ファンヒーター
Giton

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段ボールから抽き出して
フィルターの埃を払うと
あの土地を離れたときの
冷え切った心に火がともる
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できることならあかあかと
きみの顔に映える炎を
贈りたい きみの身体を包む
温かい吐息を届けよう
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深々と冷え込んでゆく夜の
大地 葉は落ちただろうか
きみの屋根に霜は降りているか
   .
ぼくの胸はあかあかと きみに
熱い風を送り続けているだろうか
片時も休まずに働いているだろうか
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自由詩 ファンヒーター Copyright Giton 2010-11-04 21:22:58
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