カップがソラだとしたら
コーヒーが注がれて
夜が来る

苦い夜がニガテであれば
ひとすじのミルクが注がれる
銀の匙は使わない
やがて白い雲は 時間に溶けてゆく 

どこかに月が隠れて ....
この部屋は四角い
建物も四角い
紙は四角く切り取られ
電車は四角く走っている

土地は四角く区切られて
名前は四角く囲われる
レンジは四角く温めて
テレビで四角くものを見る

君は ....
ねぐせはなおさない
あんまりなおさない

はねっかえりの天然パーマ
したいようにさせておけ

校庭に 生徒を整列させるように
頭皮に 髪を整列させるなんて

そんなのナンセンス
ナ ....
目をあけたら白い朝
ぼんやりした頭
カーテンはゆらゆらと
金魚みたいね

鳴らない電話に
突きはなされた気がして
わたし毛布から出られない明日からどこへゆこう

コーヒーはもう要 ....
サンドバッグの砂
世界は見えずとも
その厳しさを知る

バラボラアンテナ
世界は聞こえずとも
その広さを知る

美容師のハサミ
世界と話さずとも
その多様さを知る

水族館のイ ....
ほしになれ ほしになれ

雑多な日常 ほしになれ
記憶の海よ ほしになれ
あらゆるいろいろ
ほしになれ


屑かごにはいろいろあるものです
捨てれば遠くに忘れていく
 ....
小さい方から数えて100番目の不思議の前で
両足を揃えて立ち止まる
ずいぶん背が伸びたなあと、自分の後ろにできた影を見て思う

1番目の不思議は、どうしてごはんを食べなきゃいけないんだろうって ....
{引用=


水が
押し寄せている。



外は、寒いからね、



蓋のない瓶の中に
私と
君と
泡と、埃と
唾を
浮かべて



恥らいを捨てたあ ....
ほらほら そんな

無駄なことは

やめておしまいなさいな


いつ現れるか

わからないのでしょう?

みつめるだけで 叶うなんて

誰がいったのかしら
 ....
おっぱいはもみたいけれど
こころにはふれたくない

だってそこにおっぱいがあるから
てのひらはうずまりたいけれど
おやゆびからひとさしゆびへの湾岸をせばめ
そのゆくさきのももいろの島を ....
 
 
鞄を探していた
たった一つの鞄だった
大切にしていた鞄だった
心当たりのあるところは
すべて探した
鞄の中も探してみたのに
布製のハンカチや
プラスチック製の文房具など
必 ....
町の明かりに

じぶんを問いかけている

やくざが入れ墨に

じぶんを問いかけるみたいに

ぼくの遺伝子がONになる


海を聴いている

茶色いレーズンを吸っている

 ....
十月の空の下


飛行船が落ちてくるのを待っている


ぼくたち透明になれなかった




 
サンドイッチじゃなくて
ホットサンドイッチだよ
ここは温かいほうがベストだから

あなたのいうことって大抵あてにならない

って言われたって
一体なにが ね なの

秋は秋でも
 ....
自分が木螺子だと気づいたのは
空の水が全部落ちてきたような
凄まじい雷雨が通り過ぎた後だった

公園のブランコの下の水たまりに
たまたま自分の姿を映した僕は
ほんの少しだけ驚いた

で ....
逆立ちをしているゾウの足に
流れ星が刺さった
昼間の明るさで
誰にも見えなかった
ゾウは少し足が痛い気がしたけれど
逆立ちをやめてしまうと
子どもたちががっかりするので
我慢してその姿勢 ....
叫びながらカラスの群れが飛んできた
初雪も消えて見えなくなった秋の空
会社に向かう朝の空気が緊迫する

運転しながら ちらりと眼を向ける
トンビが小さな鳥を追いかけている
死に物狂いに逃げ ....
 父さんはニ層式洗濯機の中で
 ぐるぐる洗われている
 家族みんなに
 臭いって言われるから

 姉さんは乾燥機の中で
 父さんと同じように
 だけどひっそりと回っている
 好きな ....
 
 
ものがたりが
おわる

すっかり
いみをなくして

それでも
いみがあったのだ

あとがきが
みずのように
 
 
森を乞う
雨というサークルがあるなら足を踏み入れてみたい
それは穴という穴から
窪みという窪みに媚びりついた悔恨の手垢が
思い出の活性剤となるようきれいさっぱりに落としてもくれる
 ....
明るい日差し、風、笑い声
帰り道、手のひら、力強さ

両手で慎重に掬い上げて
零さないように壊さないように
そおっと抱きかかえても
風雨に晒されて時間に色褪せて
そうやって思い出になって ....
   .
段ボールから抽き出して
フィルターの埃を払うと
あの土地を離れたときの
冷え切った心に火がともる
   .
できることならあかあかと
きみの顔に映える炎を
贈りたい きみの身 ....
 
 
色鉛筆のケースの中で
弟が眠っている
一番落ち着ける場所らしい
父と母はテレビを見て
時々、笑ったり泣いたりを
繰り返している
ケースから出された色鉛筆で
僕は絵に色を塗る
 ....
失速していく雲を見ながら、
今日は失踪日和だな、と呟く。
プラスチックのストローの端を囓ると
孤独の味がした。

久し振りに読む小説の
栞の紐が色褪せた橙で
苛立たしいような
物寂しい ....
鳥が月をついばみ持ち去り
別の月をどこかに作る
午後の舌を
午後にまみれた氷が過ぎる


ただひとつの音の他は
すべて重なり響く雨の日
ただひとつは道の灯に立ち
 ....
ぼくは世界で一番暗い夜を見たかったのです
歩くこともできないほどの
真っ暗な漆黒の闇が欲しかったのです

街の灯を映した空は中途半端で
あまりも汚たなくて
たぶん星など見る人もいないのでし ....
大人はうそつきだから
子供の反論はそれです

二つの間を
誰も座っていないブランコが

きしきしと ぎこちなく
ざわざわと せわしなく

さらなる高みを目指そうと
宙をくるりと回り ....
何かの拍子に
     君の香り

     ふわり

         懐かしいような
           切ないような
             涙ぐみそうな
          ....
ゆうぐれに
さみしくなったり

あるいていて
ふと生活のにおいに
あしをとめたり

ゆっくりとしか
すすめないこと
くやしくなったり

生きるとゆうことが
どれだけ不安でも ....
ただ
ほんとになにげなく
コンビニに寄った帰り道

君の後ろから
とことこと歩いて
空を見上げて

シャツの裾を引っ張って
『ねえねえ 空 きれいだよ』
なんて
言ってみたい

秋の風が
袖から出た腕 ....
アズアミさんのおすすめリスト(89)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
朔_或いは静かな底で- そらの珊 ...自由詩2712-12-6
しかくいせかい- まーつん自由詩11*12-12-2
もじゃもじゃ主義- まーつん自由詩8*12-12-2
金魚とメランコリー- 青井とり自由詩212-2-18
バラボラアンテナ- 葛西曹達自由詩211-10-24
ほしになれ- 自由詩4*11-9-25
不思議の次のところ- とんぼ自由詩310-12-17
湯船- 佐藤真夏自由詩12*10-12-11
流れ星- 一酸化炭 ...自由詩1*10-12-11
おっぱいはもみたいけれど- はだいろ自由詩710-12-6
- たもつ自由詩210-12-6
遺伝子たちの宴- 吉岡ペペ ...自由詩410-12-5
荒地の子供- せかいの ...自由詩710-11-21
遠出- 朧月自由詩210-11-20
木螺子- nonya自由詩22*10-11-12
ゾウの話- たもつ自由詩1610-11-10
ナギ- 砂木自由詩7*10-11-7
ちぐはぐな家庭- 豊島ケイ ...自由詩28+*10-11-6
水のあとがき- 小川 葉自由詩410-11-6
酸性雨- アラガイ ...自由詩6*10-11-5
帰り道- さつき自由詩4+*10-11-4
ファンヒーター- Giton自由詩2*10-11-4
色鉛筆- たもつ自由詩1910-10-30
失踪日和- 亜樹自由詩210-10-29
ひとつ_水日- 木立 悟自由詩410-10-28
はなのみやこ- 紅糸自由詩4*10-10-7
思考の公園- 唯浮自由詩210-10-4
君が_ふわり- 雨音些末自由詩310-10-4
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