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ぼくが
わるかった
あやまっても
なおらない
きずもある
せめて
うらんでは
くれないか
そのかちすら
ないらしい
ばっしてさえ
くれなかった
ろうをつくって
....
やわらかな
やさしさを
つめこんで
ぬいぐるみが
やっと
かんせいした
つきひはながれ
ぬいぐるみは
しぼんできて
わたを
たしてみようと
いとをほどくと
のう ....
その夜の悲しみは
液状をしていたので
私の輪郭が
どんなに複雑な形をしていようが
細部にまで浸透してしまうから
やりきれない
こんなことなら
笑える似顔絵でも
描いて行ってもら ....
やさしいんだね
と、言われれば
悲しそうに首を
横に振る
君には
四月なら
さくらの花びらが
五月なら
ハナミズキの花びらが
道いっぱいに散らばって
通れない
....
ええ
主人のことは愛していましたよ
もちろん子供たちのことも
なぜこのような事になったかなんて
説明できないわ
(直接的な方法ほど
恨みが深いなんていいますが)
私が包丁を選んだ ....
いいですか
すべてのニワトリは
自分で殻を割って
生まれてきたんですよ
と叱られた思い出
いまなら言える
僕はニワトリじゃない
*
あまりの暇にたえかねて ....
エネルギーが切れそうなことを
悟られたくなくて
地面を脚で蹴って
蹴って
辛うじて前へ
前へ
楽しい思い出を作るために
生きてきたの
だけどそれを思い出す
身体が先になくなったら ....
死んだ瞬間
私に賞味期限がつくらしい
そんなあなたの価値観に
ついていけません
女の腐ったような男
なんていうけど
私が腐ったって
あなたよりはまし
冷凍しても劣化する
....
嫌な事ほど
かえって忘れられない
思い出すのも嫌なくせに
何度も何度も繰り返し反芻して
自分をムカつかせているのは
なぜなんだ
もう思い出したくない
意識すればするほど
日常生活の ....
虹を発見したら
「きれいだねきれいだね」
と騒ぐ君が嫌い
お願いだから
黙って見させてよ
君がバナナをくれたけど
「おいしいねおいしいね」
と言いながら
食べなけ ....
地球を回転椅子にして
神様は座っている
なんて話を
誰がしてくれたんだっけ
私は病気で
もう二週間、家から出ていない
青空が暗い
いいからその尻をどけてくれ
ひと ....
営業の途中
ビルの谷間から空を見上げてしまうのは
あのころ空に向かって投げたボールが
いまだに落ちてこないからだ
夏の高校野球のサイレンに
空襲警報より
怯える
キャッチボー ....
あのね、さっき
この泥棒猫って
言われたのよ
古典的なセリフに
笑っちゃった
あなた
冬眠中ですか
(愛は、冬ですか)
寝息を立てる
かすかに開いた口から
舌を引き抜こうかしらと
....
借りたものは
返さなくてはいけないから
私はあなたから
それを借りる
それは一瞬だけ
私のものの振りをして
手の中にしっとりと納まり
ここにいたいとも
帰りたいともつかない
....
こちらからメールを
送った憶えもないのに
母からのメールには
いつもRe:がついている
返信でもないのに
Re:がついているのはおかしいよ?
そう言っても
「だってメー ....
なにも届かない
耳は犬にくれ
響きを伝える大気は吸い尽くした
知らない人がいる
その人は、歌を歌うらしい
地球の裏側か隣国か
私には知るすべもないセ ....
花を差し出されたら
黙って口に含む
蜜を吸う
疑うという言葉は
知らないふりをしなくてはいけないルール
ねえ
毒って、甘いんだってね
*
追いかけられるの ....
冷気のようで
霊気のようで
炎のようで
誰かに似てる
どこかでお会いしましたでしょうか
そのとき私はどんな歌を口ずさんでいた?
引き出せない記憶の方が多いんだ
ひとりベットで
嘘泣きをしてみた
無理だった
こんな声、出るんだ
知らなかった
何があっても動じない人だねって
最近言われるから
泣いてやろうかと
思っ ....
目覚めの呼吸が
ぽこっとまあるい泡になって
光差す天井へ
ふわりふわりと上っていった
仰向けのベッドで
それが弾けて消えるまで
ぼんやりと目で追っていた
ここに置いたはずの眼鏡は ....
さなぎになることにした
沈黙と言う薄い布をまとう
触れないで下さい
生まれる前に蝶が死ぬわ
平らな地面で
あなたのほうに転がって行ったら
笑われてしまう
一度しか刺せないとしたら、誰を刺す?
助手席で
彼女は妖しく微笑む
一度だけなら、いつまで取っておく?
ちょっと待って
いま両手がふさがっているんだ
前輪がひとつ足りな ....
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