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さんざめき、少しずつきえてゆくあなたの目に映るとうめいなちずをてのひらでよむ。ほほにながれるなまえをさがすように、丁寧なしぐさで紐を解く。なまぬるい、あめ、がらすにぶつかるたび、視界をぬらしてゆく。な ....
彼女は
朝の遠いこのまちの
ちいさな刷毛で色をさしてゆく、群青
そらをぬりこくって笑う
その背中に
にじんでゆく夕焼け空を想起しました
けれどもうぜんぶ しずんでしまったから
....
そうぞうしいみちのうえで
林檎が鳴った
歯をみせて おとは失せる
あなたのつちいろの肌
ゆうぐれと 宵のすきま
てれびをぼんやり ぼんやり
ながめてすごす
ふとしたとき
とばさ ....
半歩、まえをゆく
あなたは
鳥の巣を見たいという
つゆの前日
うすみどりのかぜが
わたしたちのあいだをゆききする
わたしの部屋へ ゆくみち
みみを澄ます
ゆるい
花火
....
からだの曲線にそって
あなたは
かんたんなじゅもんなのだと指を折った
てのひらをそっとひらいて
りゆうもなさそうにわらった時
すこしだけ
えんえんとつづいてゆく
朝の風景を おもいだして ....