すべてのおすすめ
白鳥のくび憂鬱な長さなり
一九九五年一二月二六日
E線の震え鳥肌一人の夜
水たまり鳩の屍骸の燃える音
朝焼けの重い銀色2号線
街路樹に木っ端微塵のメルセデス
これも毒あれもまた毒グミキャンディ
青 ....
針水晶の雨に包まれゴスペル歌う
大風が秋の雫を散らすかな
目を閉じた赤子の笑みに触れる花
ひとひらをくちうつしする涙かな
赤子の手何を語るや散る桜
とどまらぬ光の糸をたぐる花
名づけても名づけきれぬ日花 ....
山 吹 の 棘 を 踏 み し め 春 と 修 羅
春 雨 の 部 屋 に た た ず む 目 貼 剥 ぎ
春 日 傘 挿 し て 世 間 は つ ぼ み 待 ....
笹公人さんの歌集『念力家族』http://po-m.com/forum/bookad.php?did=29415から32のお題を拝借してつくったものです。
1.念力
念力の半端にかかり雪解かな ....
バ ス 停 で 誰 を 待 つ の か 時 刻 表
ダ ム の 底 校 舎 の 上 を 泳 ぐ 魚
婚 姻 の 日 も 沈 み ゆ く 夕 日 か な
ふ ....
生きている 缶コーヒーの原材料
暗がりを思い出しても針太く
溶けかかり 泡の底から目立たせる
吸い取った指で通過するバーガー屋
午後の積雪 直角に気づかない
金づちの前に ....
うつし世は春雨なりき芝居果つ
渡り廊下の左右より春の闇
洗ひ髪夜しか逢へぬ人と逢ふ
揚花火仰ぐ横顔盗み見る
首筋に跡を残せし残んの蚊
衣かつぎ妻は家では酔へぬも ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9