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「と」でなく「に」だと気づいた片道のきみを疎んで揺れる{ルビ鬣=たてがみ}
月光と言語をすり替え降雪に名前をつけて笑っていたが
ひとがみなひとりでは生きられぬならわたしはひとでなく ....
お風呂場の曇った鏡にたくさんのお花を描くの爪をすべらせ
夏の雲、手で払いよけ、青空に爪でラクガキ秋の筋雲
その首を朱に染めたのはこの腕の両刃だった、気づく抱擁後
祈り、というダガーナイフで斬りつけた罪で私を処刑せよ、君、
月のない夜に君も独りで寂しいの??窓の外から聞こえる鳴き声
君の眼は使いの音色 首筋に放たれたままの蛇が目覚める
洞窟をつなぐ吊り橋キラキラと泣いてふたつの{ルビ水底=みなそこ}に消え
銀色の軌跡を描く{ルビ蝸牛=かたつむり} その ....
散歩道触れるか触れないかの指は 誘っているの楽しんでるの
川土手に並んだ黄色い花の名を 聞き忘れたけどそれでもいいや
おおぞらに解き放たれたグライダー 想いを告げたくちびるに似て
....
君が逝く
みんなの涙
含んでは
泣き出しそうな
この空の下
なぜ君が?
理不尽だって
叫んでも
君の笑顔は
写真の中だけ
逝くんだね
ピンクの着物に
薄化粧
....