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喋った記憶を遡ると
人の中で泳いでる

かたちはおそらく金魚で
よく冷たい水に潜る
ぷくぷくと泡が声に変わる
耳には届かない

書いて書いて書きなぐって
でも読めないので泳ぐ
紙は ....
灰色の風が
冷え込んだ甘い匂いに吸われてしまう
電車の窓ガラスも
街路樹を伝う宵闇も
一本の薄いストロークにのって
色落ちしてゆく

弓のぼやけた冠を
空におくり

人びとは門を閉 ....
畦道にむかう足は
ゴワゴワと、カエルのように
ないて、河川敷に沿って走る
白い、マーチを追い越して

目と、髪が戯れている先の
先まで進み、カラスか
はたまた違う鳥か
とらえて、はなし ....
ぼんたん飴をすりつぶしたように
雲がうじゃうじゃ

あとは青
みんなみんな神宮橋を渡る

横から波と風、羽、工場からのガス
大きな風車がいくつもいくつも見える

車はまっすぐに走れ
 ....
南部風鈴の音
風に乗せ
山越え
きーんと鳴る

見るも無惨なお前の笑顔
腕は白い
うちひしがれた隣に空が
はっついてる
いっときも目を逸らすな
言ったのに

泥のように夕日を沈 ....
真っ暗に点す
山霧の薄い鞠

電信柱を包み
無味な綿実を育む

粛々と夜を描けるなら

草露に浮かぶ涙も
からかえるのに


緑の看板が ぽつぽつと
糸を引く


小さ ....
ひっ掻き

傷 傷


水滴 水 そら


硝子の縁も
こつんと 鳴く





薄らぐ
高速バスのなか

6時をむかえ やがて
針は2分を示す


尾灯 ....
ハッカの花びらは
剥けて落ちるので青白く

外浪逆の上で
灯火の撒き餌になります

数滴
冷たい風にのって
持ち上がるのは
それは
大雪加です

見上げるほどに甘ったるい
葛 ....
あんなに強い西日なのに
青空がしろい

硝子の影が枯れ枝をくわえて
排ガスにはたかれた欠片が歩道に転がる
少しずつ少しずつ
細いものから音も色もころしてゆく

風は大きく旋回している
 ....
楕円の皿にわたしの指紋が乗る
楕円 私は 指紋のひとだ

ゆらゆらと少し苦い棒茶をすする
大鉢の下は銅の網が敷かれ
光沢もない

格子戸から黴がこぼれる
吹き抜ける風と
カーブミラー ....
ミルクを注いで
ウバ茶にくるり描く

先日はアールグレイでやりまして
白くて砂山のようでした

赤い土の色
今日はおいしい
鼻を震わす香り

少しだけ砂糖を落として
空の指が匙に ....
石材屋の看板が光る
とぎ汁を固めたような色だ
熱帯魚みたいにきれいで
とても暗い

郵便受が口を閉ざす
瑞々しく歪んだ切り口

手のひらを右に傾けたら
パンクの修理に屈む男の背が
 ....
夏がくるくると流されて
風鈴が死んじゃったよ

竹馬のまっ黒な茎
川面に刺さって不思議なかたちだ
もやもやーっとした波間の夕日も

冷たいプロパンの隣で沈んでる白い車は昔のマーチ
ボン ....
切通しの森より
艶やかな靄の衣で
じっとり舐め尽くす

貫通扉を抜け出して
男がひとり
つったってる

細長い腕
コーデュロイに合わせた色の鞄で
絵描きと名乗る

白樺のコート ....
電灯が砂の雨を遮る
右肩がざらつく
悴んだ小指
血の管が萎れる時は
無力だったと思う

音は暗い風の下
焦げた海には
おとなしい月が泳いで
引き込み線にお辞儀していた

やがてト ....
トンネルは夜だって明るいんだ

今も人差し指の冷たい腹、小指の爪
それだけで優しく窓を見つめてる
溢れたトラスの風切る姿が
薄暗い雑音に変わり
蕩々と水田へ軋んだ碁盤も
景色から剥がれ耳 ....
溶けた琥珀が持つ日差しの輪郭は
枯れるまで4年かかった

ひび割れ
すっかりプラスチックのような風合いで
昼の駐車場に薄い影をもたらす

車も看板も、大きなビルも
割とありふれていて
 ....
たべたらなくなる

ミスドでは
アメリカーな音がバシバシ流れる

どうする?
なんか物凄い水煙に襲われて固まってますよ

店。

幟がもうダメだよ
左右から風雨のパンチ食らってぐ ....
雲まで黒くて
月にはみえない

霧の畑に古いデミオが
案山子の山を見てまして
ワイパーもまあ静かです

株価がどうとかラジオが煩い
国道横の欅ちかく
電信柱がくすんでる

そろそ ....
夏野雨さんのしべさんおすすめリスト(19)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ぱたぱた- しべ自由詩612-8-16
甘柿- しべ自由詩510-12-19
あわ- しべ自由詩410-11-15
ハンドル- しべ自由詩510-10-27
くろがね- しべ自由詩510-9-9
葡萄のホテル- しべ自由詩410-4-29
九十九- しべ自由詩210-4-21
レンズ- しべ自由詩210-4-10
かぜぐるま- しべ自由詩410-3-20
テーブルから- しべ自由詩210-3-10
赤い振り子- しべ自由詩209-11-15
藍色- しべ自由詩209-10-10
雨雲- しべ自由詩109-9-3
画板- しべ自由詩209-3-28
支線- しべ自由詩209-3-23
鉄路- しべ自由詩309-3-18
白昼夢- しべ自由詩209-3-11
オールド◎ファッション- しべ自由詩109-3-6
常夜灯- しべ自由詩309-2-26

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