叫びとは
 少女のためにあり
 それを聞くのは
 いつもきまって鳥だった

 少年は歩いている、夕暮れの帰り道
 見慣れた町並みにサヨナラをして
 彼は彼だけの家に帰っていくのだ
  ....
こんばんは
良い夜です


『メメント・モリ』



何時頃からか
死にたい気分になると
身体中から
黒い霧が立ち上るのが見えました

霧は
冷たく
緩やかで  ....
語りつくせぬ
 夢の果て

それは 
孤独という名の
影法師
付かず離れず
あなたの傍に

やがて影は
影に混ざり
夜の闇に
消えていく

傷跡が
やがて消えるように
 ....
石ころが落ちていた
少し透きとおってきれいだったので
拾って帰った
こんなもの拾ってきて
母は決してそう叱らなかった
しばらく手で触ったり眺めたりしたあと
かわいそうだから放してあげて
 ....
あおしんじゅの森は
樹海の森だったし

あたしはその結晶を とても美しいと思った
粒の小さい 白い涙のようなそれは
体に悪いと知っても
飲み込み続けるよりなかった


ゆるい雪のよう ....
なので、
朝食にはレモンを選びました。
細い腕で積荷を忘れられず撫でる、
あなたにはぴったりだと思うのですが。



 あどけない思い出は、見ない振りで通り過ぎ
 ることを許してくれな ....
『過去があるから、未来があり、今があるのだ。
 今があるから、過去があり、未来があるのだ。
 未来があるから、今があり、過去があるのだ。
 今は未来であり、かつ、今は過去であるのだ。』
 ....
丸るい丸るい川原の石を
敷きつめた石の橋
誰もまっすぐに渡れない
この国は丸るい石の国
丸るい丸るい石を流す
見えない先の下流まで

石に疲れて足を止め
動くままの目にまかせる
浅瀬 ....
若さの中に埋もれていたのかもしれないね
乾いた木にもたれかかって
微熱を持った耳に唇を寄せた


それは丁度冷たい風が月明かりをざわめかせたとき
その落ち着き無い立ち居振る舞いが急 ....
   一   秘密の楽園

二人の世界の入り口は
いつだってこの実験室
あなたはそっと私を呼んで
脱いだばかりの白衣を着せた
袖の長さが余っていて
なんだかとても不恰好なのだけど
 ....
灰緑の部屋で 私たちは
話をしている
天井や壁に貼りつけた
太陽や月や星たちを
そろそろ違う場所に
貼りかえようか と

私たちは長らく
この部屋に棲んでいる
いや あるいは
この ....
杖で次の間に導かれた煙と同席

みずからすいと立ちあがり山へ みずを張りに

岸辺の壁椅子で殴り第三の破片

折れるまで陸も日照りも続きます

コーヒー垂れるグラスにバザーの犇めきある ....
め が みえない ひつじ は
おおきく なった なら め が みえるように なる と しんじて いた

だから いつも
あんしん して ひとみ を とじた

ひとみ の なか の くらやみ ....
海は凪いで
時折水面の灯りが膨らむ
こんな場面に身を置くと
ゆめを見たくなる

会いたい、の裏側にある
まだ微熱を残した感情から
目を背けずに
鞄ひとつぶんの希望を詰め込んで
夢のつ ....
春浅き野に花あればいざいでゆかむ

珈琲の苦さを我に甘さを君に

よる波に通ひ路あらず夢にもあらず

きさらぎの朝なほ暗く星すでに夏
まがいものは 百年もたぬ
詩語は 意味をはこばない
わたしらは 修羅であるから
もとめあいながらも ついに
手を むすばない
抽象的な月が照らす暁

足元の地面に這う虫のように

この世界の隅っこで

ちょこまかと迷ったり

始終、立ち止まったりしている

小さな人生の主人公

つまり俺が

感じ ....
泣いたら愛は冷めるのかジョナサン
泣いたら泣いたで
涙を拭ってやれよジョナサン
熱く腫れ上がった瞼に
キスしてやれよジョナサン
ジョナサン

泣いたら愛するのをやめるのかジョナサン
泣 ....
裸身の雪が
ぼんやりとした
遠いほたるとなっておりてくるので

あまやかな
姉の匂いにみたされたまま
結露にぬれた窓の外をのぞく

(紙の野原で北風が笑っています)


雨の日の ....
 母親を失った幼星は甘えるように月に寄り添っている
 両親のいない幼星達は人間達に飼われている
 夜になると空へ飛び出し 
 同じような境遇の星達と新しい星座の形なんかを考えて遊ぶ
 毎日が満 ....
伊勢の南島町
漁師の友達の両親
おばさんは嫁いでから
一度も休みがない

その息子 親友 純 日本人 世界中を回って
ハワイにたどり着いた波乗り くらげに襲われて
 ....
悲しくなって遠吠えすると
風に乗って
色んな場所から返事を貰った

風が生まれるならそれは掌からだ
水面に翳すと波紋が囁き 
耳を澄ませばラピスラズリが唄う
冷たい指先で声を拾って
廃 ....
{引用=





夜は
地の影 海の影



人は
光りのかげ 愛のかげ

青は
心の翳 かなしみの翳



光りは
闇の陰 空の陰

炎は
木の影 風 ....
たとえば
それは、
晴れわたる夢に
やさしい雨がのこした跡
テーブルのオレンジは
断続的におとずれる早朝、
半透明のまま
ころがっていて


方向性をなくした部屋に
ふりそそ ....
夜に出でし月は
右より欠けて浮きつつも
心鎮むる情けありて
ただひたすらに眺むらむ

何をか語らむその月は
暗き空に染むるる色は
今に咲く黄梅と思ほえ
心なつかし

夜に出でし月は ....
愛想をください
愛想を、ふたつ、ください
遠まわしの言いかたで苦しめられない
番号の割りふられない愛想を

つれなくしてください
むしろ、つれなくして、ください
飼いならされた狼にだって ....
しらしらと 明けの天の原 家々は行くように浮かんでいた
まぼろしの城跡 君を攫って
行きたかった それだけのことでした
うにゃーとか
ごろにゃんとかで生きてみたい
そう云うあなたはナマケモノ



ハイエナが
悪者だなんて酷すぎます
一生懸命生きてるんです



ラブレター食べさせられても困りま ....
夢の中に出てきた白いうさぎ
ゆっくり時間を止めてゆくように
振り向きもせず私の伸ばした腕を
そっと摺り抜けて消えて
追い付けない追い付けない

この脚じゃもう走れないのだと
気付かされて ....
序章

薄くけむる霧のほさきが、揺れている。
墨を散らかしながら、配列されて褐色の顔をした、
巨木の群を潜ると、
わたしは、使い古された貨幣のような森が、度々、空に向か ....
汀さんのおすすめリスト(108)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
いち- THANDER BIRD自由詩8+*07-2-16
メメント・モリ- 蒸発王自由詩9*07-2-15
「孤独」という名の影法師- 彌月自由詩3*07-2-14
宝石- たもつ自由詩18*07-2-13
あおしんじゅ- もも う ...自由詩31*07-2-13
食卓- 霜天自由詩1007-2-13
「カーテンコール」- 和 路流 ...自由詩5*07-2-12
丸るい丸るい石の国- ポッケ自由詩1+*07-2-12
ピアス- ロリータ ...自由詩307-2-12
白衣の堕天使- Rin.自由詩25*07-2-11
灰緑の部屋で_私たちは- 塔野夏子自由詩15*07-2-11
アニュメンテ- 黒川排除 ...川柳407-2-11
めがみえないひつじ- moof ...自由詩407-2-11
マリンタワー- 銀猫自由詩19*07-2-10
片歌習作- 佐々宝砂伝統定型各 ...6*07-2-10
そろもん(単独者の話)_- みつべえ自由詩607-2-10
抽象的な月が照らす暁- ジム・プ ...自由詩3*07-2-10
君が泣くまで愛する事をやめないのはジョナサンだけだった- 虹村 凌自由詩13*07-2-10
Blue_Planet_青い星- 青色銀河 ...自由詩1707-2-10
星の一生- はじめ自由詩2*07-2-10
愛のテキーラ漬け- 水在らあ ...自由詩21*07-2-10
遠吠え- 士狼(銀)自由詩12*07-2-9
かげ行- まどろむ ...自由詩7*07-2-9
ブルー、- yuri.自由詩15*07-2-8
夜に出でし月は(「古語の宴」例示作品)- ぽえむ君自由詩12*07-2-7
愛想をください- hon自由詩307-2-7
雲海の家々- ひより自由詩3*07-2-6
たまには炬燵で寝たいんです- 士狼(銀)短歌21*07-2-6
白いうさぎ- AKiHiCo自由詩507-2-6
虚空に繁る木の歌___デッサン- 前田ふむ ...自由詩22*07-2-5

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