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遊歩しよう
忘れられた花園を
青ざめた果樹園を
影色の桟橋を
空中に漂う墓標たちのあいだを
谺たちが棲む迷宮を
天使の翼のうえを
玩具箱の中を
空へと伸びつづける孤塔の尖端を
傷だら ....
街からすこし離れて浮かんだような
この小さな白い部屋を
うすむらさきの夕暮れが染めて
そして還ってきたあなたが居る
私の知ることのできない
どんな世界を いくつ巡ってきたの
それをあなたが ....
白い午後の中で
心臓は
碧い虚脱の器である

ふいに
その中から
チューリップがのびて
あまりにも真赤な花を咲かす
心臓の中で
春が笑っている

笑っている春の中で
一面のチューリップが笑っている

笑っているチューリップの中で
少年が笑っている

少年の無邪気さが
チューリップを{ルビ ....
丘の上 灰色のあかるさの中に
観覧車は立っている
色を失くしたその骨格を
冷たい空気にくっきりと透かして
ただしずかに廻っている

ゴンドラのひとつひとつに
乗っているのは
かつてそこ ....
君の生まれた十月の国で
うたうように眠りたい

銀木犀のしずかなかおりが
漂う夜気に包まれて

丘を木立をぬって流れる
川のせせらぎを聞きながら

  幼い君が 少年の君が
  夢 ....
夏が去ったあとのがらんどうに
いつしか白く大きな九月階段が出現していて
そして僕らはその段々の上に
蒔かれたように腰かけていた
ただそこで空を見あげていたり
何かを読んでいたり
歌をうたっ ....
沈黙をファイルしつづけた理性は

つぶらな意識をふとまたたかせ

早春の空にくりひろげられる

光のハープを聴いている
唐草フウさんの塔野夏子さんおすすめリスト(38)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
遊歩療法- 塔野夏子自由詩10*17-10-19
帰_還- 塔野夏子自由詩4*16-2-29
春の寸劇- 塔野夏子自由詩5*15-4-25
春_鬱- 塔野夏子自由詩9*12-4-29
冬の観覧車- 塔野夏子自由詩13*11-12-9
うたうように眠りたい- 塔野夏子自由詩7*11-10-31
九月階段- 塔野夏子自由詩22*11-9-11
透_過- 塔野夏子自由詩10*08-3-7

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