すべてのおすすめ
春の気配を漂わせても
外はまだモノトーンの景色
窓辺
揺れる裸の枝先の
まだ開かぬつぼみ
食卓を飾る赤は
花瓶に押し込められた薔薇
生気のない色はイミテーション
ならばまだ ....
何処でもない場所は
何処にもない場所ではなくて
そこには一輪の花が咲いています
それはとても美しく咲いていて
なかなか近づくこともできなくて
あるとき鳥が一羽やってきて言いました ....
かた目をつむってご覧なさい
指先に抱えた透明を
明るさに透かして見えるのは
ある日の空や海だったり
はたまた宇宙のように綺麗でしょう
その水結晶の輝きは
確かにあなたの瞳の薄い ....
「西高東低の気圧配置はしばらく続くでしょう」と
天気予報のお姉さんが
カメラ目線でうったえている
僕はコートを羽織って
襟のホックを上手くかけられないまま
仕事へ行こうと玄関へ向 ....
降りつづく雨は涙であるという
土をさらい根をあらわにして
僕の虚勢を暴いてゆく
両手を広げれば
僕はまるで木のようであるのに
こんなにも簡単に倒れてしまう
水溜まりには
強が ....
あの海になろう
あの森になろう
さかなたちのいる
けものたちのいる
いのちのある
かつて私を生み出した
波をうねらせ
梢をゆらす
風
力強く
両手をひろげ
すべてを抱 ....
「僕」という種をまいた
「僕」が芽を出して
高く広く枝をのばし
深く遠く根をはって
空からも大地からも
みんなを見守れるように願った
「僕」という種をまいた
....
塾の講師になって二年
はじめから
教えられることなど
何一つなかったのかもしれない
今日も一人の生徒が
僕のもとを去ってゆく
「高校へ行ったら、此処へは戻ってくるな ....
ほら、あんなにさがしていた空が
ここにはたくさんあるじゃないか
気まぐれな
ときにはどしゃぶりで泣きついて
ときにはからっとした笑顔をくれる
ほら、あんなにさがしていた空が
....
ごらん
きょうも
きらきらと
ゆきがふっている
まどガラス
いちまいをはさんで
そとはさぞさむいだろうに
それがうつくしくかんじられるのは
ぼくがうちがわでながめているからだろう
....
星の言葉 降る降る
空の端から
投げかけられた 放物線
かすめていったひとかけら
こぼれて描いた その軌跡
ほんの少しを呼吸して
小さな夢を叶えるために
届くといいな 流 ....
鉢にペチュニアの種をまきました
とても とても 小さな粒で
「大丈夫かしら」と心配なくらいで
でも
僕にはどうすることもできないのです
僕が種をまかなかったら
けして咲くこ ....
病院の古い長椅子は
もうすっかりガタがきて
座るとギシギシと
独り言でも言ってるみたいだ
そこにはいつも
お爺さんやお婆さんが座るから
僕はめったに座らないのだけど
ちょっと興味があ ....
先生、あたし気がつくとコンパスの針で手を刺しているの
ぽつんぽつんと赤い点が、やがて一本の線になるまで
先生、あたしその血を舐めると少しだけ安心できるの
一瞬の痛みがはしるたびに、何処かの記憶が ....
ある日
「生きることは汚れてゆくことだ」と
あなたは言いましたね
その言葉の意味が分からなくて
僕は不安になりました
またある日
「人の心はダイヤの原石のようだ」と
あなた ....
退屈が僕を殺す
単純なことほど難しく
複雑なことは解らない
無器用なことを言い訳にしながら
今、退屈が僕を殺そうとしている
出来ることと出来ないことの境目には
いつも壁があるか ....
世の中が
あんまり酸性雨だとか騒ぐので
雨が降るたびに身体が溶けてしまいそうな
そんな不安に怯えている
あなたは
自分の弱さが何であるのかを
知りたいようでいて本当は知りたくな ....
弱酸性のあなたは
ちょうど中学で習った化学の実験みたいに
たとえば夏の終わりの夕暮れが
ほんのり赤く色づくのを
美しく感じたりする
弱酸性のあなたは
ときどき褒めてあ ....
「とうもろこし」って言えなかった
小さい頃
どうしても
「とうもころし」になってしまって
ゆっくり言ってごらんよと言われても
やっぱり
「と う も こ ろ し」って言ってしまう
....
背景のない明日が
夕暮れを透かして見えそうな頃
閉ざされてゆく今日が
夕闇にかすんでゆく
そんな当たり前のことに
淋しさや儚さを感じるこの心
あるいは美しさを見つけようとす ....
各駅列車がゴウンとかガタンとか
あんまりうるさい音で行くので
旅の記録も記憶も
まるで陽炎のように歪んでしまいそうです
最近では冷房がしっかり効いていて
天井の扇風機はすっかり黙って ....
何処かへ行きたい衝動が
どうしようもなく高まって
東京タワー
エレベーターに運ばれた展望室
見下ろす景色
何処かへ行きたい衝動が
どうしようもなく高まって
東京タワー
此処から先へゆくことも ....
雨があんまりたくさん降ったので
ひとつふたつと数えるのもあんまりだと
仕方なく濡れてみる
そうでなくとも独りは淋しく
雨雲は灰色の陰から
あれはきっと汗や涙に似たもので
此処は海に ....
空は青く澄んでいた
雲は白く大きかった
鳥は軽く自由だった
木々は柔らかくしなっていた
草花はたくましく美しかった
大地は遠く円くたいらだった
海は穏やかに荒々しく
....
わたしは先生をやっている
算数、国語、理科、社会
みんな教えている
それはきっと
わたしが彼らより先に生まれたからだ
子供たちは勉強をしている
将来の夢を尋ねても
返 ....
夜はどんなに暗くても
わずかな光を失うことはなく
たとえば混沌を鎮めるために喜怒哀楽があるように
生き物もそうでないものも
みなわずかな明るさを忘れない
銀河に浮かぶ星々は
途方もなく大きな輪を ....
もうちょっとなんです。
海鳥の白い背中が雲間からこぼれる陽を滑り、調度波の波長と重なるようにゆるやかに漂っているのを見ました。
(白い午後)
波打ち際には、打ち上げられたクラゲがゼラチン ....
砂浜で波とたわむれる
あなたを見失ってしまいそうで急いでかけよった
あなたの白をたどれば
その薄紅色の唇に広がってゆく海が見えてしまう
景色はうっすらと朱に染まろうというのに
....
雨降り立ち尽くして空見上げ
ぱしゃ ぱしゃ ぱしゃ
憂鬱な気分を洗い流して
水溜りにはねる子らに負けぬよう
ぱしゃ ぱしゃ ぱしゃ
水溜りに映る自分をけちらして ....
森の寝息が聞こえる夜
小さな生きものの見る夢は
無塵の砂丘にしみこむ雨の
蒼く芽ぶいた花の種
明日を知ることが堅く閉ざされている
明日を知ることの恐れを知っている
....
あおばさんのベンジャミンさんおすすめリスト
(201)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
薔薇と心臓
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
07-3-7
「何処でもない場所」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
07-3-4
「ビー玉」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
07-2-28
「北風が吹いている」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
07-2-25
「そんな生き方」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
07-2-14
「憧憬」
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
07-2-12
「僕」という種をまいた
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
07-2-9
「ありがとう」と言わせない
-
ベンジャ ...
自由詩
11*
07-2-6
「空がある」_(子供達へ)
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
07-1-25
きらきらとゆきがふる
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
07-1-9
「星の言葉」
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
06-12-29
「ペチュニアの種をまきました」
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
06-12-22
「長椅子」
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
06-12-20
「自殺志願の子供たち」
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
06-11-27
「一粒のダイヤ」
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
06-10-31
「退屈が僕を殺す」
-
ベンジャ ...
自由詩
3*
06-10-13
「弱アルカリ性のあなたへ」
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
06-9-11
「弱酸性のあなたへ」
-
ベンジャ ...
自由詩
12*
06-9-3
「とうもろこし」って言えなかった
-
ベンジャ ...
自由詩
13*
06-8-31
まるで難しいパズルのように
-
ベンジャ ...
自由詩
11*
06-8-20
暑中見舞_(旅先より)
-
ベンジャ ...
自由詩
8*
06-8-18
東京タワーで叫んでみる
-
ベンジャ ...
自由詩
2*
06-8-13
雨があんまりたくさん降ったので
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
06-7-19
「もっと広く感じるんだ」
-
ベンジャ ...
自由詩
8*
06-6-30
「今日という日に」
-
ベンジャ ...
自由詩
10*
06-5-9
銀河の海
-
ベンジャ ...
自由詩
4*
06-5-6
もうちょっとなんです
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
06-4-29
「どこまでも白い海」
-
ベンジャ ...
自由詩
12*
06-4-22
「天気に左右はされないよ」
-
ベンジャ ...
自由詩
4*
06-4-22
今宵小さな星が降る
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
06-4-18
1
2
3
4
5
6
7
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