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夜の湿り気が
ぬぐいきれずに
わたしのゆりかご
あなたはそっと
うしろむきで
雨を吸った
風が吹いて
胸に空洞
わたしができることは
ただ、毎日をすごすことだけ?
....
はてない偶然で
おてがみをくれたとき
トライアングルのような音色がむねに
うちつけて反芻した
涼色のびんせんに
えんぴつで
ことばじゃないことばのられつと
はにかみ・かみみ
....
風林火山のごとく
誰にも知られず家を飛び出したわたしたちは
しばらくおびえながら暮らし
酷暑の陽炎 むしばまれつつ
いまに至っている
洗濯もの 干してたら綿毛の種がとまる ふわり ....
天井をかき分け浮いてまた沈む浮遊した昼チャイムは重く
ざわつきも混乱も日々続いてく国道沿いを見ては陽炎
いつだって風を待ってる蜃気楼オアシスがすぐそこにある
さみしい季節だと思ってた ....
すこしずつ失いかけている
じぶんのもの
だれかのもの
時間
神経
ほね
膜
すり減らし、こそぎ落とし
さいごには糸になる
糸くずで
とんでいく
どうとでもかまわない
何 ....
あるひ、
人生がながれだして いや
これまでもずっと
ながれている
ことをおもう
おじいさんや女子高生が
目の前をひだりから右にあるいている
雲は勢いにのり ぐいぐいと
きえていっ ....
どうして笑っているの
たくさん わたしたちは生きている
どうして泣いているの
たくさん わたしたちは歩いている
どこにいっても
どこにいても
こどうとともに
だれかをおもう
こ ....
誰にも話さないで
誰にも聞かないで
ゆめなど散り散りにもえてく
そして貧しくなっていくこころ
指も開けば寒い
瞼はディープな森とかし
捜査難航、回顧困難 わたしたちは落ち葉
そこからとび ....
天国にいってしまったら
天国から手紙は来ないから
せめてできることだけを
おぼえないとなあ
せいかつは強弱のヴォリュームでいきること
ときには手をぬく
つんのめるほど減り込まないよ ....
あ、まただこの感じ
お茶をかさねてたら
くたびれて伏せてたら
歩いてあるいてたら
とどかない
とんでって
ひっかかる喉元のハンカチ
善いことはないのに
どうしてまた
離れ離れにし ....
透ける唄をきくから目をとじて
車の流れる音も聞きながして
そらはやっと明けたのに夜は幕をさげてゆく
夏はもう通り過ぎたの
冬物を出しながら
これからのことを考えて
でもこれからのことな ....
湿った風 追い風 まとわる
体中すいこんだ わたしたち
早足で 砂浜のような 濡れた アスファルト
バスを 待つ余裕も なく
霧雨は 小さく崩れて 銀色 とけあう熱気
あ ....
ゆびでそっとふれる
ふかふかしたものが
やがてしぼんで
くたびれて横たわる
むなしさをむねにしまう
かなしさを昇華する
垂直にいきたものは
ささえあってこそでしょう
あなたの ....
ぷすぷすぷすぷすと
情緒のねんりょうが切れかかっていて
空を見上げたら
ライオンの むれ
きれぎれにはなればなれ
とげを自分で取ってしまいました、引っぺがしたところからおもいでが樹液 ....
ぶつけたいけど
外側のリングは光ることに疲れて、きえてしまった。
何か言いたくて
思いはぐしゃぐしゃに
胸ばかりドンドンして
眠れなくなる
湿ったバラードにはなりたくない
そんな一心 ....
黄色くてでかいストローハットを
ふたりでひとつかぶって
お話しをしよう
ほら今は青空だって見てない
ひまわりだって のぞきこまない
僕たちはわかすぎるから
明日までの宿題も
占いとか ....
なるようにしかならない
というのは
都合のいいもので
ときには放り出された闇へいくためのことば
可愛い名まえをみて
消えてしまいたいと願ってしまう
手をついて
ショーウィンドーを ....
焼けこげてしまいそうな 夏
小さい背中で
我慢を覚えた
春のうららかだったことも忘れて
はだしの17センチに
世のなかは わからない
雲に乗れることさえ 疑わない
小さい背中 ....
夜が終わる前に
銀河がサイクロンになって
いらない文字を吸いとりに来る
(サクラ、サクラ、琴のおと)
貼りついてしまったものを
ひとつひとつ
はがしてみれば
どれも忘れがたいもの
けれ ....
りんりんりん
秋の夜空からおちてくるのは
おうぎの、おうごんの
しゃんしゃんしゃん
セル画のごとく、ぱらぱらら
「今宵はたけのこごはんだよ」
しゃきしゃき
夜の秋は長いなんて
....
うたなのか がっきゅう会なのか
それとも朝なのに集まりなのか
しばらくの間 わたしは聞いていた
げんきな声を出す すずめたち
生き抜いてゆくのは大変ですね
鼻をかみながらそう ....
なつの朝に
くりかえしくりかえし
泣きながら、うまれる
声と声と声が
遠くの地球
むこうにしろいくも
横ばいに漂う
わたしたち
くりかえし生まれて
体操して
朝の匂い
....
(心、あつく)
。
なつの海のふちに
哀しさがあつまる
はげしさの内情
イベントの回転ドアだけ
とても窓が蒸してる
波があつい
涙つめたく
背景にはラテン
砂で ....
雨が抑えている
気持ちにふたをして
重くのしかかるのは
度の強すぎる眼鏡のよう
咳こんだところで
深く吸ったところで
するのはただ、土のにおい
しみてゆくしみてゆく
こころもぬれて ....
あじさいは雨に
色をもらう
少しずつ少しずつ
となりの子とは違うように
淡く。パープル
ぬれてるからって
傘は差しださないで
雨がすきなのわたしたち
雨でわたしたちは
きせつを彩 ....
ボトルの内側に貼り付いた
水滴がつるりと滑り 落ちる
そんなあっという間にも僕たちは
死にあい 生まれあっている
細い点の中にある、線を描く息の中にある
骨が飛び出そうなくらいの
....
だれを想うわけでなく
誰のせいにもせずに歩きたい
散る雨の中
見えるひと
見えない人が
残りの粒をひろげて、
足の跡をのこすから
いつかは、わかること
頼らずにいきてるんだと ....
小さな花びら ひとつうまれた
小さな掌 くしゃくしゃ 紅い
ずっとつぼみで いたんだね
(ぱっと広げた花びらには、むげんのかけらが ふわり)
月の光に 太陽のうたに
とけそうな影を 何度 ....
気づいたら
いろんなひとが
両手で込めて
差し入れてくれた
おにぎり
箸もつかえないくらいに
元気なくなったとき
たべるといいよ、って
おにぎり
すかすかの ....
*
みずいろのさかなを
凍ったうみで
凍ったうみの
その下で泳がせている
気泡の、結晶
つめたい手
掬うことのない
うたがう事もないさ
たとえばわたしたち
ストレスにまかせて
....
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