ガタピシのワゴン車でぶっ飛ばす
モップの台車にバケツたちへ
さっきからずっと唸っている
スピーカーから流れてくる
ぼやけたこうだくみの声は
もう一生分聞いた
螺旋状の道を青白い光り ....
美しが丘5丁目の
Y中学校脇の坂道の頂上で
朝日を、夕焼けを、月を、
もう10何年も眺め続けた
朝日は時に足取りを重くし
夕焼けは時に涙を流させ
月は時に孤独を連れてきた
それでも今日も ....
遠いのは
距離じゃなかったのに
測ろうとしてしまうから
道のりはわからない
暗闇をいいわけにして
風に吹かれる案山子
守る実りは刈り取られ
朽ちていく
それが老いるということだと
思 ....
ものがたりをしよう
こんな淋しい夜更けには
ものがたりをしよう
青いペアグラスは粉々にくだけ
私の心は深く傷ついた
銀のスプーンを強く噛んで
一人ドアを閉じ貝になる
永遠などない ....
中学校の2年だったよね
はじめて、君にあったの
覚えてる?
あたらしい教室に入ったとたん
笑顔に出会ったんだ。
大きな瞳のショートカット
小さな華奢な体
が、きらきら
プロミネンス ....
月曜日
わたしには仕事などない
だけど、うちにばかりいると叱られるから
とりあえず、仕事に行くふりをして
たんぼの畦道をよろよろと歩いた
畦道は細くなったり
太くなったりして
歩きや ....
去年の今日。
2006年の10月26日 昼過ぎに、祖父が他界しました。
祖父が亡くなって、ちょうど一年になります。
祖父が亡くなったとき大阪にいました。
知らせを受けて、
すぐ帰ったので ....
得てすらいないのだから
失った わけでもない
それでも周回数は
二回り以上
べた凪の水面がさざなみ立つのは
街で見かけるラクダ ではなくて
贈ってもいないのだから
とうぜん指輪を探すこと ....
今だけは恋の歌なぞ聞きたくない
矛盾した想い重ねてしまうから
いつもの笑顔じゃなくて
落ち着いた笑みを浮かべて
紡がれる言葉には
貴女の決意が見えたの
船出が近いのね
一緒に笑って
一緒に泣いて
たまには喧嘩もして
すぐに仲直りして
....
冬の夜の
何もない一本道を
包帯だらけの山羊が
針金でできた自転車に乗って走る
かたりかたりと
暗闇に音を染み込ませていた
....
数日後
フランスへ旅立つ友の
亡き母親の面影を
就寝前
闇の天井に想い浮かべる
「 わたしがほんとうに
求めるものは、何でしょう・・・? 」
胸に手をあて念じ続 ....
灰色の下線を見つめて
手がちっともうごかない
言わなきゃいけない言葉は
あふれかけているのに
余計なものばかりが
頭をよぎってしかたない
笑い方とか
泣き声とか
....
世紀末、
虫が電灯で
渦をまいている
暑すぎて
ぼくは蒸発してた
鱗雲に投げかけた
{ルビ地球=ほし}へのラヴソング
小5のぼくは
顔を赤らめて、
夕焼け{ルビ頬=ほお}
....
乾いてゆく風があった
薄れてゆく光もあった
綺麗にされた夏だった
目の前に拡がる
どこか懐かしい景色に
なぜかふるい歌を思い出し
海に腕をさし入れる
かなしみが群れているのは
きっ ....
確かに
迷ってばかりだった
確かに
寂しさ感じてた
確かに
見失ってた
先行するものに不安を抱いて
笑うこと、忘れてた
弱さは歪みを生んで
余計なものを詰め込んで ....
舗道
天象儀
展開
コロイド
眩暈
砂時計
遡及
吊り橋
覚醒
シグナル
郵便船
記号
万華鏡
平行線
庭園
シナプス
散乱
フェンス
溶解
....
人間の「芯」を知りたい 触れたい
そして でかい人間になりたい
今も過去も含めた世界を知りたい
そして
冒険をしたい
全力で生きたい
カッコつけたりせず
小さいことを気にせず
....
北東の風が、強い。
雲は千切れ、崩れていく。
思ったより遠く、ずっと遠くまで、
走っていた。
(誰もいないグラウンドに立ち、空の箱を投げる。誰もいない。投げられた衝撃で箱が開
き、そこか ....
いつの間にか
私たちは忘れてしまった
追いかけっこに
夢中になっていて
周りを見れば
誰もいなかった
ただひたすらに
走っていたから
疲れ果てて
たくさんの時間が過ぎた
数の計 ....
きみが泣くときと
ぼくが泣くときが
一緒だったらいいなって
それだけ
・
約束なんて守らなくていいよ
だからいつでも会いに来てよ
星が見えない夜でも
雨が止まない朝 ....
夏休み前
庭に
ひとつシャボン玉が飛んできた
夏休みが終わっても
そのシャボン玉は
割れずに
そのまま
今日も割れずに残ってる
先週、嵐がきた
昨日も雨が降った
それでも割れない
根性シャボン
ちいさな電車だった
いくつも風景をやり過ごした
乗客はいつも決まっている
新聞のにおいのする父と
たまねぎのにおいがする母
シャンプーくさい妹と
無臭のぼく
電車ごっこの紐は
....
指は
君の小さな生き物だった
どこか
遠い異国の調べみたいに
時おり
弾むように歌ってた
君が僕の指を食む
君が
少し子供にかえる
遠いね、
とだ ....
指の形を覚えている
緩やかな節への流れと
その静かな温度を
ある日私の地平の向こうへと
吸い込まれていった
橙の夕暮れも透明なカラスも
かつてはその指を知っていた
今は置き去りに ....
朝、ぼくの季節は二十五歳で
ざらざらとした空を
東から西へ
たとえそれが夢だとしても
渡って、どんなにボタンを押しても押しても/押しても
改行できないでいます
ぼくが、ベーコン ....
うつぶせに寝る
一週間分疲れたからだを
ほねつぎの先生は
大きい手の親指で
ぐぃっ ぐぃっ
とのばしてくれる
「 マッサージしてもらい
すじがのびると
....
木曜日の朝
いつもより
ちょっと贅沢
差し入れのプリン
大好きなプリン
好きなもの
覚えててくれた親友の
優しい気持ちと
甘いプリン
カラメルのほろ苦さみたいに
....
朝
金色の光が入り込む階段をかけおりて
ゴミを捨て歩き出す
金色の光の中を
喉が潤いそうな朝の空気を沢山吸い込んだ
朝ごはん
ビルやマンションはサングラスに反射 ....
詩を詠おうと鏡の前に立ち
増えた白髪の数を数えた
擦り抜けた散り散りの感傷が
部屋の片隅で溜息を零し
歯に噛んだ笑顔を向けてる
捧げたい言葉があるんだけど
きっと哂い無しでは生まれ ....
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