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眠くなって沈んでゆく 冬の空気の満ちた部屋
放り出されたのは歪んだ逆三角形
電柱の震える音が聞こえている
バランスが悪いから きみと一緒にいたいのかな
肩から逃げてゆく 空に消えた青い鳥
....
白く、 粥、 の、
溢れた鍋、 に、
朝の、 音楽が、 生まれ、
あたしが言葉と言葉とを繋ぎあわせられるようになる頃
脚を折ったかあさんの不器用な足音が
台所で今日をかつかつと叩く
たくあ ....
昔々、日々は葡萄狩りだった
形よく大きなものを探し廻るのに懸命だった
憂鬱は出来事などでなく世界そのもので
頬を切る風は冷たいけれどやさしかった
横から奪っていく手のことなど ぼくはちっとも知 ....
くちなしの花が咲き終えようとする頃に
空はセロファンのように震え
雨粒をくわえた鳥がひと足先に海へと向かう
砂浜に音も無く降る雨が
そこから遠い鉄塔の下で匂っていた
しだいに背の高くなる ....