詩人は実のところ職業ではない。農民が作物を売って生活費を得るように、労働者が労力の対価に賃金を稼ぐように、詩を売って生活するわけではない。そんな人間は少なくとも私の周囲にはいない。どこかにいるのかも .... 春の雨に隠された怖れを彼女は見ている
幾つものしずくに映る逆さまの世界を
彼女は見ている

からだの動かし方は知らない
時代がかった衣装の代えもない
おひな祭りというものが過ぎて
誰かさ ....
もつ煮込み屋で
黒ホッピーと
さんまを食べる

このはらわたをねえ
日本酒で食べたらおいしいんだよね
それだったら、日本酒、たのめばいいじゃないですか
そうだねえ
そうなんだけどねえ
 ....
夢の中に落とし物をした日の朝
猫になっていた
仕方がないので
夫を会社に送り出してから
家事は明日にしようと決め
日向ぼっこをして過ごし
夜になったので眠った
明日はせめて、猿になりたい ....
素数ばかりの現実を逃れて
羊水に包まれたような充足と安心を
浅い眠りに{ルビ貪=むさぼ}る、朝
休日の

{ルビ繭=まゆ}の内に垂れる
一本の危うい糸に吊るされた体躯を
淡白い光りの方角 ....
父はいつも嘘ばかりついていた。

山の墓の横に開いた穴の下には死体があるとか。
ハチは一回人を刺すと死んでしまうとか。
私は実は赤い橋の下から拾ってきた子供だとか。

いつもそんなことばか ....
現代詩フォーラムの
はじめましての投稿欄に
小川 葉さんの投稿があった
同姓同名なんだなあと思いながら
投稿内容を見ると
すべて脈絡のない
アルファベットと記号の羅列で
ウィルスコードの ....
肩と肩を結ぶ橋がある
とても近いのに
隔たれた距離を
牛が渡って埋めに行く

雲はあんなに白いのに
空の青さはこんなにも切ない
橋から見える景色が
いつもそうだったように
この部屋も ....
 
空をさす小枝のような
父の指に
赤とんぼがとまる
お父さん
声をかけると
赤とんぼを残して
父は飛んでいってしまった
驚かせるつもりなんてなかった
いい年をして、と
笑われるか ....
批評祭から遠くはなれてみる。
アフリカじゃ紛争が終わりそうもないし、パレスチナなんて終わりもまったくみえてこない。
一方で、キャンパスでメシ食ってのうのうとしてる奴だっているし…たぶん私だってそう ....
かつて雑誌「詩とメルヘン」の編集長であった
アンパンマンの作者やなせたかし氏による詩の雑誌
「詩とファンタジー」が創刊された。
http://kamashun.shop-pro.jp/?mode ....
そんなの嘘よ と
ベッドに腰かけた少女は私の目の前で若草色のワンピースを腰まで
たくし上げ秘所を露わにする。不釣り合いな厚手のストッキングを
躊躇なく下ろしそして両大腿に咬み合わさった品質の悪そ ....
田村隆一がいうには、金子光晴の詩の上手さを最初に教えてくれたのは鮎川信夫であったという。
ここでは金子、鮎川のふたりに共通すると思われるある種の感性、
――はじめに種明かしをしてしまえば、ぼくはそ ....
座席の前に立って
席が空くのを待つ人がいるように
このせかいも きっと、

(席の数が増えることは ないのでしょうか)
メメントでクワイエットで今行くよ白い鍵盤飛び越えながら



本当のあなたはピンクレモネードに透ける部分のことだと思う



二次元で暮らしたかっただけなのに知らない人の名前が増え ....
自転車はその肢体を空気の隅々まで伸ばし
僕らのささやかな会話は言葉を放棄して
水の海になってしまった
沖へとゆっくりこぎだして行く
すでに失ったペダルを懸命に踏みながら

陸のいたる所では ....
 詩作品がうまれて、詩集という形になるまでには様々な出来事がある。大部分は詩集を手にする読者には分からない。でも時々それらのエピソードの一部が栞やあとがきに書いてあって読者の知るところとなることがある ....   僕らという生物
        は
        さみしいシステムで動いている
  あまり言うと何だから言わないよ

{引用=
  雨はアスファルトを打ち続け ....
俺、ザムザ
丸くなって寝ていたら
海老になっていた
エビちゃんになってしまったから
もう
仕事には行かなくていいのだ
底に沈んで
苔の類をついばんでいればいーのだ

下半身をゆるゆる ....
{引用=
それは久しぶりに口を開けたのでケーキをつっこんだら美味しそうに食べた
長年口だと思っていたが呼吸もしないし食事もしないので不安だったのだが
こうなれば他に食べるものも調べたいと思ってた ....
 
 
まだ夜の明けないころ
街は少し壊れた
機械の匂いがする
昨夜からの断続的に降る雨が
いたるところ電柱にも
あたっている
いくつかの窓の中には
ささやかな抵抗と
使い古された ....
「ジギタリス・ブラン」


 
オラ、妙な病気になってしもうて、体があんまり動かん。
こう、だんだんにな、体が石みたいに固くなってゆくんじゃて。
もう、治らんそうじゃわ。
やれやれ、 ....
よこでちいさないきがする
とてもちいさな それ

そのひそのひ おんていが かわる
ふしぎな これ
51

手に速度が馴染む
坂道は距離のように続き
俯瞰する
鶏頭に良く似た形の湾に
昨晩からの雪が落ちている
ポケットに手をつっこめば
速度はあふれ出し
また新たな速度が生成され ....
11

ジャングルジムの上で
傘の脱皮を手伝う

またやってくる
次、のために

海水浴の帰り道
人の肌が一様に湿っている



12

ピアノを弾くと
鍵盤がしっとり ....
愛と勇気だけが友達のへっぽこ侍ワタナベのお送りするひとりランダム100人斬りのコーナー
まー侍っつってもさぁ いろいろあるやん? 将来の不安とか 年金もらえねーかもしんねーし
だるめでいくで  ....
「序詞」

ゆりかごの中で
小さな戦があった

理不尽な理由とプラントが
長い海岸線を覆いつくした

けたたましくサイレンが鳴り響き

その海から人は
眠りにつくだろう
 
 ....
すべてのロールプレイングゲームをクリアした後に

俺たちは眠い目をこすらないまま

ラストオナニーをはじめる

すべてのロールプレイングゲームのエンデイング

すべてのロールプレイング ....
◆詩集は目につかない?
 あたしなんざこの年になるまでほとんど詩なんぞ読んだことはなかったわけですが、その理由の最たるものは、「詩集は簡単には手に入らない」これにつきたように思います。
まず書 ....
遮らない丘
ひとつを声に出してみれば
心音
と、一日の間で生れ落ちていくもののような
確かな揺らぎを伴った答えが
僕らの間には流れ込んでいる
広い、広い丘
両手を広げれば満ち足りていくよ ....
氷水蒸流さんのおすすめリスト(168)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
詩人のシノギ(新体詩抄の巻)- みつべえ散文(批評 ...1008-4-6
フランス人形- soft_machine自由詩20*08-3-29
さんま- 夏野雨自由詩57+*08-3-15
夢の中に落とし物をした日- 小原あき自由詩31*08-2-29
君と空へ- 佐野権太自由詩19*08-2-22
うそをつく人- 亜樹散文(批評 ...4+08-2-17
子供の悪戯〜現代詩フォーラム編- 小川 葉散文(批評 ...13*08-2-11
橋の途中- 小川 葉自由詩308-2-9
赤とんぼ- たもつ自由詩2908-1-29
批評祭参加作品■You?- 2TO散文(批評 ...1508-1-29
雑誌「詩とファンタジー」- 木棚環樹おすすめリ ...607-12-28
生還者たち(マリーノ超特急)- 角田寿星自由詩707-12-16
エトランゼの行方- パンの愛 ...散文(批評 ...407-12-6
循環- ねお自由詩1*07-12-1
短歌を書いていたあの時に見ていたものは確かに青い世界だったん ...- ピッピ短歌1107-11-19
会話- たもつ自由詩2207-11-15
詩集に纏わるエピソード_(1)- 深水遊脚散文(批評 ...7*07-11-4
さみしいシステム- ふるる自由詩12*07-10-29
エビちゃんに変身- 佐野権太自由詩8*07-10-25
それに関するいくつかの事象- ピッピ自由詩607-10-17
拝啓、君は元気ですか- たもつ自由詩36*07-10-11
ジギタリス- ピクルス未詩・独白10*07-10-4
いむねり。- 長谷川智 ...自由詩4*07-9-16
その海から(51〜60)- たもつ自由詩1307-8-18
「その海から」(11〜20)- たもつ自由詩2207-7-20
一人ランダム100人斬り3- ワタナベ散文(批評 ...407-7-19
詩群「その海から」(01〜10)- たもつ自由詩31*07-7-17
ラストオナニー- 馬野ミキ自由詩2807-7-10
ア○ゾンでパルプ詩集を売ろう!!- リーフレ ...散文(批評 ...15*07-7-4
駆ける丘- 霜天自由詩807-6-29

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