すべてのおすすめ
目覚めると真っ先に君の二の腕を求めた内側から蝶の刺青を浮かび上がらせるそれを僕はどうして失ってしまったのかほとんど無自覚のまま
本当に美しい言葉は永遠でも真実でも物語でもなくあなたの唇が開いたと ....
父さんはニ層式洗濯機の中で
ぐるぐる洗われている
家族みんなに
臭いって言われるから
姉さんは乾燥機の中で
父さんと同じように
だけどひっそりと回っている
好きな ....
「泣き腫らした家」
その家は号泣する
時間を失った丘陵にたたずみ
家主の帰りを待ちわびながら
その家はときどき夢想する
彼女が門扉を開き
飛び石伝いにやって来るさ ....
辞職願には「一身上の都合」とだけつつがなく書いたものの、本当の理由は「生きることによる倦怠感」であった。生きる、という本質的な目的がわたしの中で、ピントの合わない眼鏡をかけているように、急にぼやけて ....
明るい心臓の奥深くに
私のかたちに似た木が一本
ひっそりと佇んでいる
その木は、
常緑と呼ぶにはいささか
難解で
落葉と呼ぶにはいささか
陽気である
そし ....
「骨音」
その森の中のまぶたは
たいへんうつくしい
背骨を失った世界よりずっと
まぶたに広がる昼下がり
湖のほとりで
老人は 骨を拾う
露の輝く草を分け
....
母が私の靴をはいて出てしまった。
『せちがらい世の中です。どうか探さないでください』
朝起きると母の書き置きがあった。あまりにも淡白なセンテンスだった。私は泣きながらトーストをかじり、泣きなが ....
(私はいつも仰向けで寝入り
決まって仰向けで目を覚ます)
その日天井のしみは、妹のクラスメイトの顔だった
昼下がりに学校を早引けしたきり妹は姿をくらました
(私はいつも仰向けで寝入り ....
もうふた月ほどたつだろうか。わたしは毎日、すこしずつ家財を捨てている。家財、といっても、どれもさまつな――そのほとんどは夫と共有して、それなりの思い出がつまっているのだろうが、もはやさまつとしかいい ....
目には見えないが
確かに巨人の朗読が聞こえる
すぐ近くにいるときもあるし
間遠いところから
細々と聞こえるときもある
詩や あるいは詩が
巨人は聖書のゴリアテとは
一 ....
(てらてら笑うニンゲンはたいがい……)
ずっとむかし叔父のいった
そのつづきを思い出そうとする
(てらてら笑うニンゲンは)
(たいがい……)
(たいがい……)
....
渡 ひろこさんの豊島ケイトウさんおすすめリスト
(11)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
蝶の刺青
-
豊島ケイ ...
自由詩
12*
10-11-23
ちぐはぐな家庭
-
豊島ケイ ...
自由詩
28+*
10-11-6
泣き腫らした家/泣くまでの経緯
-
豊島ケイ ...
自由詩
14*
10-10-26
ゆるやかな生活
-
豊島ケイ ...
散文(批評 ...
18+*
10-10-18
私のかたちに似た木
-
豊島ケイ ...
自由詩
13*
10-10-15
骨音_他二篇
-
豊島ケイ ...
自由詩
16*
10-10-10
母の靴、私の靴
-
豊島ケイ ...
散文(批評 ...
18*
10-10-6
しみ
-
豊島ケイ ...
自由詩
17*
10-10-2
花冷え
-
豊島ケイ ...
散文(批評 ...
14+*
10-9-27
朗読する巨人
-
豊島ケイ ...
自由詩
15*
10-9-15
てらてら笑う
-
豊島ケイ ...
自由詩
10*
10-9-12
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する