くちびるの
置き場所を間違えた、夜明け
あなたへと無音で震える春が
無音で体温する春が
祈りを湿らせるので
耐え切れずに申し上げた春が
ぬくく、痛く、ここに
滲み始めるの ....
えてして
感 情 は
報われない
愛し 愛し と
思う
ばかり
?.
ヒヨドリたちが庭に現れる
鳥は歌うものだと思っていた
あれは
叫びだ
桜木町から横浜に向かう道で
君は叫んで
何度も叫んで
アスファルトの上に寝転がって
....
満たされた月が
静まる夜に息をかけ
澄みわたる気配は
、まるで水の中
地に影おく木々の枝先は
水草のように揺らめきたって
浮かびあがる山の稜線で
青さを図る
私は膝をかかえ
天を ....
名古屋から来た君は
動物園通りを抜けて
髪の毛ぼさぼさで
連絡を待つ
ろくでなしの
連絡を待つ
ろくでなしは
その時ある一つのやさしさに抱かれていて
抱いていて ....
名を忘れ鴉にもらう夜明けかな
戸惑えど戸惑えどただつづく道
灰と種そのどちらにもなれぬ我
けだものに寄り添いて笑む夜風かな
終わりへ ....
たっぷりと綺麗なお湯を張り
たぷん、とそこへ身体を潜り込ませた
暖かな気持ち良さが
ほんのり心地よい
綺麗な
本当に綺麗なそのお湯を
手で掬ってみると
遠くの飢えたいの ....
いまだ冬の
凍える朝にも
こぼれる陽光の一筋に
穏やかなる日和を思い
目を細める
匂い召しませ
息つく春を
もう使われなくなった焼却炉
何もかもを焼き尽くす炎のあとを
静かに埋め尽くす緑
{引用=
音もなくオレンジ色に燃える雲
だれかぼくに
手紙をください}
奴隷らの金歯くすます誕生の飛沫
茶したたる階下を泳いで出ていく
土踏む葉に涙し たかが宿命など
足を損い渡せぬ絵画に群れなす御魂
山よりもクレーン高い場所から息
逆流に佇 ....
{引用=よだか、かあいそうよう
かわうそうよう}
四歳のわたしは協会で泣いた
よだかを想って泣いた
かあさまが牧師様に頂いた絵本を
わたしは涙でくしゃくしゃにしてしまった
十八歳は ....
あなたの美しさの中には
その心の傷も含まれている
痛みを知っているあなたの
静かで穏やかな美しさ
春は まだまだ来ないから
ひとりで待つのは
退屈してしまったし
ひとりで眠るのは
とても寒いから
君の体を温めて
私の体を温めて
決して 心ではなく
流れる青
ゆらりと空
昼過ぎる頃
水面のはためきは穏やかです
さりさりと 小さな冬は降りますが
彼はより一層 自由に空を
空と建物の切れ目
闇間にゆくまで
....
あなたは
愛について語り続ける
私は
饒舌すぎる愛を信じない
息がつまるくらい
過剰な愛情
私を1人にしておいて
暗闇を優しいジンベイザメが支配する
捉らえた僕の手首には
哀しいくらい初々しい、空色の首輪
この手首には大きめで
あの首には小さめで
幼い僕らに少し硬めなレザーは
拙く祈る永遠を拒絶する
僕らが飲む薬 ....
白月の珈琲冷まし冴ゆる夜
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