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海へ倒れる曇を見ている
曇から生まれる鳥を見ている
降りそそぐかけらと水の柱と
波をついばむ音を見ている


道の上の羽と屍肉
夜になる曇
夜になる曇
羽と共に降りる曇
 ....
少し大きな動物が
足元に横たわってる
景色にあるどの線にも
斜めになって
昨日からの続きのように
滑らかな呼吸をしている
その鼻先から
しばらく行ったところを
とうがらし売りの少女が
 ....
コンビニの店員は仏頂面で言う。
夏が終わった。
夏が終わった。
夏が終わった。
夏が終わった。

恋人は時々お前はどっかに行ってしまいそうだ、と言う。
事実、私はシチリアに今すぐにで ....
みんなはすぐ
「今日はなにもなかった」っていう


ハロー、ハロウィン、ハローワーク
ハロー火星人
そっちもなにもないのかい?


ヘルツを合わせてよ
僕ら
すぐに受け取 ....
部屋の中で
結実することのない植物の鉢植えが
かたむいて伸びきっていて
高架下のスーパーマーケットには
南の島でもがれた果実が並んでいる
光にとばされた道路の上から
ガラス越しにくわえ煙草 ....
なんか嫌な予感がして
目を覚ました。

ら、オッサンが枕元に正座しており。
めんどくさいけど突っ込んだら神様だって言う。

これ水木しげるの世界きたよ。
貧乏神か貧乏神だなと問い詰め ....
ねえ、
地下鉄の中の私の中の
柔らかい容器を満たすアルコールの中でゆらゆらする
ぬるい両生類みたいな内臓が既に私を憎むことを始めている
グヮ、グヮ、グヮ、そうだ ....
鼻先に突き出してやると
給食の匂いに
ひょいと頭だけを出す
小さくあくびをして
そこでは伸びも出来ないだろう
机の中の猫

小学生の夏、4年目の
算数の教科書を探そうと思ったら
手を ....


わたしの住む町にはトンネルがある
トンネルはぽっかり口を開いて
雨の日にも晴れの日にもただ
怠惰そうに横たわっている

トンネルってなんだか産道みたいだ
トンネルを通り抜けるとい ....
いちご牛乳が
太陽の上で
たまご焼きというか
目玉焼きに
ひっついていたので
ひっぺがそうとしたら
ぎーぎー鳴いて
たまごと一緒になって
かたまりかけていたので
もっとひっぺがそ ....
数多のあなたから
発信されることばに
わたしは固くまぶたを閉じる
それらを愛さないために

西側の、部屋
窓に切り取られた風景のなかで
遠く稜線がたそがれてゆく
そう
書いたときには ....
世界の中心はマントルだという事実に
ぼくはすこしだけ救われたような気がする
目をこすって目ヤニを落とすと
朔ちゃんとの思いでもひとつずつ
オノマトペでも表せない音で
それはあたり前の日常のよ ....
モノクロの額にうすく伸ばした極彩色をはめ込んでゆく
混じりあったあとにできた灰と銀だけがぶれ
ほの暗い海月の夢が姿をあらわす

ゆら、ゆら、ほてん、ふらほてん
きみを許す

砂漠と深い森 ....
双つの雨音を右目にもどし
煙を数えて夜は明ける
みな何かをすぎてゆく
みな何かを置いてゆく


欠けた娘を肩にのせる
鏡の向きがいつもと違う
欠けた娘を肩にのせる


 ....
七月になりたい
すべてを消しつくす激しい雨と
すべてを輝かせるいちばん眩しい陽射しと





{引用=個人詩集「透明塔より」掲載}
夏の朝
白いテラスで
ラジオが唸ってる

はるか頭上の風は
あまり動いてない
雲も眠ってる
テーブルクロスも

キッチンから
また君がドーナツを揚げる音と匂い
揚げたては好きだけ ....
フラットしたまま
夕暮れていく
音楽室からは
いつも
音のない
演奏会

放課後に
わたしたちは
どうしようも
ないほどに
透明で
同時に
不器用な
温度で
つま弾いてい ....
「序詞」

ゆりかごの中で
小さな戦があった

理不尽な理由とプラントが
長い海岸線を覆いつくした

けたたましくサイレンが鳴り響き

その海から人は
眠りにつくだろう
 
 ....
すれちがいたち
ひびきたち
ある日ふたたび
はじまるものたち


雨のなかの火
海辺の火
生きものに囲まれ
朝の霧を燃す


髪の毛から見える
耳の応え
ひらい ....


その女の子は
押し入れを
殊の外おそれていたそうです

戸を開けるときの音が
怪物の唸り声に聞こえると
そう言って
決して自分からは
押し入れに近付こうともしませんでした
 ....
あたしは河だった。
両岸の、
親族と参列者を満たす河だった。
あたしは、
泣いて、
泣いて泣いて泣いた。
やがて涙は両岸に溢れ、
氾濫し、
洗い流した。 ....
雨が
雨らしく降って

「男」と書けば
身を守れると思ってるらしいが
マニアには
見破られている

わたしは
蒼アザができていたことも知らずに
あの子とSEXできたらいいなって
 ....
 
バスに乗る
名前だけが剥がれていく
何かの間違い、というより
むしろ略式でも正しいことであるかのように
良かった、わたしたちは
バスに乗られることがなくて

席に座り
バスの一番 ....
暑い夏だと、手がひとりでに動く。
発せられなかった声も、潮風の涙腺にとけて。

装飾のための深い窪みまで、
透き間なく、枯れている、古い桐箱に眠るフィルムを、
年代物の映写機に備え付ける。
 ....
 
 
玄関に傘が一本
ギロチンのように
あった
昔こんなもので
人が酷い目にあったのだ
と信じられないくらいに
静かな朝だった
やがて傘は
扉を開けると
仕事机のような格好にな ....
通り雨を
息継ぎしながら
ぼくたちは急いでいた

離れることを
急いでいた


 手のなかの熱は
 次から次へ
 一秒後

 つよくなろう、と
 {ルビ翳=かげ}りをひそ ....
碧に緑で描かれた円が
四羽の鳥となって飛びたつ
地には器と光が残され
祝いの言葉に響きつづける


泣いてはめざめ
泣いてはめざめ
水をほしがる子の手を握り
しずくの径に消え ....
 
 
水底に
動物園はあった
かつての
檻や
岩山を
そのままにして
いくつかの動物の名は
まだ読めたけれど
散り散りの記憶のように
意味を残してなかった
あなたは月に一度の ....
みち子さん 私は忘れない
あなたの白無垢が 石炭色に染まった日を

あの日 あなたは
彼といっしょに 旭岳のてっぺんに たどりつき
おにぎりを広げたときよりも
もっと高い山の頂にいた

 ....
小さな影に
小さな水が触れ
小さな手のひらのかたちとなり
雨の木陰に結ばれてゆく


風を後ろに
花はひらく
ひろく けむる
ひとつ ゆれる


野に落ちる光
川に立 ....
日向夕美さんの自由詩おすすめリスト(31)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
水応記- 木立 悟自由詩707-12-16
少し大きな動物- たもつ自由詩907-10-23
夏なら終わりましたけど。- 菊池ナン ...自由詩2*07-10-23
ハロー火星人- 昏(ヤッ ...自由詩3*07-8-8
果物の匂い- 水町綜助自由詩807-8-3
神様が来た!- 菊池ナン ...自由詩1407-8-1
容器- A道化自由詩607-7-27
あいのねこ- 夕凪ここ ...自由詩1307-7-27
トンネル/天国/書店- 吉田ぐん ...自由詩2107-7-27
いちご牛乳の終わり- 君の、自由詩307-7-26
数多のあなた- ワタナベ自由詩24*07-7-26
世界の中心はマントルだということ- 土田自由詩607-7-25
くらげが触れてしまった鮮やかな未来- 土田自由詩407-7-25
降り来る言葉_XXXI- 木立 悟自由詩607-7-24
七月になりたい- 塔野夏子自由詩4*07-7-21
スイカのスープ- ふるる自由詩14*07-7-20
メロディッシモ- 夕凪ここ ...自由詩1707-7-20
詩群「その海から」(01〜10)- たもつ自由詩31*07-7-17
みどり_よびこ_Ⅱ- 木立 悟自由詩807-7-17
いなくなった子供らの話- 吉田ぐん ...自由詩1307-7-13
「_泣いて、泣いていない。_」- PULL.自由詩18*07-7-13
雨が雨らしく降って- 蒼木りん自由詩8*07-7-12
ひきつづき- たもつ自由詩1807-7-12
包まれる夏の風景___デッサン- 前田ふむ ...自由詩33*07-7-11
パラソル- たもつ自由詩907-7-11
飴細工- 千波 一 ...自由詩21*07-7-11
つばさいす- 木立 悟自由詩1407-7-10
動物園- たもつ自由詩2907-7-9
夕張の花嫁- 池中茉莉 ...自由詩10*07-6-9
緑と金_Ⅱ- 木立 悟自由詩1307-6-7

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