うたうように眠りたい
塔野夏子

君の生まれた十月の国で
うたうように眠りたい

銀木犀のしずかなかおりが
漂う夜気に包まれて

丘を木立をぬって流れる
川のせせらぎを聞きながら

  幼い君が 少年の君が
  夢にあらわれてくれたらいいな

閉じた瞼のはるか上の
星のめぐりを感じながら

君のほほえむ十月の国で
うたうように眠りたい






自由詩 うたうように眠りたい Copyright 塔野夏子 2011-10-31 19:51:18
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