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それは突然舞い降りてきた
何の前触れもなく歌もなく
楽しさの全てを食い尽くすため、
僕の身体に入り込んだ。
それは少しの疼痛で
全て揃った腰のパーツの
どこかにスーッと入り込み
きっとど ....
学習ノートの裏表紙
鉛筆手書きの宝島
包装紙の海図を持って
君はダンディ、僕 博士
太っちょガバチョを従えて
駄菓子屋で買った黄粉飴
カバンに入れて粉だらけ
黄粉に塗れた三人の
宝探し ....
市場の朝は早く寒い
働く市場の軒下から
真っ青な空が広がっている

君の頭上に空があり
野菜の中に埋もれて
汗をかいていた君は
市場の軒の間から
深く青い空を見る

空の青は深 ....
足柄山の山中に
(大江山の中腹に)
大きな栗の大木が
その巨木の瘤の中
蔓で編まれた黒い籠

籠の中の麻の布
布に包まれた赤子一人
黒々とした髪を持ち
大きな体に漲(みなぎ)る精気
 ....
荒川の河川敷 土手の下に
古ぼけた木造アパート
モルタル塗らしかった壁の
モルタルは剥がれ落ち
グレーの下地に
枯れてしまった
蔦のツルがへばり付いている

空き家のようだが
夕暮れ ....
唄われることのない楽譜
合唱曲の楽譜
一人では唄うことの出来ない楽譜よ
ただ読むためだけに
部屋の机の上にある楽譜
その悲しさはどのように深いものなのか
間違って作られてしまった悲しさか
 ....
逆立ちする樹は
王子の星を三本で覆い尽くし
そのうち星は崩壊
逆立ちする樹は
なぜか地球の一角に
サンテグジュペリの祖国の支配
沢山の奇跡の巨大な島
地上の奇観 バオバブの森

漂流 ....
しっかり生きていこうと思ってはいたが、

うっかり長生きしすぎてしまったものだから
がっかりするようなことを沢山見てしまった。

うっかり長生きしすぎてしまったので
しっかりすることなく生 ....
人生なんて冗談でしかないって
お偉い先生が言っていますが、
そんなことは地平線まで見える丘に立ちすくんでいる下々の者である僕らにはとんと実感がありません。
大きく言えば人生って今生きていることな ....
{引用=
稲荷山浄妙寺
鎌倉五山第五位の寺格
足利義兼の創建で
月峯了然(げっぽうりょうねん)から臨済宗
足利尊氏の父
足利貞氏が中興の開基
創建時の住職 
行勇律師は後に栄西の弟子
 ....
黄色い壁伝い 石畳の路地
幅一メートルほどの狭い路地を歩き続ける。
どこまで行っても路地
何時になったら この路地抜けられるのか
少し、焦りながら歩いて行く

突然視界が開け
突然光が戻 ....
○が□に惚れたのは

とても嵐の午後でした。
大きな嵐が横切った
山を越えて谷を越え
川を跨いで横切った。
嵐は朝から走っていたが
なぜか□は電車に乗って
○のいる図書館に
ビニール ....
その褐色の巨人は
毛髪からエレキを放電し
異様な叫び声を上げたり
心を揺さぶる言葉を呟き

その褐色の巨人は
無骨な太い指で
楽器の喉元を押さえ
楽器の内臓を掻き毟って
悲鳴を上げさ ....
 郊外電車の車窓から夕暮れの開発地が見える。電車はあるときは半地下に潜り、あるときは高架線となり、田園地帯を我が物顔に走る。路線の駅に会わせて区画整理された街並みは美しいが、ほんの数百メートル移動 .... 夢で逢いましょう
夢で逢いましょう

だだっ広い駒場グラウンドの
野球場とラグビー場を区分けしている並木道
両側を生け垣とランダムに生えている並木
生えているのは桜の古木
ごつごつとした ....
施設の中庭のベンチで
ゆっくり日向ぼっこする
老人達の独りが
突然立ち上がって何かを叫ぶ

こんな筈ではなかったと
こんな方向でなかったと
こんな場所に来るはずではなかった
こんな終わ ....
碧い海に円く赤い太陽が輝き
青い空には白い波頭が遠望できる
赤い雲のたなびく先には
山の端が曖昧な稜線を見せて消えて行く
樹木は影しか形成せず
息づく季節はすでに過ぎてていた


闇 ....
東京の東の場末の少し前

相撲とりと競馬狂い
ちょっと一杯ひっかけようと、
そぞろ歩きの錦糸町南口

客引きの中国人の女やら
街頭ライブの若い子やらが
ネオンの極彩色にまみれながら
 ....
霧に霞む煉瓦敷の道の街灯の明り
湿った空気の中
ボーッとした街灯の光の奥に
ゆったりとした時間が流れる。

得たいの知れない影と
先の見えない道の先に
あの古びたホテル
アイビーの這う ....
昔の女などとゲスなことをいう僕
君の唇は
刺身を受け入れるため開かれて
刺身を咀嚼する際の唇の動きに
見とれている僕は

一個の変質者


一〇年ぶりにあった君は
食事の手 ....
彼女から発せられる
ことば、旋律は
街中を彷徨う

歌声は力強く魂を揺さぶる
六〇年代ニューヨーク
カフェで行われた
ビート世代の詩の朗読会
擦り減った石畳の路地裏にあるガスライトカフ ....
昨日さがし

今朝、起き抜けに
自分は右左が分からず
(ほんとに)
今朝、目覚めたとき
自分は表裏が分からず

自分の仕事が何なのか
すっかり惚けてしまって

濁った頭の中を
 ....
冬の凍てつく青空に
大きな大きな梯子掛け
雲一つ無い寂しい青空に
大きな大きな梯子を掛けて

与太郎 騒ぐは 梯子の終わり
とおく空には届かない。
梯子のてっぺん 高いとこ
それでも真 ....
地中深くに根差した
大きな球根のような欲望と
その真上の中空に漂う
ふわふわふわふわした
空中クラゲのような希望
地上に生えた剥き出しの古木の幹に
粘菌のようにへばり付いた渇望が
すべて ....
年が改め 日常の
また、人との関わりで
いやでも心を開いてゆく


改めて心を開き
また心に思うところを語り、
心に暖かな気持ちを抱き
また今年も生きて行く


何度でも心を ....
先の見えないトンネルを抜けると
そこは渓谷に面した崖で
数十段の階段が川辺まで
雨で光り流れ危険な美しさを見せていた。
階段の先には
溶結凝灰岩(ようけつぎょうかいがんWelded tuff ....
伊弉諾(イザナギ)の鼻から生まれた素戔嗚尊(スサノオ)は
母と逢ったことも無く
それでも母恋しさに泣きわめく

八拳須心前
(やつかひげむなさき)にいたるまでなき
いさちき青山は枯山なす。 ....
武蔵野を行く快速電車
僕の正面のシートに
座る柔らかな君
君が頬ばる、クリームパンの
甘い香りに誘われて
僕の視線は君の口元に
紅をひいた唇に囲まれ
齧られ押し出され
唇の横にへばり付 ....
その昔 俺は 宇宙の中を飛び回っていた。
織り姫に懸想して、彦星から追われもした、
白鳥の首根っこも押さえもしたし、
ペテルギュウスのおならも嗅いだ。
オリオンの楯を盗んだり
カシオペアの辺 ....
冬の寒さに身を委ね
凍れる唇に物を言わせようと
北風の中歩き疲れて
坂道の途中

針の枝振りの銀杏並木を
ゆっくり北風に煽られながら
今年の冬も歩きづらく
また疲れて坂の途中

歩 ....
渡 ひろこさんの……とある蛙さんおすすめリスト(446)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ぎっくり腰- ……とあ ...自由詩8*11-3-3
宝探し- ……とあ ...自由詩611-3-1
空と雲ーIくんへ捧げますー- ……とあ ...自由詩811-2-27
鬼ごろし- ……とあ ...自由詩8*11-2-25
殺風景- ……とあ ...自由詩12*11-2-23
忘れられたもの- ……とあ ...自由詩511-2-21
バ・オバブ- ……とあ ...自由詩11*11-2-17
惚け- ……とあ ...自由詩1311-2-16
丘から地平線が見えるのですが- ……とあ ...自由詩5*11-2-15
浄妙寺日記- ……とあ ...自由詩7*11-2-14
路地2- ……とあ ...自由詩9*11-2-11
恋に落ちて- ……とあ ...自由詩7*11-2-9
JimiH_3- ……とあ ...自由詩7*11-2-3
訃報ー通夜3ー- ……とあ ...自由詩711-2-2
夢を見ましょう- ……とあ ...自由詩8*11-1-28
ベンチで- ……とあ ...自由詩9*11-1-26
ひかりのや- ……とあ ...自由詩14*11-1-24
錦糸町マークⅡ- ……とあ ...自由詩11*11-1-22
ゆらめく腕- ……とあ ...自由詩10*11-1-20
理由もなく昔の女と食事して- ……とあ ...自由詩8*11-1-18
ガスライト- ……とあ ...自由詩8*11-1-17
二日酔い- ……とあ ...自由詩10*11-1-13
与太郎の空- ……とあ ...自由詩10*11-1-10
フクロ鼠- ……とあ ...自由詩16+*11-1-4
雪だるまの心- ……とあ ...自由詩7*11-1-3
飛沫- ……とあ ...自由詩7*11-1-1
スサノオ- ……とあ ...自由詩10*10-12-30
クリームパン- ……とあ ...自由詩7*10-12-26
Space_Captain- ……とあ ...自由詩6*10-12-21
老人と犬- ……とあ ...自由詩7*10-12-20

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