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丘の上の{ルビ叢=くさむら}に身を{ルビ埋=うず}め
仰向けに寝そべると
空は、一面の海
宙を舞う 風 に波立つ
幾重もの{ルビ小波=さざなみ}を西へ辿れば
今日も変わらぬ陽は ....
いくつ部屋に散らばった欠片を
集めて抱きしめれば
キミと同じ感情を共有できる、
今日の喜びを昨日の悲しみを
どれだけ集めれば
キミと寂しさを判り合える、
いつか違う鼓動 ....
きみが 大の字に
野に
うつくしく
ひらいて ぼくを
招いている
わたくしは、
そ知らぬ仕種で
かおる紅茶をなめる。
風に頁がめくれようとも
見果てぬ大空が翻ろうとも
わたくしは、
そ知らぬ
今日に
ほころび
いつかあえる
光子の微笑む
丘の上 ....
今日もまた一日を不完全に過ごす
なにも完成せず通り過ぎるだけの
長い一日
昨日あの娘は一日を完成して
嬉しいよお、嬉しいよお
と云って
何も残さず死んでしまった
彼女は ....
君の 香りが残る枕に 顔を埋めて
今日一日の 奇跡を祈る
僕の ささやかな ささやかな 儀式
遠く遥か向こうにいる 君の笑顔を
神様どうか 守って下さい
僕にはまだ 全部を守る力 ....
荒んだ感情に とがった心で
向き合えば互いに傷ついていく
しょせん人間はこんなもんだよ
エゴでヒトを傷つけていく
戦のない平和な世界を 望めど叶いそうもない
いつの時代も 戦争や殺人 ....
あなたが 今
辛いのは知っていたけれど
私の涙さえ見えないほど
辛いとは
知らなかったのです
愛情さえ苦痛になるほど
辛いとは
知らなかったのです
ならば
今からの 私は
....
夜の硝子
朝の氷
はやく溶けるのは
(指)
祭壇の上
振り払われた火
煙の行方は
(川底)
ひとつ
かけらが降る
ふたつめは
(手のひら)
....
家出したまま三日も
戻って来なかった日があったね
最近やたらにぼくの背中を傷つけるし
君の綺麗な爪はひどく痛むんだよ
確かに僕は毎日遊んでいるさ
でも誰と遊んで ....
あんたはほんまにきれいに切りよる
すうっていう音が聞こえてきそうになるわ
あんたの血はきれいやな
そこに顔を映すとき
一番うちが奇麗に見えるわ
あんたの切り口を見てると
だ ....
自由に好きなように生きればいい
そんな事言っていられるのは高2まで
社会という荒波に揉まれるうちに
アイデンティティは洗い流されてしまう
例えば非力な羊が
群れから離れて生きて ....
カタクて アオクて ニガイ時期
紺色のヨロイを脱ぎすてると
だんだんと萌え出るやわらかい息吹き
開け放たれた扉から
しなやかに たおやかに ゆっくりと
きざはし登る
....
そして日々は
あっち行って
こっち行って
僕らみんな
あっち向いて
こっち向いて
ほい
ほい
ほいほいほい
しっぺ
でこぴん
....
海があった
それは雲だったのかもしれない
美しい景色
雲海という言葉があってよかった
そうでなければ僕はこの海をこの雲を
なんと表現しただろうか
....
私は今日も死ぬ
少しずつ少しずつ私の「何か」は減っていき
私は少しずつ呼吸を弱める
瑞々しい朝の光も
柔らかな夜の闇も
頬を撫でる風にさえ私を救うことは出来ない
もちろん貴方に ....
ぼくは詩人
明と暗は
それぞれ逆があって
はじめてわかる
今日もまた
朝の散歩をしていると
朝影に出会いました
朝日の光の方向と反対に
ぼくがつくる自分の朝影
い ....
冬の芝生の上で
小さなスズメ
たくさん
冬の風 吹いて
小さなスズメ
たくさん
枯れ葉と一緒に
ころがって
風に舞って飛んでった
小さなスズメ
一生懸命
....
頼りなげな細い女が
曲がりゆく細い道を
秋風に揺れながら歩いている
茶色く{ルビ褪=あ}せた{ルビ麦藁帽子=むぎわらぼうし}に顔を隠して
道の上に時は無く
女に年齢というものは無く
長 ....
その花は
涙をあつめた
毬のようで
降りつづく
雨の重さに
身を委ねて
香りもせず
散りもせず
ただうつむき
けれど私は
その毬から零れた
微かなうたごえを
た ....
{過去=きのう}のことがまるで昨日のことのようによみがえる
・・・花びらは
誇らしげに 寂しげに 儚げに
その色を 形を 輝きを
放っているけど・・・
一陣の風 やわらかく包み込 ....
私から風が生まれる
気まぐれな風が生まれる
一瞬 あなたの風に吹かれて
少しだけ 大きくなったみたい
風は吹き止まない
時が決して止まらぬように
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