すべてのおすすめ
よこあるくスベスベを、イメージの先に融解する。
涼しくさらっていく風が、撫でるのは喧騒だ。
こうしてぼくらは息をしていて、いつもいつも、いろいろな状態をことばにする。悲しい。うれしい。お腹 ....
ええ詩をかくこと?
決まっとるやないか
不幸か幸福か極めてる時なんじゃあほんだら
って おじちゃんは昔思てたんよ
でもあれやな
ほんとは ぼんやりしてる時やな
お湯が沸くんを待ってる時 ....
あたまのなかが
いやなきもちでいっぱいになって
ねこんでいると
みぎのみみから
たねがころがりおちた
いやいやにわにうえて
いやいやみずをやると
いやなはながさいて
たねがひとつで ....
深夜、男友達から『お前のことずっと上海してた』と電話。ひどく
驚き、『ごめんなさい』とだけ応えて電話を切る。自分の言動を振
り返り、しばらく彼には会わないでおこうと決める。図らずも点と
点 ....
アスファルトを割って
小さな花は咲きました
私は花の名前を知りません
花も私の名前を知りません
花は花の名前を知りませんし
スナック「花」のママを知りません
そうして花は咲きました ....
(1)
僕は眩暈をおこし倒れゆく途中、眩暈の原因はこの部屋の絨毯の模様がどうにも見慣れない形に変わってしまったからだということに気づき、しばらく斜めになったまま考察を続けた。
(2 ....
気が遠くなるほど
恋をしてしまったとき
いや
言い換えよう
特定の
誰かに
欲情してしまったとき
わざと
自分を
隠す
何処にも
いないかのように
いないところから
....
カラフルメリーは自分の名前が大嫌い
カラフルメリーを本当の名前と信じたがってる
唐辛子よりブラックペパー
胡麻油よりオリーブオイル
テーブルの上の醤油が死ぬほど恥ずかしい
天国のパ ....
くるしくて
くるしくて
もりのおくのいずみに
とうとうかなわなかった
ゆめをすてた
すると
はもんのまんなかから
きみょうなろうじんがあらわれて
あなたがおとしたのは
このわたし ....
振り向いた先が
届かない思い出だったなら
胸に少しの痛みを
感じることでしょう
昔のノートを整理していると
ページに挟まってあなたがいました
ピントの合っていないぼやけた横顔でも
....
にんげんのやることじゃないです
と にんげんがいう
にんげんのこういにたいして
人間だけが原水爆をつくる
人間だけがアウシュヴィッツをつくる
人間だけがサリンをまく
人間だけが手を汚さ ....
ふと右を見ると三塁手が君だったので
僕はすっかり安心した
うららかな春の日、デーゲームは淡々と続いている
スタンド、ベンチ、フィールド
いろいろなところからいろいろな声が飛び交っている
....
きゃらめる 5
よる
1
なにもみえない
から
こわいんじゃない
なにもみえる
はずがない
から
こわいんだ
....
言葉を許してしまったら
どうにも落ち着きが悪いから
とりあえず
旅に行きましょう
ささくれだった
太い指が
地図をなぞるのを見るのも
悪くない
車窓から
見える景色が
山ばかり ....
まっ白い顔の人たちが
次々に現れては
好き勝手な方向に歩き去ってしまいます
しゃべり声と足音が混ざり合って
波のように強弱をくり返しながら
ホールを満たしています
柱にもたれて
目ま ....
街でついつい男の人を
宝石に
変換する
裾に 白衣ののぞくメガネは
傷のついたオパール石
チャイナ帽 歩きタバコの初老は
家のないラピスラズリ
梯子に登りたそうな ボーダー2 ....
ときどき
おるごおるを ひきだしからだすと
ものがなしい おとがする
くらいなかから
ながれだすおと
の
ゆくえはみえず
かべにあたって
しみとなる
てんじょうの かお
を ....
誰か 呼んでる
あたしを 呼んでいる
砂漠に沈む太陽
陰影を深めゆく愛しき人々
ああ この場で息絶えてもよいのだ
小さな砂嵐にいつも まかれていた
口 ....
光がはじまりの場所へと帰ってゆく
夜が組み上がるその前に
夜が夜を追う
本当の夜の道を
雲の白だけが照らす
新しい天使 旧い天使
離れない手と羽
離れない歌と ....
日曜の朝刊はテレビ欄から読むのを習慣にしている
新しい連続ドラマなどやっていないだろうか、なんて
A4サイズに畳まれた新聞をA2まで広げたとき
私はテレビ欄に挟まれていた1本の髪の毛を発見し ....
帯解寺の帰り道
奈良の盆地の五月晴れ
水田 若穂に 渡る風
あぜ道 道草 帰り道
生まれくるもの帰り道
生まれゆくもの帰り道
....
並木道に
誰かの日傘が忘れられているのを見つけ
持ち主の名前がなかったので
失敬することにした
けれど自転車のかごに引っ掛けて
ペダルをこぎだしたそばから
日傘は陽を浴びて匂いたち
....
らんららん 出張中の男の洗濯をしようと乙女心を持参しアパートへ向かったら
まさに今 女にまたがろうとしている男と遭遇
鍵をかけていても私は合鍵を持っているのだから男の防衛策意味なし
セコムしてな ....
背広の背中よりシワシワで
ボロボロの笑顔でもう一軒営業
俺の夏休みはいつになったら来るのだろう
何年もそれを考えている、何年も
不快指数が愉快指数だったこどものための
振り返れば一瞬だっ ....
台所で玉子を割り
箸で溶いて
フライパンでバターとからめた
食卓であなたと向かい合い
それを口にふくんだ時 はじめて
涙が溢れてきた
(お前も卵にはなれなかったのだね)
....
キルクルとスコットは僕の見える場所にいるはずなのに
忘れようとして忘れられるものは
そんなにあるもんじゃない
すぐに忘れることなんて別に忘れたくて忘れるわけではなく
キルクルはそん ....
○ところで皆さん!
ところで皆さん!
口を開けてください!
と、日記に書いた
書いたのは私一人
読むのも私一人
そこから先が続かずに
皆さんが口を開けて待っている
....
熱海といわれても
有名な温泉地という以外
実はなにも知らないのだった
このお題、絶対残るよなと思いつつ (※)
毎週書きつぶしていったけれどやはり残りつつあって
途方にくれながら飛行機で ....
それは嘘である
しがらみのジャングル・ジムを
通過できる肉体はない
青空へ!
跳躍のつかのま
ぼくは地球へ落下する
格言つきの日めくりの上に
欲望と追憶のカリキュラムに
それからしぶし ....
明かりはどうか消さないで
ここにきて
すこし話をしたい
私はずっとひとりでいたらしくて
話し方をわすれてしまった
だからひとりがたりみたいになるけど
ひとりよがりにはなりたくないので
....
1 2 3