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「免許を取るには、年齢位の金がかかる」 

誰かさんが言ってた通り 
33歳にして33万という金を 
母ちゃんは惜しげもなく貸してくれた 

二俣川で筆記試験に受かり 
初めて免許を手に ....
茨の針金に囲まれた 
四角い土地に独り立つ、
蒼白の人。 
棒切れの直立で、丸い口を開けて仰ぐ 


  空の浮雲 


{ルビ人気=ひとけ}無い村の入口で番をする
飢えた牛の、細 ....
終電を逃がし泊まった 
ネットカフェのリクライニングで 
寝てる間にポケットからこぼれた 
腕時計を失くしたらしい 

僕等は今日も 
密かに刻む秒針の音に支配され 
忙しなく一日は過ぎ ....
今日も{ルビ賑=にぎ}やかな 
職場の仲間は 
跡形も無く姿を消した 
残業の時刻 

静まり返った部屋で 
ぱらぱら 
書類の{ルビ頁=ページ}を{ルビ捲=めく}りつつ 
手にした判 ....
街を流れる群衆の 
人と人の間に 
彫刻の手が{ルビ垣間=かいま}見え 
まっすぐに立つひとさし指は 
ひとすじの光をおびていた 
長い間 
部屋の隅に折り畳まれ 
埃を被った 
老人ホームの誕生表 

空色の模造紙を開き 
両端に咲く 
太陽の花 

まっすぐのびる 
2本の茎の間に 
お年寄りの名前と誕生 ....
わたしは欠けた器です 
あなたも欠けた器です 
テーブルの上に置かれた 
欠けた器がむきあうと 
さびしいすきまに 
風のふしぎは吹きぬけて 

別々だった 
あなたとわたしは 
ひ ....
「 無 」の風が吹きぬける 
わたしの胸のましろい空洞から 
ひとり・ふたり・・・と 
かけがえのない人影がこちらに歩いてくる 
朝食のバナナをほうりこみ 
口をもぐもぐさせながら 
ねぼけまなこで 
汚れた作業着をはく 

ポケットから取り出した 
昨日の悔しい仕事のメモを 
丸めてゴミ箱にすてる 

窓から ....
らんぷ一つのテーブルに 
湯飲みはひとり 
ねじれた影をのばして立っている  

窓の外から聞こえる 
鐘の音や鈴虫の唄
歪んだ唇を開いた{ルビ縁=ふち}からすいこみ 
器の形のままに入 ....
犀川の 
芝生の土手に腰を下ろし 
静かな流れをみつめていた 

午後の日のきらめく水面には 
空気が入ってふくらんだ 
ビニール袋が浮いていた 

近くで
ぴちゃりと魚が 
跳ね ....
風ノ葉 

こころには 
埋まることなきすき間あり 
葉の揺る茶屋に 
独り佇む 



椀 

{ルビ空=から}の{ルビ椀=わん}
ひかりのにじむ 
底のまるみに 

 ....
リーフレインさんの服部 剛さんおすすめリスト(12)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
免許を取れた日_- 服部 剛自由詩27+*08-8-26
他国の出来事_- 服部 剛自由詩408-8-25
蟻塚の街_- 服部 剛自由詩4*08-1-5
パレード_〜年の瀬の夜〜_- 服部 剛自由詩807-12-28
「_指_」_- 服部 剛未詩・独白307-12-6
誕生表_〜太陽の花〜_- 服部 剛自由詩4*07-12-2
風のふしぎ_- 服部 剛自由詩507-11-25
「_○_」_- 服部 剛自由詩407-11-23
緑の芽_- 服部 剛自由詩4*07-11-13
湯飲の影_- 服部 剛自由詩507-10-3
犀川_- 服部 剛自由詩18*07-6-12
〜金沢小品集〜__- 服部 剛短歌12*07-6-12

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