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  遠藤周作様 


 年末年始の神戸への旅を終えた今、あなたの故郷である地で過ごしたかけがえのない時間を無駄にすることの無いよう、僕は自らの弱い心にもう一度、これからの日々の決意をする ....
幻のビル群が立ち並ぶ 
都会の空の彼方から 
沈む夕陽の声がする 

( わたしはこの国を、
  お前に与えよう・・・ ) 

群衆に紛れた彼は 
空虚に覆われた日々から 
脱出する ....
ネオン街で同僚と飲んで
赤い顔ではしゃいだ夜遊びの後
やけに寂しい帰り道 

終電待ちのホームに並び 
線路越しに見える 
広告募集中の真白な看板が 
自分のこころのように見える 

 ....
老夫の胸に
長い間蓋を閉じていた
遠い日の戦  

時折今も夢に見る
モノクロームの場面 
白飯を掻きこんだ後 
張り詰めた空気の部屋で 
就寝前 
心細く母のことを語らいながら 
 ....
わたしは怠け者であるゆえに 
連休前に風邪をひき 
おまけの休みの時間のなかで 
らんぷ一つの寝台によこたわり 
両手に持った本を開いて 
在りし日の 
詩人の哀しみを読む 


  ....
信号が赤になり 
車を停めると 
予報外れの雨粒を拭う 
ワイパーの向こうに 
頭を霧に覆われた
高層マンション 

霧のちぎれる間に覗いた 
バルコニー 
干されたままの布団がひと ....
早朝、床に坐り 
瞳を閉じるマザーは 
今日の路上で出逢う飢えた人と 
お互いの間にうまれる 
あの光で 
幸福につつまれるように 
無数の皺が刻まれた 
両手を合わせる 

身を包 ....
コンクリートの壁に囲まれた 
独房のような病室のベッドの上
路上に倒れていた男の 
ふくらはぎに密集して肉を喰う
すべての虫を布で拭き取る 
白い服の老婆 

「 マザー・・・  
  ....
店内に置かれた 
壊れた自転車の傍らに 
しゃがんだ青年は 
工具を握る 

「 本屋さんはどこですか? 」 

歩道を通るわたしの声に 
こちらを見上げた青年の 
汚れた頬に 
 ....
緑の山の真中に 
{ルビ白鷺=しらさぎ}が一羽枝にとまり 
{ルビ毛繕=けづくろ}いをしている 

曇り空に浮かぶ 
青い空中ブランコに腰掛けた 
わたしの眼下に敷かれた道を
無数の車は ....
榊 慧さんの服部 剛さんおすすめリスト(10)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
敬愛する遠藤周作先生への手紙_〜神戸旅行記〜_- 服部 剛散文(批評 ...209-1-2
地上の楽園_- 服部 剛自由詩208-5-4
白い看板_〜週末の夢〜_- 服部 剛自由詩508-5-4
鉛色の街_- 服部 剛自由詩407-10-31
風の顔_- 服部 剛自由詩707-10-4
濡れた布団_- 服部 剛自由詩3*07-9-30
足裏の顔_- 服部 剛自由詩6*07-9-23
天使の人形_- 服部 剛自由詩5*07-9-23
自転車屋_- 服部 剛自由詩407-9-17
空の椅子- 服部 剛自由詩7*07-9-9

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