月りさ自由詩6*08-9-18
_- こもん自由詩508-4-2
飛ぶ日- 新谷みふ ...自由詩3*08-3-25
最終兵器核家族- 人間自由詩308-3-24
記名の呪縛- 岡部淳太 ...散文(批評 ...9+08-3-22
死。私が見たのは、- エチカ自由詩4+*08-3-10
女のことば_- 服部 剛自由詩208-2-3
批評祭参加作品■犬の登場する詩- 木葉 揺散文(批評 ...9*08-1-29
批評祭参加作品■回り道、つぶやく。_——五十嵐倫子『空に咲く ...- 岡部淳太 ...散文(批評 ...3*08-1-28
批評祭参加作品■食い違う夢_−『私たちの欠落(夏の日の)』藤 ...- 大村 浩 ...散文(批評 ...8*08-1-28
批評祭参加作品■余白について考える試み- 岡部淳太 ...散文(批評 ...4*08-1-27
批評祭参加作品■時が終る、詩が始まる- 岡部淳太 ...散文(批評 ...708-1-26
炭素循環_☆- atsuchan69自由詩13*08-1-25
批評祭参加作品■気風は断絶したか?- 岡部淳太 ...散文(批評 ...3*08-1-24

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