「みんなですごした日々を
ずっと忘れずにいよう 」
卒園式の子供等は
体育館に大合唱を奏でる
心を震わせ見守る
若い母親達のすき間から
カメラのレンズは
{ルビ吾子= ....
日曜日の淵に立って
顔が鏡の男と出会う
僕を知っているか
男は問う
男の手を引いて
僕たちは日曜日の淵を歩く
君はどうして僕を知った
僕は首を振る
そろそろ帰らなければいけない ....
紫陽花色のこんぺいとう
ゆびさきに光る珊瑚の欠片
ひとつ、ふたつ
舌にのせ、届く甘さ
がりがりと噛み砕き
喉を通る苦さ
夕星の歌がきこえる
バリトンの愁い
季節はずれの鱗雲
夕方が影をつくる
生成は忘却なんだ
やっと、わかったよ
ぼくは見つけたんだね
そよ風が揺れる
新緑の公園
きらめいて
サッカーに興じる
少年たち
ヘイ!こっち!
ナイス!今の
ヘディングしたんだよ!
そよ風が揺れて
きらめいて
藤棚のベンチに ....
夫に逃げられちゃいましたとかって
シングルマザーがベイビーを抱えながら詩の朗読をしている日曜日
ベイビー、アイラブユー
ぼくと君は急激に仲良くなった
コンテンツが共有されているのだ
透明 ....
ボトルの内側に貼り付いた
水滴がつるりと滑り 落ちる
そんなあっという間にも僕たちは
死にあい 生まれあっている
細い点の中にある、線を描く息の中にある
骨が飛び出そうなくらいの
....
北の大地の端っこに
その工場は在ると聞きました
えっちらおっちらせわしなく
『何か』をつくっているらしいのですが
それを目にした人はいないそうです
それはやはり『何か』だからなのでし ....
綺麗な華に騙され
可憐なトゲに犯される。
明日の見えない
今日を過ごす
哀れな1日の幕開けでした。
別れ間際の四階の駐車場で
きみと夕日が似てた
赤茶色いきみの髪と
夕日の赤いのが
透き通って胸にしみる
思い出話にわらうきみが
せつなくて
胸にしみる
....
海辺で
***
あなたは
丁寧に研がれた小刀をひとつだけ持って
後ろ髪をひと房ずつ殺ぎ落としてゆく
かさばるから そういう理由で置き去りにしたのは
一度だけではない だ ....
白い壁を伝って
流れ落ちる静かな響き
桜まで飛んで
ためらい無く散った
今日も街は曇って
ひらり浮かぶ壊れた羽
桜まで飛んで
溶け込めずに落ちた
涙 ....
?
まだ柔らかな朝の光を受けた街は
サッパリした顔で無防備に佇んでいる
夜に息をひそめていた澄んだ空気を
胸いっぱいに吸い込みながら歩きだす
あらゆる事が起こり得る一日の始まり
だ ....
言葉なんて要らなかった
準備なんて必要なかった
そこで見た
新緑の美しさと
太陽の優しさを
全身で受けた高鳴りに
静寂があれば
それで、それだけで
好かった
ふゥッ
って抜けてく
足の力が、
どれだけ自分に
負担かけてたのか
知らせるんだな。
あんよ、痛い痛いなの。
母さん、あんたの言ったこと
今更ながら
心にしみるよ。
いまいましい季節が過ぎ去って
春の匂いを運んで
ちいさな風が
独り言を
ちっちゃな声で
ほんにゃら ほおい
赤いランドセルに
まだおんぶされているような
ふきのとうの葉で
傘 ....
悲しみに黄昏れた
僕を包んでくれたのは
両手広げて迎えてくれた
温かい母の胸
悩み 迷い 閉ざされた
僕の瞳に映るのは
厳しい試練に ものともしない
大きな父 ....
夜のとばりが下り
霞みたる白い満月
時間が止まる
カエルがはねる
コップの中の氷
コニャックが入っている。
アルコールの
歪んだ世界
後輩を思う
只一つだけ
残せたもの
....
安否された記憶をたどり
行き着いた先にはあなたの島
正午の光も 豊満な裸体も
燃えさかる海へ流される
原色のサルがなき喚く森で出遭った奇怪な蔦をもつ植物たちよ
その乱暴な肢体からは緑の湯気が ....
地上を覆う
夜の帳の重さを
老木の林が支えている
土深く
張り巡らせた
無数の根足を踏ん張りながら
夕闇に黒く浮き立つ
老木達をじっとみつめる
君の体から放たれ ....
失いかけたものを
取り戻せた。
もう少し遅ければ
失ったのかもしれない。
一瞬。
たった一瞬の判断が
失ったはずのもの。
それが
そこにあるかもしれない。
いや
あ ....
わたしの心と体というふたつは
風の息吹に包まれながら
透けた紐に結ばれたひとつです
体が体のみならば
わたしは只の人形です
心が心のみならば
わたしは只の霊魂です
....
なまえ
こゆうめいし
まわりまわって、めぐりめぐって
どこかで つなが、る。
だれかの存在を星座の始点の牡羊座にしたとして、だれを終点の魚座にするかな^^?
なんてどうでもいいこと ....
木々の緑を揺らし洗う
風の音たちが
私を遠い所へ連れ去ってゆく
ざわめきの葉葉に清純な雨が伝う
そう暴風雨は埃にまみれた
この都市を透明に塗り替えて
明日の蘇生を約束してくれる ....
きょう
たんぽぽとはるじおんを食べた
すこしだけ耳が伸びて
神様の声をきいた
あしたは
すみれとばらの花を食べる
すこしまた耳が伸びたら
まだ聞いたことのない
あなたの声が聞け ....
金の糸
きらり
束の間の晴れ
雲の間から光
銀の糸
きらり
今日雨が降り
葉の上つるり
金の糸から光
明日は天気に
なあれ
銀の糸から光
明日は元気に
....
新緑が山にパンチパーマあてている
幽霊みたいにか細いグリーン
風の流れが変わる
そんな祈りにも似たひかりを
街から街へ
女から女へ
家族はひとつきり
革命家が ....
ゴスロリっていうのかな
そんなフリルのたくさん付いた服
一度くらい着てみたいけど
「おばさんの癖して…」
あなたに言わてしまいそうだし
そんなの着れる歳じゃないことぐらい判っている
ふ ....
くちなし色の便箋に書けば 口にせずとも想いがつたわる
そんな 企みたくなるいいつたえ
でもくちなしの花がどんなだったか
ずっと長いこと思い出せずにいる
いつかおまえに すきな花を問うた ....
いつか 私は夜で
星の鼓動を抱いては太陽を想った
いつか 私は昼で
鳥の歌声を聴いては月を想った
いま 昼と夜は交わり黄昏になる
見上げれば見覚えのあるアゲハチョ ....
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