スベスベマンジュウガニ饅頭
nm6
よこあるくスベスベを、イメージの先に融解する。
涼しくさらっていく風が、撫でるのは喧騒だ。
こうしてぼくらは息をしていて、いつもいつも、いろいろな状態をことばにする。悲しい。うれしい。お腹がすいた。気持ちがいい。歩きつかれた。もうこんなのは散々だ。生きているのはなんて楽しいんだ。それぞれ名前があるけれど、それは偶然といたずらが積み重なっただけで、いわば場合でしかない。涼しくさらっていく風が服の隙間をすり抜けてゆけば、周辺はなんでもいいことばかりだ。
どこにいるんだろう。
ぼくらはいつも、問題から先に放り入れてしまう。
岩の多い海岸へと、車を飛ばす。走り抜けて覗き込んで、ぼくらはハイだ。自慢したくなるような朝と肌で、石の下へと潜って「こっちへおいでよ」と誘惑する君をしばらく見ている。穴があくまでじっと座り込んで、太陽は雲に覆いこまれて、ぼくらはその先にあるものを知らない。そう、ぼくらは知識ではないから。永遠にわからないままでいいのは、君のことだ。わめきあうネオンと飛び交う電波で包み込んでしまう、ぼくらの帰る東京は優しくぼくらの息の根をつまみあげる。きっと擦れてはがれて、そしてなんとなく分かる。またすぐに抱き込まれて見えなくなってしまうその感情は、苦しく締め上げるけれども決して毒ではないのだから。
昨日に名前をつけたのは誰だ。
世界を包み込む生地を突き抜けて、そう、ぼくらは知識ではないから。
それは偶然といたずらが積み重なっただけで、いわば場合でしかない。
ので、
テクスチャを包み込め。包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで包み込んで、まるめたそれが。
ぼくらの立つ、気まぐれだ。
東京かと思うと海岸だったりもするこの場所だ。
やわらかく優しいこの喧騒を、いつも涼しくさらっていく風が撫でる。
永遠にわからないままでいいのは、君のことなんだ。