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誰にでも
素晴らしい時があった気がする
ただオレにとっては
その時がいったい
いつのことだったか
もう思い出せないだけ
オレはそうして
静かに目を閉じる
101020
キュウロクと言ったら
9600型蒸気機関車
大正の初期に純国産機として生まれ
長い昭和時代を日本全国を駆け回り ....
{引用=
記憶は生きていない
記憶は動かない
ので
それは生命を超越し
古い古い地層に
固定されている
こことは違う時間では
時間は
固定されている
ここと ....
影の中に風景を見つめて
私は 何となくそこで 目を閉じる
夢のイメージは そこには無いのだと
そこにある日だまりに座り込み
そこにある体の疲れで
目の中のそこで 眠る
目は眠る ....
記憶の破片が降る
僕の肩に、額に
瞳に
鋭い角を立て
時の欠片が容赦なく降る
夕陽を浴び
舞う
髪に散る雪のごとく
溶け
傷を残さず
僕を傷める
過去の破片が降りかかる
眼の上 ....
君の機嫌が良いとき
靴下を買ってきたとき
仕事帰り
今日も駅の中の靴下屋で、カラフルな靴下を、一万円分買ってきた
押入れの中には、君の靴下がいっぱい詰まった箱が2箱ある
「わたし ....
いやなの
不安な雨
戻れない時間
みえない明日
全部なくせば
不安はまた生まれる
別の場所から
思い通り
ならないのは生まれたときから
ヒトの意思なんて
地球には関係ないか ....
奥深い森のなか
大蛇のような泥の河を下り
僕が猿の真似をする
ヤノマミがそれを見て笑う
彼らはよく知っている
人間がそのむかし猿の王者であったということを
僕は踊る。覚えた ....
あるのか
ないのか
わからない
ドーナツの穴を越えて
オートバイは走っていく
いつか
行き着くかも
しれない
あるのか
ないのか
わから ....
あなたはわたしに「ななし」と名付けた
それ以来わたしは薄い皮膜を漂っている小さな虫。
光らない星、開かない窓、結ばれない紐、濡れない傘、
ない。ない。ない。ということでしか ....
風邪を引き発熱
いつもの常用薬を取りにいけない
本人でなくては
許可がでない薬
1日目なんとか
パキシルを残して
抗ウツ剤1錠で乗り切る
2日目 パキシル1錠のみ服用
風邪 ....
失ったものが一つある
失ったものが一つだけ
春でした
たとえようもなく春でした
どこの世界でも
一人で生きていました
それはほんとうは勘違いで
僕はたとえようもなく惨めでした
....
ディスクユニオンを出る
暗い夜空に街灯が光る
ニュートラルな気分
家に帰ろうと歩を進める
風が頬を撫でる
その事実をただ受け止める
無機質な心地よさ
生きている/それだけしか ....
覆い尽くそうとするビルに負けず
ただ泰然と空はあった
眩しい交差点を抜けると再び
空は切り取られてしまうけれど
工場の音さえ微笑ましく
あるいは無表情に
空はそこにあるだけだっ ....
石のなかから硝子をひろう
いつのまにか消えている
手のひらに残る かたち
ふちどり
こきざみな夢
菓子の弦
水は灯のそば
傷と波と壁
語りあいな ....
冷たい直線が
流れていく
今日は朝から
ろれつが回らない、
白い紙へと
その先に長く続く
生物の住めないプール
それは時計にある
二つの瞳孔
人が唇を触りながら
ゆっくり ....
ストロベリーとカスタード
生クリームにマスカルポーネ
いちばんカラダが甘くておいしい
スペクタキュラス、インテグラル
五反田のペントハウスでクンニリングス
ゴーヂャスに裏さびれたお肉の宴
....
洟を垂れた
十円玉
若い空き缶のなかに転がる
長い
一本道の
震えた
神経
友達は
黄色いセイタカアワダチソウたち
幻想王国で
手を振る
道路の
向こう
夢と夢を繋い ....
じゃらじゃらと指があそんでる
手のひらをすべる舟でゆく
月のない
だけど明るい砂の上
大切なものがさらさらと
くびれた小瓶に流れこむ
オールを漕いで 砂を ....
大きな夕陽の中に
君の背中が逆光に
振り向かない君に
僕は問いかける
人生はこんなものなのか
CTでスキャンすれば
楽しい時もあった
輝かしい時もあった
苦しい時もあった
惨めな ....
珍しい駅で降りた。
どこかくたびれた地下道を歩く。
忙しないOLとすれ違う。
看板で地理を確認する。
慣れてない階段を登る。
ネオンや街灯の少ない地上が広がった。
....
病人の鼻糞をほじる姿がいやだ 。
憐れみの目減りで見られる涎掛けも いやだ 。
むかしどこかで母の悪口を言ってたら、隣に座っていた水商売風な中年の女性に「わたしは介護で母の面倒をみてる ....
未明からカラス達が鳴き騒ぐ
燃えるごみの日
電力を享楽する都会 まして貪欲な鳥達に
夜盲は無縁なのだろう
ゥアー ゥアー
アー アー
グオッグオッ オッオッ
アガ アガ グァー
多彩な ....
■1
こころを見られるのが
恥ずかしくなった
だからなんとか隠そうとして
まわりに壁を作っていたら
こころのやつ
どんどん どんどん
膨らんでいって
壁は
....
1
窓
表面積に
くちづけ
2
空が
墜落する
ポケットへと
3
ひたひたと
歩く
電信柱を
4
痛み
翼を ....
秋のイチョウ並木道
枯れ葉を踏む音が哀しい
でもこの音が好きだ
リズムが少しずつ元気をくれる
だから哀しさはあっても
寂しくはない
夏の命の抜け殻となってもなお
心に響く木々 ....
じゅげむよ じゅげむ
ねむいか ねむいよ
いま きみにひつようなのは
べんきょうでもない
しごとでもない ねむりなのさ
さいわい しばらく こいもない
つかれるゆめは みませんように
お ....
まんべんなく塗り潰された
午後からの狂想はふたなりだ
気分次第で
どんな快楽にも飛べる
吐き出すも飲み込むもお手のもの
トップレスの神官はすでに出来上がっていて
....
川面のゆるやかな歩みに
目を潤ませるきみを
こらえきれず
背中越しに抱きしめた
いつもの帰り道を
いつものように歩いていると
知らない道を歩いている
どこかから寝息が聞こえるので
誰かの夢の中だとわかる
寝息を頼りに知らない道を歩いていくと
知らない家にた ....
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