眠りの先にある風景を知らない
手にしたジャックナイフでは
届かない、刃先
夢をおぼえている、というあなたは
きっと眠ってはいない
暗闇の向こう、世界で起こっていること
肌の外の全て ....
風の便りに乗ってきた あなたのこと
もう忘れよう
寂しいときには月を眺めて
潤う涙の先に乗っかって 夜空を散歩
星は僕を歓迎してくれた
白い朝と供に消え去りし
あなたへの思い ど ....
トイレの中で泣いた事はあるか?
声を押し殺して
友が過ぎ去るのを待ちながら
泣いた事はあるか?
悪臭にゲロを吐きながら
泣いた事はあるか?
俺はあるよ
今もそうしている
だからお願 ....
ボクのココロには、小さな乾燥機があります。
だけど、少しポンコツで、肝心な時に動かない。
パソコンに向かってる時、目はカラカラなのに、
キミを思うと涙が止まりません。
やっぱり ....
おかあさんがね
はじめてかぜをひいたとき
3さいだったわたしは
すごくしょっくだった
ちきゅうがまっくろになりそうで
よるばっかりになりそうで
とにかくこわーくなって
なんとかせない ....
1枚めには
あなたに会える喜びを
風に吹かれて待っている
2枚めには
悲しみが潜んでいる
私のことを忘れないでいて
3枚めには
胸いっぱいの愛を
あなただけにあげるの
そ ....
空がこんなにも 開けて
甘い曇天が ひっそりと退くと
天空から秋の雲が垣間見え
私は視線もろとも 空へ 飛び込んでいる
空中を滑空する 夢
この秋空のなみなみとした 胸
陽光の ....
小石がはねた
みっつめのところで
沈んでいった
それはそれは
穏やかに
すこし左右にゆれながら
底を目指して
落ちてゆく
水面に
たくさんの輪を残して
さような ....
仕事場で
見かけるあなたの周りには
大輪の花にも似た人々が
笑顔いっぱい咲き誇る。
ジャガイモの皮を剥いたことある?
妻に尋ねられ
そういえば
記憶に残っていない
娘が小学校低学年のとき
いもの皮むき みんなでしたとき
血だらけになった男の子がいたらしいよ
娘が ....
それは学校の帰り道
ふいに表れた入道雲のせいで
大きな大きなたまり水ができていた
ふとノゾいてみると
さかしまの街が映っていた
でもよく見ると
私もさかしまに映っていた
反 ....
「金木犀」
ということばは少し宇宙的だね、って、そうやって笑った。
寒くなってきたね、星がよく見えるから。
長袖でも少し寒いくらいの朝と夜、それを理由に手をつないだりなんて、
そうやって、 ....
友達が死んだ
まともな恋愛もしないまま
友達が死んだ
親孝行もしないまま
友達が死んだ
ペットの世話も途中で
友達が死んだ
食べかけのリンゴを残して
友 ....
そんなに 恋がしたいのなら
媚薬を飲んで 人混みへ飛び込んじゃえ
虹の消えるように
面影もまた いつか薄まってゆく
さみしさよりも
そこにあるのは 何
つかめないのに、いとしくて
「思わず」シャッターをおす
早くしないと はやくしないと
....
戦うつもりがないのなら
ナイフなんて捨ててしまいなよ
護ることだけ考えていたら
闘志は衰えていくだけ
空っぽの拳銃使っていたら
ロシアンルーレットは成立しない
命を懸ける覚 ....
聞こえるはずの有線や
隣りの席の喧騒は遠く
耳に響くのはただ
あなたが噛み砕く氷の音
薄暗い照明に
照らされる指先の卑猥さ
子どもらしい仕草はポーズ
いつだってあなたは
....
駅へ向かう道すがら
はいいろをした四本足の生き物が
とぼとぼと歩いていた
( )駅では
列車が遅れていることをみんな知っていて
でも
みんな口をつぐんでいた
恋人たちは
別 ....
手でも叩こうよ
しあわせであっても
そうじゃなくても
しあわせなら
よりしあわせになるように
そうじゃないのなら
少しでもしあわせに近付けるように
できることなら
あなたの ....
風に
揺られる
けして
折れることはなく
風に揺られる
しなって
しなって
狂ったみたいに
しなって
風のないとき
やわらかな光に
輝けば
大昔から伝わる
....
灰色のコンクリートには
ない、ない
としか書かれていなくて
薄紫色の夕暮れには
さあ、さあ
としか書かれていなくて
茶色の地面には
まあ、まあ
としか書かれていなくて
青 ....
椅子の並んだ暗い部屋
映写機の背後に立つ人が
かちっとスイッチを入れる
闇をつらぬくひかりの筒
スクリーンに映し出す
交差点を行き交う
無数の人々の足
試写室の ....
コロッケは生活の象徴
雑然としたテーブルや
家族の遠慮ない声
今日という一日の繰り返し
晩ご飯はコロッケがいいな
ミンチとじゃがいも、あったね
二人でやると早いよね
....
ドラムに合わせ雨が降り
やがて収まると静かに
霧が会場を包み込んだ
うす く うすく
疎らな客席が冷たく
こちらを眺め
舞台を突き刺している
照明は雨霧をかわし
なんとか会場を ....
夜更け
車窓に映るわたしの影
扉にもたれて
窓外を見ても
映っているのは
疲れた車内
電車を降りれば
きっと夜風が吹いていて
わたしをやさしく家まで連れ帰ってくれるだろう
け ....
九月
あなたが好きでした
あこがれの名ばかりを孕んだ
鳳仙花が弾けています
木の葉が
択んで
静かなところへ落ちつくように
黄金の峰からふく風がゆきます
夕暮れがやわく優しく
....
夢のように細い骨で
ぼくたちは生きてきたんだね
愛についてを乞うたのならば
骨と枯れても
幾千
幾憶
そこには声があった、と
想う
....
071005
壊れたカバンを修理する
汚い顔したオヤジさん
キモイ姉さんニッコリと
駱駝の背中でお休みだ
テレビの修理は明日だぜ
これから新宿 ....
『海の中で時計は止まる』
そっと手をつなぎながら
僕ら海に泳ごう
ひと足とびに歌を口ずさんで
思い出の波にゆらぎながら
毎日君に話せなかった言葉を話そう
『羊が手を振る』
....
無いものねだりをするよりはと
秋の白い雲流れる堤防で
ひとり
清貧ということばの意味に思いを馳せる
それはあまりにも懐かしいことば
仄かなランプの灯かりを頼りに
見果てぬ夢を追い続けら ....
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