森色の波がプールの上を泳いでいる
白っぽいひかりを辺りに散らしながら
沈澱した生命を揺らしている

四角く溜まった小さな地球
夏になったら流されるよ

そこに箱船はないけれど
春がきた ....
 

雨が花の形を整えていく
わたしたちは共通の言葉で話し
共通の言葉で
触れるべき場所に触れる

民家の前にぽつりと置かれたバス停で
傘を差してバスを待つあの二人は
親と子なのだろ ....
蒸し暑い朝
目が覚めた
何もする気が起きなくて
ぐうたらぐうたらしているうちに
ちくたくちくたくと時計は進み
お腹が減ったなあと
冷蔵庫を開けても
何もなくて
ばたんと閉める

カ ....
回り続けて乾燥しきった〆鯖を見つめながら
ロイドは生物が嫌いだった事を思い出す
チキンラーメンに入れる卵でさえ
トロトロしてるのが許せない
そんな女だった事を思い出す
不器用にカクリカクリと ....
きみの目がとりたてて好きだってことではないんだ
そんなこと言った覚えはない
きみだって
不意に
なんてことない仕草に
たとえばYシャツの袖をまくりあげたりする動作に
くらっとすることはある ....
レモンティーの中に入れた角砂糖が
スプーンでかき回すことなく
ゆっくりと溶けてゆけば
それはもうすでに春です
紅色の中でもやを出して
やがてその中にうちとけ合い
春がしっかりと出来上がるの ....
朝起きたら 
いつも台所に立つ母が 
地を這う赤ちゃんになっていた 

家を出て 
電車を待つ駅のホームには 
はいはいのまま赤ちゃん達が並び 
全ての席は座る赤ちゃんに埋め尽くされ 
 ....
小さい頃

雪っていうのは神様が落とした

宝石だと信じていた




人が亡くなって
魂が神様のところに逝く

また人間として生まれ変わるとき
人間だったときの記憶は
宝 ....
真実は二次会にある
アンパンマンとばいきんまんも
水戸黄門と悪代官も
きっと誰も知らない所で
「お疲れちゃーん!」とか言って乾杯しているに違いない
演技だからとかじゃなくてマジで。
黄門は ....
職場にとても変わった人が入社してきた。
出張者の手配をする仕事。
ひたすらJRや飛行機の発券をする仕事。

そして彼女は
聞いてもないことをよく言ってくる。

「わたし、電車が大好きなん ....
冷たい空気
りんごは蒼に染まって
夜を形作っている

街は静か
だれも目を伏せて
雪が降る季節までもう少し

動かない
ホームレス達の息遣いが
白く
空に昇って
月は悲しみ ....
赤い絵の具に緑を混ぜたら
茶色になりますね
それがどうしたと言われても
こまるのですけれども

すっかりパレットが汚れましたね
絵は完成しましたか
ここからその絵は見えなくて
ただ汚れ ....
捨てたつもりはなかったのです
だってこの国にゴミはないのですから
ええ だから 捨てたつもりは全然なかったのです

あのひとの影を いえ あのひとへの愛を
私はあのひとが残していった家にきち ....
     水に流すは あなたのいたみ

     流して晴れぬは わたしのおもい

     春なら雛に のせましょか

     夏なら精霊に のせましょか

     秋なら紅 ....
青黒い、
時と云ふ名の液体に沈み、
我々は進む、
一直線に、
戻ることも、
横切ることも、
かなはず、
唯真つ直ぐに。

流れゆくものは時、
さう思ふのは間違ひだ。

時は一切 ....
大都会
夜を歩くよ
根無し草
ふわりふわふわ
漂うように
煙草の煙は真っ青で
空の彼方に消えてった

大都会
川辺を歩くよ
根無し草
ゆるりゆるゆる
漂うように
街の明かりは ....
少し深い森を抜けると小屋が一つある
表札は流れた月日を感じさせる
窓枠から屋根に向かい草木の蔓が伸びて
何年も掃除をしていないのだろう

もう、誰も住んでいないだろう
とボロボロのドアノブ ....
今を遺す。

色んなものが発展した。
でも、今のこの瞬間は残せない。

音も、映像も保存できるけど、
今、自分が考えてることを全部思い返すのは無理なんだ。

今を考えている内に今が過ぎ ....
http://www.momat.go.jp/Honkan/Modern/index.html

竹橋の東京国立近代美術館「モダン・パラダイス展」に行ってきました。
予備知識なしで行ったのがよか ....
子どもだったあの頃
放課後みんなと遊んでた
空が赤くなる頃
もう帰らなくちゃと
誰かが言い始め
その日が終わるものだった

一人で家に向かうその道で
夕焼けがやたらとまぶしかったけど
 ....
今朝、夢であったお前はやたら無口で可愛らしくて、
パジャマのような上下の服と、
だぶだぶのセーターを着ていたね。
珍しく可愛いめがね姿を見たよ。
カゴを持たずに、腕に牛乳やパスタ弁当を抱 ....
ここまで来られるなら来てごらん
あはははは
お酒は要らないし麻薬だって必要ない
強烈な光線が肉体をつらぬく
飛翔 飛揚 昂揚 上昇
墜ちるまでは飛ぶだけさ

遠く眼下でオレン ....
額の汗を無造作に拭うあいつより
きれいに畳んだハンカチで汗を拭う
そんな男のひとに憧れてしまう
えっと…そんなひとなら
細い指先に挟んだボールペンを
くるくる器用に回したりして
わたしのこ ....
真珠は白くて綺麗に丸いからキライなのだ
かわいげのないそのコドモは
そんなふうに思っていたものだったが
世の中には白くない真珠もあれば
丸くない真珠もある
そのコドモは
真珠そのものよりも ....
 車両の硝子越しに夜の街を眺めてぼんやりと揺られていた
車両が地下にもぐると街が写っていたところに不意に自分の顔が重なって見えた
 疲れた顔だ 夏なので汗ばんでいたし
眠そうな目は滲んだ青い ....
もういいと
何時からだろう
硬い殻に閉じこもった
わずかの養分と
わずかの水分とを持って
硬く硬く閉ざした

もういいと
放っておいてと
何時からだろう
光に触れないように
 ....
雨が止みはじめた頃に、
傘を差しはじめてみた。
びしょ濡れになって傘の下、
僕は何かに守られていると強く感じる。
道の向こう側から、
少年が歩いてくる。
あの懐かしい長靴の黄色が、
僕の ....
進めば進むほど息が切れる

額には汗

なんだか視界もぼやけてくる



それでもね

登るんだ

ここは上り坂

登りきったら

きっとそこには

素敵な明日が ....
いっしょにかえろうよ
大切なことはいえないけど
あの赤いサボテンみたいに
上をむいて、少し笑って


いっしょにかえろうよ
夕暮れの空き地の声
もうあえない人の歌
空元気なんて初めて ....


いつまでも、
溶けそうにない
って、 思えてくるの。
この雪の 白い場所で
あなたは ぼくを。

大きな瞳の奥には、
雪の風景、と
ぼくたちが、
マッチングせ ....
よだかいちぞうさんのおすすめリスト(136)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
春のプール- 七氏自由詩210-6-6
抜け殻- たもつ自由詩2210-6-6
(夏休み)- ゆうと自由詩5*07-7-24
テトラポットの上のロイド- 虹村 凌自由詩5*07-7-22
瓶底眼鏡- 佐々宝砂自由詩8*07-4-24
春の角砂糖- ぽえむ君自由詩11*07-4-16
夢_〜赤ちゃんの国〜_- 服部 剛自由詩8*07-3-21
雪の記憶- 愛心自由詩14*07-1-16
二次会の世界- 新守山ダ ...自由詩14*07-1-16
トーマス- ごまたれ自由詩69+*07-1-7
BlueApple- マッドビ ...未詩・独白6*06-11-21
汚れたパレットのソネット- 佐々宝砂自由詩1206-11-15
ゴミのない国で_リターンズ- 佐々宝砂自由詩906-11-15
創書日和「流」__流して、流れて- 逢坂桜自由詩11*06-10-17
創書日和。流_【Free_fall_flow,_river_ ...- 佐々宝砂自由詩706-10-17
創書日和「流」- 虹村 凌自由詩4*06-10-12
歯車- 海月自由詩1*06-10-7
遺すもの- ゼッペル ...自由詩206-10-1
東京国立近代美術館「モダン・パラダイス展」- 青色銀河 ...散文(批評 ...1+*06-9-30
子どもの頃の夕焼けは- ぽえむ君自由詩17*06-9-30
夢で会えたから素敵なんだよ- 虹村 凌自由詩2*06-9-20
陽気なイカロス- 佐々宝砂自由詩506-9-12
ハンカチ王子はお好き?- 恋月 ぴ ...自由詩29*06-8-23
真珠腫- 佐々宝砂自由詩506-8-17
Make_it!- マッドビ ...未詩・独白206-7-13
- マッドビ ...未詩・独白306-7-10
ある雨の日、君の弟は。- 葛西佑也自由詩26*06-6-18
「_坂道_」- 椎名自由詩1*06-6-8
いっしょにかえろうよ- 昏(ヤッ ...自由詩6*06-6-8
_お_ん_な- 葛西佑也自由詩17*06-6-4

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