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夕闇を鋭い牙で引き裂いて千里を走る春の雷音
ふたりして腐乱すパンを食べながらあっちの世界へ横断歩道
雨が降る詩と死の間にしとしとと鬱りゆく目に彼岸花燃ゆ
田園の中であなた ....
ゆふぐれに君とふたりで春の墓地ここでひととき幽霊しようか
「五千年前の約束忘れたの?」花火しながら妹が問ふ
昆虫がふたりの為の出会いなど知らづに運ぶ花粉かな
警報機こわし ....
ゴヤゴヤしていると
頭の中で巨人や人喰いサトゥルヌスが
ぐるぐると回転していて
窓を開けて
空を見上げれば日曜の午後みたいな
美しい
星空だった
結合した雪の結晶体が
春に降ることがないように
満ちることの重大さが
人生の背後に潜むのだ
荒れ狂う恋の嵐とは
また別のところでの
生殖
ことばはなく 有無はなく
未天地での選 ....
焼 き 魚 泳 ぐ 世 界 は 詩 の 世 界
前 世 で の 僕 ら ふ た り の 墓 参 り
夢 枕 寝 グ セ で 立 っ た 先 祖 さ ま
ね み み み ず 寝 間 着 ....
誰かが扉を開け去っていった
レモンが置いてある部屋に
出し抜けに押し寄せる大量の泥
僕だけが
部屋にいないので
どうすることもできない
二頭の馬が夜の中を歩いている
病院の屋上で
君とあやとりをする
君が欠伸をして僕が瞬きをする
飛行機
カブト
ネクタイ
しっぽ
象のような鳴き声の強風が吹くと
君の髪がボレロ ....
信号機青から赤に変わるごと雨の中咲く紫陽花な君
水死体に隠されたラヴレター燃えることのない恋の終焉
スリープしながらないあがら滝に美体花季たぎりましょう世界を
何もすることがないから
土を掘っている
素手で掘っていると
爪の中に土が入って
指先が赤く腫れてきたので
彼女を呼んだ
小さなスコップを手に
彼女はやってきた
何が出てくるかな ....
飛行場だった廃墟に忍び込むと
僕は思わず
飛行機になってしまう
両手を広げ
雑草の生い茂った滑走路を
全力疾走
夜風は冷たくて気持ちがいいな
思わず顔が微笑んでしまう
いつの間にか「キ ....
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