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キャベツ畑の真ん中で
僕らまるまっていた

傷つきやすいいろいろを
幾重にもくるんでいた

いたずらな風にあおられて
隠していた顔をのぞかせると
そこには海が広がっていた

一歩も動けずにいたのに
海 ....
     妹

次郎の妹は、だいぶ前から次郎にしか見えなくなっていました。
次郎は最初の頃、自分には妹が見えるのだと喜んでいましたが、お父さんやお母さんが、次郎が見て見てと言うたびに泣いてしま ....
頼りない指先で
ちょうちょ結びをしてみせる

羽の大きさをそろえようとすると
紐の長さがあわなくなって
悔しそうに
また結び直している

手をつないで歩くとき
からめた指がほどけない ....
肩にまわした枝先から
次々に花が咲くように思えたのは
良く晴れた陽のまぶしさでなく
あれはそう
池のほとりから身を投げ出して
舞う花びらをつかまえようとした
少し危うげな
それでいて柔ら ....
少しだけ悲しいお話をしたあとに
あなたは
少しだけきれいになったようでした

まるでいいことばかりじゃない
そんな嘆きを語っていたわけではなくて
これから先のことをからめて
あなたは
 ....
(お金なんていらない)

昨日、100円のおにぎりが買えませんでした。
財布の中には104円あっても、
税込み105円のおにぎりが買えませんでした。
コンビニの店員さんは残念そうで、
僕は ....
小学校4年生のとき
はじめて「せっくす」という言葉を理解した

小学校5年生のとき
クラスの女の子に
「ねぇ せっくすしよっか」て言われて
股の間をさわられた
赤くなって黙った ....
始まりの声に耳をすませば
それは静かでも力強いことに気づく

あなたは
不確かな未来を希望にからめて
堅く結んだ約束を口ずさむ
こぼれたいくつかは落下して砕け散っても
受け止めたいく ....
君はとろけるくらいの未熟さで
むきだしな僕を包んでくれる

その優しい色は
あざやかでなめらかな感触
デミグラスソースの中に沈みそうになっても
小さな浮島のように寄り添って
深い味を奏で ....
僕は転がる

傷を負い
痛みに耐え

自分を抜け出せば
それで終わりにできるけど

まだ転がることができる

昼下がり
陽射しを避けて歩く公園の道
眩しさを縫うように進むとき
 ....
はずむように近づいてくる
あなたの息は白くない

コートは着てこなかったよ
と言って肩をすくめる姿は
想像よりも少し小さく見える

はじめましてとはじめましてがぶつかって
どういたしま ....
耳元で
指に巻かれた髪が
音もなくほどかれるとき

少しの沈黙が欲しくても

あなたは
何事もなかったように話をつづけて
僕は
一語を味わうゆとりもなくて

また
その髪が
 ....
静寂が満ちるのを待つ

あなたは
広げた想像の張力に身をゆだねて
空を映す水面に静かに浮いている

手のひらをつぼみにして
ゆっくりとふくらませるとき
わずかな空間の揺らぎが
水中を ....
天気のいい日はたまらない

家からは出ない
窓も開けない

 (つらいのだ)

去年の夏は猛暑で
「来年の花粉はひどいでしょうね」と
誰かが言っていた


   *


 ....
水平線を断ち切るように
僕らはときおり空を見上げる

加速してゆく時代は
小さな出来事をかき消して
紙の上の真実も風に飛ばされてしまう

渡り鳥が
故郷を忘れないでいられるのは何故だろ ....
傷つくほどに赤は流れ

与えることなく緑は枯れて

見上げることを忘れ青は沈んだ


いろいろを手放しても透明は訪れず
白い紙に黒い文字を並べれば


溶け出した灰色に
埋もれ ....
しあわせ村の村長さんは
昨日のことをすぐに忘れる

村の人口は減少してるのに
新しい学校をつくり
新しい文化会館をつくり

そんなこともすぐに忘れて
今は道路をつくることに夢中だ

 ....
僕の名前はベンジャミン。
ある日散歩していたら、ガラスの靴をひろってしまった。
おお、まさにシンデレラストーリーな展開だ、と思って、さっそく街にくりだしてみた。あからさまにガラスの靴を掲げながら、 ....
煙が這っている

吸殻 だとか 灰 だとか
抜け殻 だとか カス だとか
置き去りにして
きれいに消えてみせる

そんなふうに居なくなるなんて
ずるい
ただただ ずるい
儚さだけを ....
一度降りたら乗り込めない通勤快速
今日も僕は力負けしてドアの外
入口付近の乗客が寂しげにたたずむ僕を見送ってくれる

  さようならみなさん
  僕は今日も迷宮を歩きます

そうなんです ....
人生の縮図を一枚の写真に托そうと
カメラを持ち出した午後

通い慣れた公園の道を黙々と歩いてゆく

木陰をなぞるようにしながら
景色に目を奪われることもなく 

いつしか長い上り坂の入 ....
あおばさんのベンジャミンさんおすすめリスト(201)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
キャベツ畑のヨット- ベンジャ ...自由詩5*05-4-16
短い読み物を2つほど・・・_良かったら読んでください。- ベンジャ ...散文(批評 ...6*05-4-14
約束- ベンジャ ...未詩・独白5*05-4-12
桜の木の下で- ベンジャ ...自由詩905-4-5
少しだけ悲しいお話をしたあとに- ベンジャ ...自由詩31*05-4-3
お金なんていらない- ベンジャ ...自由詩10*05-3-30
きたないもののように- ベンジャ ...自由詩10*05-3-29
四月になればあなたは- ベンジャ ...自由詩22*05-3-28
オムライスな関係- ベンジャ ...自由詩13*05-3-26
僕は転がる- ベンジャ ...自由詩6*05-3-21
そうやって春は来た- ベンジャ ...自由詩1305-3-14
ほどかれた髪- ベンジャ ...未詩・独白605-3-9
睡蓮- ベンジャ ...自由詩3805-3-7
花粉症- ベンジャ ...自由詩8*05-3-1
南セントレア_(離陸)- ベンジャ ...自由詩7*05-2-28
- ベンジャ ...自由詩705-2-27
しあわせ村の村長さん- ベンジャ ...自由詩10*05-2-26
シンデレラとベンジャミン- ベンジャ ...散文(批評 ...5*05-2-25
儚さで満たせばいい- ベンジャ ...自由詩5*05-2-25
迷宮- ベンジャ ...自由詩3*04-12-27
落日- ベンジャ ...自由詩6*04-12-26

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