すべてのおすすめ
使いが来たら
病院へ行くことになってた
アル中のあなたが
最後に入院した病院へ
肝硬変
だけ
じゃ
ないみたい
だね
いろんなこと教えてくれた
年上のひと
体に心に
消 ....
おともだちとお茶
いいかげんなわたしは
話し相手に
いいらしい
少し欠けた茶碗は
お気に入りのブルー
だから
捨てないで
使ってる
天気の良い日は
遠くへなんて行かないで
....
ねこおやじは
ねこのおやじ
言い換えると
ねこの父
いつも涼しいところで
目をつぶってる
ねこおやじは
エライ
妙に情を
かけたりしない
常に
クール
....
湯船にふたり
浸かる
ほんとはあまり
気が進まなかった
汗と
湯気で
化粧がはげちゃうから
なんかすごく
恥ずかしい
でも彼は
かわいいよかわいいよって
何度も何 ....
肩を抱かれ歩く
どこでもいいよ
着いたところが
わたしのワンダーランド
明るい空
明るい昼間
「うちでいい?」
ってわざわざ聞かないで
どこでもいいって
言ってるじゃん
さ ....
明日のことばかり考えてたら
今日のこと忘れてた
電話もごはんも催促も壁紙の張替えも
全部全部全部
食いつきのいいアマゾンの美魚
食いつきのいいメキシコの美魚
食いつきのいいアフリカの美 ....
ママが呪文を
唱えると
家庭は崩壊
する
その喫茶店は
電車の形をしていて
街外れにぽつんとあって
わたしと彼のお気に入りだった
彼といるとき
わたしは何も知らない
女の子でいられた
彼は
はじめての人だったから
....
路地の暗がりで
キスされた
前頭葉が熱くなって
ぼうっとした
いや、前頭葉じゃないのかも
しれないけど
そして少し
体が
震えてる
とりあえずそのまま
わたしは宴会に戻 ....
一本
二本
三本
指が沈んでる
あなたに触れようとしたら
全部
落ちてしまった
水槽で泳ぐ
さみしそうな指に
ゆらゆらと
水草がからみつく
しょうがないので
エ ....
みんながちゃんと
よけて歩くような穴に
簡単に
落ちてしまう
気をつけて
歩いているはずなのに
でも
やはり
落ちてしまう
穴の中で
「ここはどこだろう」
「暖かいか」
....
空家が
売りに出されてる
もうずっと長く
庭に
小さな
池がある
いつもお散歩をする
通り道にあるので
毎日のように
のぞく
その小さな池には
金魚がたくさんいるから ....
こどもがえへへと笑う
かわいいね ぎゅー
なんてするけど
パパの好きな塩辛
手作りして
「お帰りなさい」とか
言うけど
ほんとは
わたしが
誰のものでもないように
....
今日も良い天気
環状8号線から
ちょっと入ったところ
思ったよりも静かな
住宅地
不思議なデザインの
ブルーのマンション
窓からのぞく
子供の顔に
挨拶しようと
手を振 ....
粘土でできた空飛ぶ天使が
すごいスピードで
逃げていく
青空は遠く
やたらに暑い
ぐらぐら揺れる歩道橋の上で
動けなくなり
足元の床が
抜け落ちるような
そんな気がし ....
久しぶりに
電車に乗ったら
なんだか気になることが
たくさん
他の人が持っているものが
全然わからなくて
「それは何ですか」
と
聞きたくても
聞けないし
仕方ない ....
うちには
おとなと
こどもと
インドホシガメと
魚がたくさんと
植物が
住んでる
あと、死んだものが
たくさん
死んだものはわたしが
清潔で明るいキッチンで
ばしばし料理 ....
入院病棟の生暖かい清潔な
空気を吸いこみ眠る
窓の外に見える
看護師寮では
真夜中にドアが何度も開閉する
夢を見るほど深くは
眠れない午前三時
静かに誰かが走り
病室の前を駈け抜ける
....
眠っている
こいびとの背中に
字を書く
油性マジックで
大きく書く
わたしの名前を書く
そっと書く
忘れられてもいい
あした
もう
ここへ
帰ってこなくても
背中に ....
ああ、晴れた
良かったね
公園には
お友達が
いっぱいだよ
光りと風
埃と喘息
排ガスと紫外線
楽しい楽しい
水遊び
ビスケットの匂い
いちごみるくあめの匂い
だっこ ....
喉から手が出そうな日
何回もトイレに行かないと
間に合わない
朝はバスで
吐いたから
こっそり隠していた
服に
着替える
どうしてこんなに
空が
きれいなのかなあ
わ ....
抱き締めると
温かい
生臭い
小さい
にこにこ
作るのは
とてもかんたん
目をとじて
受け入れる
いろんなこと
目をあけていては
だめ
明るい朝に
プリン食べてね ....
どうしてなのかな
何もわからない
何も知らない
でも死んでいくの
暖かな部屋で
ごはんも食べずに
おみずも飲まずに
お墓はいらない
どこにも
誰もこないで
く ....
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