すべてのおすすめ
港から程遠くない高台
急な坂をゆっくり登ると
桜の枝の間に覗く再建された天守閣
ゆったりと 
本丸天守閣から海の風景が広がる。

遠く相模湾が霞み、その右手に浦賀水道
三方を山で囲まれた ....
誰もいない六畳間
頬を畳にくっつけて
夏休みも終わりの午後
八歳の僕は昼寝する

風が簾を通して頬を撫ぜる
うつらうつらしている僕の眼の先には
隣の部屋でミシンを踏む
母の姿がぼんやり ....
たとえば曇天の松戸
ゴミ焼却処理場の高層煙突
ピカリぴかりと位置を知らせる
ピカリぴかりと存在を知らせる
岩瀬無番地という住居表示
表示不要の権力装置
存在を表示しない

昔陸軍工兵学 ....
猫 呑気にたんすの上
バスケットの縁に首をのせ
顔だけ見せてご挨拶
声にならない鳴き声で

名前を呼ぶとニャンと鳴く
小さな口でニャンと鳴く
小さな声でニャンと鳴く

今日も呑気の ....
幾何学模様の視点から
感情の起伏の凸凹が取り込まれ
次第に次第に
抑圧され削り取られ直線

直線と曲線で囲まれた幾何学模様も様変わり
その視点で見ると美しいものも
グロテスクであったりす ....
靖国通りの先に大きく聳える
東京スカイツリーの展望台から上部ユニット
メタル素材の三つの顔が浮かんでいます
陽光を反射するでもなく
ぎらりぎらぎら照り光っています。

ゆっく ....
夕暮れは知らないうちにやって来る
ブラインド越しの窓の外
夜空が突然落ちてくる
ビルの谷間の一角の
ボーッと灯る明りの主は
どこから湧いたかおでんやの
屋台が見える路地裏に
勤め帰り ....
 単純な方法に慣れて親しんでいたおれには、この街の未来がありありと見えていた。ありとあらゆる工場は廃墟と化す前に打ち壊されて、その代わりに実体のない紙幣に踊らされたモラリストたちが残飯を食ったりするレ .... 大きな雪原に小さな染みのような点
黒い点は次第に拡大し一匹の黒い犬に
大きな黒い犬は狼にメタフォルモーゼする。
孤独な雪原の染みはじっと前方を凝視した後
素早く雪原を横切り
エルクの群れを追 ....
顔を切るような寒風の中、薄目を開け足元を見れば舗装されているが、罅割れの多い凸凹道を
前のめりと言えばかっこ良いが、吹き飛ばされないよう歯を食いしばって風の吹く方向に足を踏み出して歩いている。

 ....
ネオン輝く夜の巷
路地裏の狭い石畳を入ると
淡いランプの明りに
浮かび上がるバーの扉



ここは[遠い昔のバー]で
スツールに腰掛け
おしぼりで手をふいて
まず一杯[今のリキュー ....
曇天俄に渦巻く暗雲
突然驟雨秋の雨
大粒の雨横殴り

気取ったスタイル
すぞ濡れる 悪意


心ひらひら風の中
涙ひたひた雨の中

多くの悲しみを含んだ雨が
幾度も幾度も降 ....
世界は認識の中にある
平面に沿ったGのみの世界
天井が眼下に
床が頭上に
滑り落ちながら
眼下に床が
離れた鉄棒の上から
回転しながら上昇し
そのまま落下する
視点から眺める部屋 ....
ところで
我々は何をすべきなのか
なぜ図書館が涙を流しているのか
うまい奴はたくさんいたが
非の打ち所が頭には入ってこない。
などと奇妙な唇が呟く。

さては
眼前の靄を凝視する
な ....
午後の大きな顔が公道の真ん中を通ってずんずんこちらに迫ってくる。何の躊躇も無いその目の色は鳶色だ。逃げ出すことも無く同じ方向に歩きだす。その顔は側面から夕日を受け端正な顔が陰を作って歪み出した。夕日は .... 宇宙に開かれた水の滴
表面張力によって浮かぶ
塵芥の島嶼の一部の
寄生する細菌細菌
細菌が人生


泥の堆積/火の木端/夢に沈む
雲の破片の沈殿物
屋敷の塀の高さに隠された
思い出 ....
両親の法事にも出ず/確定申告
何ができる/何もできない
電車は相変わらず/余震の陰に沈んでいる。
空は青空/心は鈍色
地震は嫌いだ/自信家はもっと嫌いだ
安全が第1/完全が第1
落ち着かな ....
雨が静かに降っている。
この悲しみを流せるか
悲しみすべて流せるか

雨がしとしと降っている。
この嘆きを流せるか
嘆きをすべて流せるか

雨がひたひた降っている
この苦しみを流せる ....
希望の楡の大樹の根元
絶望の日溜まりの中で
君は何を想い
溜息を吐いているのだ

柔らかな秋の陽射しの中
ゴツゴツとした大樹の根元にしゃがみ込み
君は何を想い
溜息を吐いているのだ
 ....
さて あのすすり泣き
深夜不気味な静寂の中
心の中を踏みにじる
遠吠えのような鳴き声と
嗚咽を漏らしたすすり泣き

寝静まった街の中
街路樹に風 だけがざわざわと
聞こえぬふり ....
 「上を向いて歩く−はてどこかで聴いたような」

風は丘を越えて吹いている
丘を覆い尽くす向日葵は
風に吹かれていくらか首を傾げ
黄色い丸顔を撫ぜる風

道の下は荒れ地
昔昔その昔
 ....
岬の突端にある一本杉
その根元には猫の額ほどの草原が
崖下に望める港町は
なだらかな坂のある町で
火の見櫓以外高い建物もなく
斜面にへばりついた小さな
小さな灰色の箱の集落

漁船が停 ....
次第に人との距離を感じ
次第に人との言葉が減り、
次第に人と会う機会が減り

言葉は外で無く内に向けられ
言葉は形が無く反芻できず
言葉は脳髄の中で霧散し

色は次第に発色しなくなり
 ....
内臓と筋肉と精神と
空を見上げれば
口からこみ上げるほどの
未消化な感情が
胸焼けの原因で

とりあえず君と映画を見に行こうと誘った。

有楽町のシネマ1では
Born to b ....
谷底から吹き上げる風に向かって
飛び込んだ僕の身体は
そのまま上空に飛翔し
十五夜の月 月面に向かって落ちて行く

青い地球の表面で
わずかに塵芥のように
へばり付いていた
悩み後悔の ....
もう骨身にしみて
地上の風景が分かっている我々。
地上には乾涸らびたバッファローの頭蓋骨
灌木に砂、掴むことの出来ない短い丈の草と
土煙を上げて往来するトラックの群れ
遠景に岩山が望めるが
 ....
落下する精神の一滴
不毛の砂漠が拡がる

一滴の水はオアシスとなり得ず
砂礫の隙間から地下水脈に吸い込まれる

蒸発するのでは無い。
胡散霧散するのでは無い。

現実だと認識できない ....
光と闇の狭間に見える
人物の陰影
突然漆黒となる闇の陰に
ペテン師の陰惨な微笑と
神の不条理な愉悦が
垣間見える

その反対側の光は
捕縛側の甲冑の黒の光沢を際だたせ
キリストは捕縛 ....
遠野の山道/峠の途中 一本の巨大な枝垂れ桜/
 とおののやまみち とうげのとちゅう しだれやなぎにかっぱがぽつり 

春先にその桜の根元/その下で春先に相撲を取る河童一匹/
 はるさきいつも ....
つまりは総括なのだ。

ありとあり余る残滓と
ありとあり余る余韻と
ありと有り余る余震と
ありとあり余る贅肉と
ありとあり余るバリと
ありとあり余るカニバリズム

雷鳴の中 交差点を ....
渡 ひろこさんの……とある蛙さんおすすめリスト(446)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
館山記- ……とあ ...自由詩611-11-21
昼寝の思い出- ……とあ ...自由詩10*11-11-19
松渡- ……とあ ...自由詩1011-11-17
猫と昼寝- ……とあ ...自由詩1211-11-13
視点- ……とあ ...自由詩411-11-12
靖国通点描- ……とあ ...自由詩1611-11-9
おでんや2- ……とあ ...自由詩9*11-11-6
独白- ……とあ ...自由詩6*11-11-3
肉食- ……とあ ...自由詩12*11-10-31
道7- ……とあ ...自由詩6*11-10-30
バーカウンターのスツールに腰掛けて- ……とあ ...自由詩7*11-10-26
心ひらひらオノマトペ- ……とあ ...自由詩5*11-10-24
鉄棒- ……とあ ...自由詩1211-10-20
とどのつまり- ……とあ ...自由詩811-10-19
顔_初級編- ……とあ ...自由詩6*11-10-17
水のしずく/宇宙- ……とあ ...自由詩11*11-10-15
苦境- ……とあ ...自由詩6*11-10-13
雨の唄- ……とあ ...自由詩711-10-11
秋の日だまりから雨- ……とあ ...自由詩8*11-10-9
夜の唄- ……とあ ...自由詩7*11-10-6
歌にならなかった詩- ……とあ ...自由詩1011-10-4
野良猫あるいはルンペン(全)- ……とあ ...自由詩811-10-2
老い_ー言葉など- ……とあ ...自由詩511-9-28
やけくそイージーライダー- ……とあ ...自由詩411-9-26
月面宙返り- ……とあ ...自由詩811-9-25
深い河_ー僕のDeepRiverー- ……とあ ...自由詩811-9-22
一滴の水遊び- ……とあ ...自由詩8*11-9-21
キリストの捕縛- ……とあ ...自由詩911-9-19
河童- ……とあ ...自由詩811-9-19
夏の総括- ……とあ ...自由詩911-9-14

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する