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雨が決して止まない学校の教室
曜日は無い暗い廊下の突き当たりに集まって怪談話をしている
この空間は永遠だ
無限に続く5分休み 僕らの後ろに先生はいない
教卓やテストのプリント用紙に暖 ....
蛍光灯を一つだけつけた部屋にうずくまっていると
決まって、
片方の触角が無い油虫がわいてきて、
不規則に円運動を繰り返す。
俺も同じだ。
でもお前なんだか可哀想だから殺して良いか?
....
君を想うと
子供の頃つくった秘密基地を
思い出すんだ
草と土のあの中を
しなくちゃいけないことや
しちゃいけないこと
全部忘れて
いつまでもいつまでも
遊んでいた
暗くなったのに ....
一秒
このわずか一秒の間に
地球の中で
数えきれないほどの電子が移動する
それが今という時代
今の時代には今の詩を
それでは
何が生まれるというのだろう
とてつもなく広く速い流れの ....
あなたとあたしの人生が
ごくごく自然に重なって
その地点に綺麗な花が咲けばいいのに
その花があなたの好きな水色ならいいのに
ある日の夏
空にできた波紋は
地上のあらゆるものを揺らした
緑豊かな森も
氷で覆われている山頂も
果てしなく続く海も
一日を必死で生き抜く動物も
せわしく生きる人間も
その波紋に包まれ ....
夢よりも 何よりも お年頃 素敵なこと
空よりも 海よりも パジャマ色 眩しい人
新しい光が 心に突き刺さる
そんな気持ちが好きだよ
ひさしぶりの電話の 声に気づか ....
初めて通る道なのに
なぜだかどこか知っている
誰が通るか知らないけれど
笑顔はどこか懐かしい
ここはもしかすると
故郷なのかもしれない
ほんの短い道だけど
本当はものすごく長 ....
蒼深い川沿いに出来た村は振り向かない
軒先に草の影が乾いて揺れて
ひと足ごとに家一件
山奥へ向かう静かなあゆみ
白藤が一本の赤松を枯らしながら
さわやかな薫りがひろがって始まる
山 ....
森に架かった木の橋に
父は手にしたカメラを構え
木漏れ日と葉陰の揺れる{ルビ袂=たもと}に立つ
妻と娘をレンズ越しに覗いた
シャッターを押した後
肩を並べた三人の後ろ姿は
....
「 この世の外なら何処へでも ! 」
という最後の詩句を読んだわたしは
「 転居先 」について考えていたが
そんな場所は、何処にも無かった。
日常から逃れるほどに
毎夜訪れ
....
路上に{ルビ棄=す}てられて
崩れた米の{ルビ塊=かたまり}
割れた破片のまま
空の雲を映す鏡
何事も無い顔で
わたしはそれらを通り過ぎる
遠く置き忘れた
砕 ....
工事現場に置かれた
大きな平面板は
空に流れる白い雲を見ながら
あの雲のように
自由に流れたいと思った
平らに寝そべっている自分では
風に相手にされなかった
起き上がれば
風を跳ね返し ....
2007/06/02
単純な飛行機を飛ばす
ゴム動力でプロペラを
クルクルと回し
ゴムがゆるむまで
どこまでも飛んでゆき
見えなくなって
ステルス機になっ ....
雨の夕暮れ
うそはまばたき
影の下
ぼくはうそつき
路面をみてごらんよ
路面を
路面を見てごらんよ
路面を
神頼み
なみだはかがやき
空の下
ぼくはうぬぶれ
....
雨雲に覆われた街を
切り取る車窓を眺めれば
まるで僕らは
ネガの中を走っているよう
降り出しそうで
{ルビ堪=こら}えるあの空には
あとどれだけの
時間があるのだろう
始まれば ....
1
鮮やかな生に焦がれて
無意識のうちにこめかみに
魂の弾丸を撃ち放つ
立ち籠めていた紫の煙
視界の中に映るのは
生の匂いを放つ花
前世を占えば
俺は天使
2
....
我が家に
最新型のテレビを入れてみた
だからといって
家族の会話が増えたわけではない
そもそも家族全員が
揃って家にいるときはない
増えたのは
番組録画の数だけだった
自分の付き合 ....
一生青春、なんて言わずに
人生には
朱夏
白秋
玄冬
とあるのだから
たまには
真っ赤に染まる夏も
白くおおらかな秋も
奥深い黒の冬も
あっても良いな
りんりん、と
風鈴が鳴る
目蓋の裏に
広がる風景
日本家屋の
優しい縁側
そうめんに
氷を浮かべて
酢の入った
ところてんは
食欲を誘う
かき氷
甘い匂いと ....
ネコ追いかけて 君と一緒にカフェ
チーズケーキと 君の笑顔が好き
ネコより気まぐれ 君にふりまわされ
それでも良いさ 君と一緒にいたい
わかってるんだろ? 僕が君に弱いこと
気づいて ....
黄金の水を とくとくとく
あわの神秘に どきどきどき
ごくごくごく
ごくごくごく
毎日僕は
繰りかえす
熱くなまった
僕の身体は
どうして君が
欲しくなるのか
....
雨が降ってきた
そんな空にイライラしたのだろうか
家に置いてある
どうでもいいコップを
庭の真ん中においてみた
少しずつ
コップの中に水が溜まってくる
少しずつ
コップの中で雨が揺れて ....
{引用=
しうしう、と
沈黙する。 アシッドに。
並んでいる 夜が逃げる、
山羊の、惰性と 六月。
女の乳房を噛む弦、
GとFを繰り返す
挑発 ....
【おとなのための童話】
あなたは、スキマは好きですか。たとえば、大切な人とのスキマはどうですか。
あるところに ひとくみの 恋人どうしがおりました。
ふたりは おたがいの間に生 ....
鰤の照り焼きが食べたい
ていうから
作ってみましたけど
うっかりして
お焦げ風味になりまして
えへへ
へえ、
ぶりって
『鰤』って書くんだねぇ
なんの先生なんだろ
だれが魚に尊 ....
?
祭りが始まった
それは緑の旗をかかげ
歌うのは風ばかり
踊るのは風ばかり
萌え出た命の露を
しとどに湿らせ祭りは始まる
?
若葉揺れて 君の髪のように
や ....
あなたのまえでわ あたしはうさぎ
どんなちいさなひとことだって
このミミにびんかんにひびいてしまうから
きずついたり しあわせだったり
おちこんだり ....
はるのひなたのタンポポみたいに
ぱっとわらったキミのもとには
しあわせはこぶ きいろいチョウチョが
ひらひらと ひらひらと
....
一
春をあげるよ
ツバキの葉にうっすら積もった春を
人差し指でそっと集めて貴方に
栞にしてみてはどうだろう
本を開くたび春の匂いが漂うように
カーテンにしてみるの ....
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