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昼寝から目を覚まし 
休憩室から職場への 
一本道を歩いていると 

路面に置かれたひとつの石は 
忘れられてもなぜかまあるく 
不思議とぼくを励ました 
「 あさって帰る、戸締り頼む。」 

親父の書いた太い字の 
メモはテーブルに置かれ 
日頃にぎやかな 
家族みんなは婆ちゃんの 
米寿の祝いで熱海に行って 
ひっそりとした家の中 
 ....
棚の上に置かれた 
小さい額の中は 
去年の祖父の墓参り   

過ぎた日の 
こころの{ルビ咎=とが}を忘れたように 
墓前で桜吹雪につつまれ 
にっこり並ぶ 
母と祖母 

雲 ....
「親父はがんもどきだね」 
「お前は豆だよ」 

「母ちゃんはさといもだね」
「いいやじゃがいもだ」 

「婆ちゃんはもはや梅干」 
「それはそうだな」 

ぱりっとした衣に
じゅ ....
先日詩人の夫婦に会い 
日々寝不足の夫の目に
{ルビ隈=くま}ができていたので 
妻に「大丈夫?」とメールした 

妻の名前で受信した 
返事の中味の文字からは 
「大丈夫だよ」と
夫 ....
残業の時刻 
隣の机の同僚が ぼりり と 
飴を噛みくだいた 

「 お年寄りにもらったの? 」 

「 はい、Tさんから 」 

耳の聞こえぬTさんは 
お婆さん達の会話にいつも入 ....
自分の名前を忘れてしまった
お婆さんのお尻を
「よっこらせ」
と抱えながら
車内の椅子に乗せた後  

息子の嫁さんが 
「これ、ありがとうございました」 
と透けたビニール袋を手渡し ....
夏野雨さんの服部 剛さんおすすめリスト(127)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- 服部 剛自由詩707-11-6
「_暖炉の炎_」_- 服部 剛自由詩7*07-10-31
カツのころも_- 服部 剛自由詩8*07-10-25
串かつの夜_- 服部 剛自由詩7*07-10-24
「_卵_」_- 服部 剛自由詩407-10-23
お婆さんの飴玉- 服部 剛自由詩6*07-10-20
味噌汁の絵_- 服部 剛自由詩207-9-29

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